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「女ざかり」

丸谷才一「女ざかり」文藝春秋

教養小説としても中身の濃い1993年の作品。
何かで話題になっていたので、再読してみました。
具体的には、すっかり忘れちゃってたので‥
熟年の働く女性を、恋もする美しく魅力的な存在として描いたので、話題になった印象があります。

新日報の新聞記者の南弓子は、45歳で論説委員になります。
同時期に論説委員になった浦野は、取材記者としては名物男で優秀ですが、じつは文章を書くのは苦手!で有名な男。
苦笑しつつ、手を入れるのを手伝う弓子でした。
この二人の出世は順当なものではなく、派閥争いで有力候補が取り除かれた果ての偶然という内部事情もあったという~大会社では意外にありそうな?なりゆきってことで。

弓子は、若い頃に見合い結婚をして娘を生んだのですが、まったく家事を手伝わない夫に家庭に入ってくれと言われて、離婚。
以来独身ですが、20年来の愛人がいました。週に一度講義に上京する哲学教授・豊崎と逢瀬を重ねていたのです。
取材で知り合った各界の魅力的な男達とも、長く友達付き合いを続ける~魅力ある大人の女性なのですね。
当時としては、大胆なイメージでした。

彼のことで悩んでいるときに論説で筆が滑り、中絶問題について、穏当でない言い回しをしてしまいます。
最初は問題にもならない~というのも、社説を真面目に読む人は少なく、社長も読んでいないせいとは笑えますが、やがて、どこかから圧力がかかって、閑職にとばされそうになるのです。
どこから、なぜ、圧力がかかったのか?人脈を駆使して、弓子の闘いが始まります。

弓子の伯母である往年の女優や、裏社会の浅岡、弓子の娘の千枝とその恋人候補が会いに行く書家や、はては首相の田丸など、さまざまな人物がそれぞれに面白い。
更年期障害の豊崎の妻や、子供のようになってしまっている田丸の妻など、妻としての人生にも陰影のある描き方。
日本の歴史や社会についての考察もあちこちにちりばめられていて、何とも読み応えがあります。

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