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2010年9月

しらゆきさんと着物3人

Vfsh1013momokoさん、着物で集まってきました~。
まずは、朋香さんが文那さんにご対面。
「こんにちは!朋香です」
「文那です。お~やまとなでしこ?キュートね~!」
Vfsh1020「その髪飾り、可愛いのね」
「色違い、ありますよ。ほら~」
「あら、ぴったり?」
Vfsh0004「こんにちは~」
しらゆきさんこと、美冬さんも登場です。
「わあ、美冬さんですね!」
「文那です、初めまして」
Vfsh0007色は地味目ですが~大きな菊の柄の華やかな着物です。
浴衣にも出来ますが、秋らしい色調でしょ?
「よろしく~」
Vfsh0001「その帯の後ろはどうなってるの?」
好奇心旺盛な文那さん。
「こうよ~シンプルな文庫結び」
着物の柄が大きいので、帯の色は抑えめにしてみました。
他の子がチェックっぽいので、そういう柄にmotorsports

「天地明察」

冲方 丁「天地明察」角川グループパブリッシング

本屋大賞受賞作です。
戦国時代が終わり、江戸城には振り袖火事で焼失した天守閣も再建されなくなった時代。
囲碁を専門とする家系の青年・渋川春海が主人公。

囲碁は侍の教養として必須で、上様の御前での試合も多かったそうです。
とはいえ、やはり半端な立場で、普通は帯刀も許されない。
御前試合は定石通りに打ってみせるだけで、真剣勝負というのでもないのです。
春海より年下で才能あるライバル?本因坊道策もじれていました。

春海は、安井算哲という父の名を継いだものの、年の離れた義兄が実際には立派に名をなしていました。
どこかはみ出しかけて、公式の席以外では自分でつけた渋川春海という名も名乗り、様々な趣味に打ち込みつつ、生きあぐねていたのです。
春海は欲というか闘争心?がない穏やかな性格ですが、内心では悩み、好きなことには夢中になって、地べたに座って計算し出すという~親しみやすい人柄。

当時、算術は趣味としても好まれ、絵馬に問題を書いて掛けておくという風習もあったんだそうです。
次々に即解してのけた驚くべき才能の主・関を発見した春海は喜び、その人を探しますが…?

春海は老中の酒井に呼び出されて、人物を吟味されることに。
その陰には会津藩主・保科正之が…
保科は三代将軍・家光の異母弟で、心から信頼された重鎮でした。
四代将軍の時代になっても、陰ながら重要な事業に関わっていたのです。
もともと安井家は会津藩に縁が深いのですが、春海が呼び出されて受けた命は意外にも…?
囲碁のつとめを離れて、測量に加わるというもの。

春海の芸(特技)は、囲碁、神道、朱子学、算術、測地、歴術と書類に残っているのだそうです。そのすべてを生かし切る大仕事!
尊敬できる先輩にも恵まれます。
全国を歩いて、歩幅で距離を計算するというのも~スゴイですね。
緯度を測る機械を持ち運んで、組み立てるというのも‥
[追記:緯度経度って書いちゃったんですが~ご指摘によると、この時代では緯度だけかも。
ちょっと検索したら~中国の経度について触れている記事もあるのですが、さらに間違いではないかという指摘も見られて、よくわかりませんが…すいません]

ユーモアもあり、葛藤もあり、何を命じられるかわからない立場の辛さもあり、見いだされる喜びあり、大失敗の身のすくむような経験もあり。
当時の暦は、唐の物を参考に清和天皇の時代に作られた宣明歴。
八百年の年月のうちに2日もずれてきた暦を変えるため、全国で計測して回り、元になる暦も深く探求することになるのです。
45歳で大事業をついに成し遂げるまで。
算術塾で出会った元気な娘・おえんとのはかない別れ、再会などもいきいきと描かれていて、楽しく読めます。
傑作!

「敗北を抱きしめて」

ジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」岩波書店

ピューリッツァー賞受賞作。
アメリカ人がアメリカ人に対して、日本が敗戦したときの実態と占領政策の推移を主に描いたもの。
これだけ詳しく、わかりやすい、臨場感に溢れた内容を、外国人に書かれちゃうとは。
奥さんは日本人だそうですが。

アメリカの占領政策は宣教師的な熱意を持った植民地主義であったことなど、まさしくその通りだと思いますが~印象的な指摘のしかた。
このタイトルはどうなんですか?という気がしないでもなかったけど。
ドイツとの比較なども、今改めて言われると新鮮。
占領軍といっても人数には限界があり日本語を話せる人も少ないので、既にある官僚組織を使わないわけにはいかなかったという事実。
日本通を総動員したのかと思ったらそうでもなく、その理由は軍部が強かった日本に詳しくてももう役に立たないかららしい。

天皇の責任についてはやや疑問視しているよう。天皇の名の下にあれだけのことが行われたのに?ということでしょうか。
マッカーサーは天皇を生かすために進歩的な憲法を推進した、どちらをとるかだったというのは意外な力学でした。
天皇は実際に政務を行ってはいないという認識は、古来から日本人にはそれほど意外ではないんだけど。

敗戦の時に日本人は虚脱状態になってしまった。
ありえないと思っていたショックもあるけれど、実は空爆と飢餓で虚脱状態は既に始まっていたと…。
アメリカ人に日本の戦中戦後の悲惨さを率直に伝えているので、原爆を落とすまでもなかったことが暗にわかるような。
最高司令長官のマッカーサーはなぜかとても人気があって、プレゼントやファンレターが何万も届いたとは、知りませんでした。
権力者へのへつらいもなくはなく、陳情や請願も含む内容なのだそうですが、戦争から解放してくれたという正直な?感情もあったらしい。

軍部の圧政から離れ、平和と民主主義に喜んで馴染んでいく日本人の様子は、アメリカ人にとって心地良い驚きなのかな?
内容の濃い良心的な作品。
終戦後の混乱期の日本を描いて、光の当て方に独自性があります。
しんどい内容なので、読み込むのは大変。
他の人はどう書いていることなのだろうかと思うが、とても調べきれない…
占領期に官僚が強化された体制が、今日に至る問題に続いているという指摘には、考えさせられます。

母のバースデー

Vfsh0034先日、母の誕生日がありました。
近所のケーキ屋さんマロニエで、ふたつケーキを買ってきました。
Vfsh0035まずは、ローズのババロア。
生花がついているのが女らしくて~誕生日ぽいかな?と。
Vfsh0038こちらはカボチャのプリン。
季節柄、こんな容れ物に入ってます。
プリンなら確実に食べられるから。
温めてとろみをつけた紅茶と、栄養ドリンクをゼリーにした物と一緒に。
バースデーの歌も私が歌ってあげました。

午後には、リハビリの先生がちょうど来る日で、母の信頼している人なので、楽しそうに過ごせました。
大柄な男性で、かるがると車椅子に移してくれるのです。
車椅子で窓際まで行き、庭の花を眺め、私がサルスベリと彼岸花とオカトラノオを切ってきて、テーブルに生けました。
花を生ける余裕も最近なかったので、久しぶりのこと。
それから、猫を抱っこしてベッドまで連れて行き、「にゃあん」とお祝い。これには母もにっこりhappy01
今年4月に要介護度5になった母。
7月に脱水症で入院、8月末に退院してからも微熱が出やすく、食事をとるだけでも大変でした。
嚥下が困難になっていて、ゼリーのような物しか飲み込めないのです。
数日は点滴にも来て貰いましたが、最近ようやく点滴はなしでも行ける感じになり、ほっとしています。

「ダブル・ファンタジー」

村山由佳「W/F ダブル・ファンタジー」文藝春秋

村山由佳の新境地として、受賞に輝いた作品。

35歳のヒロイン、高遠ナツメこと奈津は、シナリオライター。
劇作家としてスタートしましたが、テレビドラマの脚本で認められています。
どちらかというと辛口な脚本で売れたのですが、本人は優等生的で、夫にも遠慮している所がありました。
夫の省吾は仕事を辞めて彼女のマネージャーのようになり、家の周りの畑で野菜を作りながら暮らしていたのです。
結婚後10年。穏やかなようで、どこか物足りず、じつは支配的な夫の態度に心傷つくことも少なくない日々。

過激な仕事ぶりで知られる劇作家・志澤一狼太に強く惹かれ、長いメールを交わすようになります。
ひそかな激しい恋がきっかけで、新しくスタートする決意をして、東京に仕事場を持ちます。
志澤には急に冷たく去られてボロボロになるのですが、仕事柄また再会も。

この年になって初めて得た親友・杏子に、何でも話すことが出来る幸福もありました。
その後押しもあって、次第に自分を見つめ直していくことに。
仕事で香港に出かけた先で、学生時代の先輩で優しい岩井に再会します。
愛人である前に友達、というお互いに縛りつけない関係が始まり、素直に自分をさらけ出せるようになります。
一時はこれまでになく安心して満たされるのを感じますが‥忙しい彼には家庭もあり…

さらに、新たな出会いも。
ついに、お似合いの相手に巡り会った‥かも?
恋愛遍歴を重ねながらどこかで抑えていた自分を解放し?作家として開花するためにもがくという話かな。

こんな話も書けるぐらい、大人になったんですね~。
思わず実体験か?!と思うような内容。
自身は、結婚後17年で離婚。
自然が豊かな環境でストレスがなくなり、小説が書けなくなってしまったのだとか。最近、再婚したそうです。

ふつうの女性にとっては、自分が出来ない冒険を読める?
‥男性にとってはごく一部だけ参考になる点もあるかも…?
すべての女性がこう感じているというわけでは、もちろんないんですがcoldsweats01

「エコー・パーク」

マイクル・コナリー「エコー・パーク」講談社文庫

現代最高のハードボイルドと評されるボッシュ・シリーズ。
もう何作目かな?
筋金入りの刑事ボッシュに、意外な連絡が来るところから始まります。

ボッシュが、13年も気に掛けていたマリー・ゲストという女性の失踪事件。
機会があるごとに調べ直し、容疑者と睨んだ金持ちのドラ息子には出来る限りの圧力をかけ、嘆き悲しむマリー・ゲストの両親とも連絡を取っていましたが…

死体を車に乗せているところを現行犯逮捕された男レイナード・ウェイツが、死刑を免れる代わりに、いくつもの犯行を自供する司法取引に応じます。
そして、あのマリー・ゲストの事件も自分の犯行だと。
野心丸出しの検察官らの言動。
犯行のタイプに違いがあり、にわかには信じられないボッシュですが…?

エコー・パークでの現場検証で、死体を埋めたという野外に関係者一同が揃って出向いたとき、犯人ウェイツが逃走。
ボッシュの頼りになる相棒の女性キズミンも、銃撃されて入院。
大事件に発展してしまいました。

エコー・パークというのは広大な公園で、死体を隠せそうという‥日本人が思い浮かべる基準よりでかいんでしょうね。
ボッシュは18ヶ月ぶりに、ケンカ別れしたEBIの女性レイチェル・ウォリングと連絡を取り、独自の捜査で真相を突き止めていきます。
スリル満点で、痛快な終わり方。
とはいえ、危険を顧みないボッシュは暴走気味で、そりゃ女にはモテるのに次々に引かれるわけだわ?だし、上手くいかなかった部分の苦みもあるけれど。
毎回高水準ですが~出来がいい方で、嬉しいなあ。

2006年発表の本書。
その後も毎年、新作があちらでは順調に出ているそうです。
後書きに出版不況のことが…そ、そうでしょうねえ。

抹茶色の単のウィークデイさん

Vfsh1002ミス・ウィークデイこと、うちでの名前は朋香さんです。
抹茶色の単を着てみました。
意外にこちらも初着物!?
ちょっと前に、しらゆき(こと、うちでは美冬)さんが着た物です。
Vfsh1003まずは、しらゆきさんが締めたのと同じ帯を試しに…
ちょっと地味ですね~夏っぽいし…
「う~ん、小物どうしよう」

Vfsh1005朋香さんなら、こっちの帯の方が可愛いかな?
煉瓦色地に小さな紫色の花柄です。
「わ~こんな小物が?」

Vfsh1008髪飾りをつけてみました。
人間用だけど、小さいサイズなので~色も合うでしょ?
髪を流すと、お嬢さんぽくて可愛いかもsun

Vfsh1009髪留めの毬のような飾りが見えない方から撮ると、きりっとしてます。
豆本展で前にゲットした巻物を持って~
なんだか密命を受けた村娘みたい?bleah

「廃墟に乞う」

佐々木譲「廃墟に乞う」文藝春秋

直木賞受賞作。
北海道警察物の~やや異色な短編集。
捜査時に負った精神的外傷で休職中の刑事・仙道孝司が、いろいろ相談を持ち込まれて、非公式に調査に力を貸すことに。
この設定が生きていて、変わった角度からの渋みのきいた展開になっています。

「オージー好みの村」は、オーストラリアからの滞在客が多いニセコのスキー村の事件。
仙道の療養生活も、11ヶ月目という時期。
知人の女性から、仕事仲間のオーストラリア人に容疑がかかっているため疑いを晴らして欲しいという依頼でした。
現場に行ってみると…?

「廃墟に乞う」は、温泉に来ていた仙道が、かっての同僚から連絡を受けます。
船橋で風俗嬢が殺された事件に、13年前に札幌で起きた事件と通じる点があったのでした。
その時の犯人、古川がもう出所していたのです。
古川の郷里の寂れた町を訪れる仙道。
炭坑が廃墟となり、そこで育った古川は想像を絶する貧しい暮らしをしていました。
題名のニュアンスが最後のシーンに響くよう。

「兄の想い」は、漁師町の事件。
逮捕されたのは実行犯には間違いないのですが、事情を調べてくれと頼まれる仙道。
真面目な若者なので、何か理由があるに違いないと…

「消えた娘」は、行方不明の娘を捜す父親からの依頼。
連続婦女暴行犯の部屋から、娘のバッグが見つかったと連絡が来たのですが、死体がないので捜査本部は開かれない。
どこから、捜査の手をつけるのか…?
時には邪魔者扱いされつつ、担当に花を持たせたりして。

「復帰する朝」は、知人の女性からの依頼で、妹がマスコミに囲まれて困っているという相談。
仙道が、思い出すと恐慌を起こすようになった問題の事件後、3年近くたっている。
当時の相棒と、久々に連絡を取り…
有名な事件を想起させる部分もあって、それはきつかったろうと思わせますが、そのままではない使い方になっています。

犯罪を憎む気持ちはとくに強調されてはいませんが、根底に強く流れていると感じました。
引き締まった文章で、哀しみがただよい、格調高いです。

「500年のトンネル」

スーザン・プライス「500年のトンネル」創元推理文庫

タイムトラベル物のロマンスです。
16世紀のスコットランドの描写がリアル。

21世紀から16世紀へ繋がるタイムチューブという~私企業の極秘プロジェクトで、時間旅行が可能という設定。
アンドリアは、スコットランドの国境地帯にあるその会社の社員です。
16世紀に派遣され、スターカーム一族の砦に、賓客として既に1年滞在していました。
妖精の国から来たエルフとして…
未来から来るという概念は、16世紀にはなかったのです。

スターカームは、国王に従わない国境地帯の一団の中でも、大きな一族。
その跡継ぎのピーアは、乙女というあだ名の美少年。
アンドリアに恋していることを、知らぬ者はいないのですが?
21世紀では太めの地味な女と思われていたアンドリアが、16世紀の基準では~豊満な最高の美女というのがちょっと楽しい。
ピーアの母は、いずれ二人が婚礼を上げるときには豪華な宴を準備しようと楽しみにしている様子でしたが、反対する者や本気にしない者も当然ながらいました。

16世紀の荒々しい描写がリアルで、甘いロマンスものとは一線を画しています。
重傷を負ったピーアを夢中で21世紀に運び、命を助けるアンドリアですが‥
パニックを起こした少年の目に映る~未来世界。
途中で会ったホームレスとのやりとりがおかしい。
じつはこれがスターカームの末裔で、祖父の使っていた言葉を話せるために16世紀から連れ去られたと誤解され、ピーアにはすっかり仲間扱いに…?
タイムチューブまでたどり着く勘と勇気が、いい感じに描かれています。

21世紀と16世紀の闘いはいかに?
ロマンス物というには甘くない~リアルな展開!
ただし、続編あります~。

ミラクルさんとご対面

Vfsh0979ミラクルパーティーガールさん、誰かを待っていました。
「こんにちは~」
春海ちゃんと初顔合わせです。
「こんにちは!文那です」
彼女の名前は、文那(あやな)になりました。

Vfsh0981_2「初めまして!春海です」
まだ浴衣の春海ちゃんですが、ご挨拶のために着こなしを変えました。
細かい柄の帯で抑えめに。
Vfsh0983「このお着物、借りてます~」
「すっごく、お似合い!」
帯もあつらえたみたい~」
Vfsh0999「あら~ありがとう。春海さんの帯は後ろ、どうなってるの?」
Vfsh0995「二枚羽根文庫っていうのかな」
「シックで、かわいい~!
「あ、ねえ、この箱は?」
Vfsh0994「小箪笥のこと?小物入れ~」
「和風のプリントね」
「あ、千代紙っていうの、こういうの」
お喋りは尽きないようですwink

「同期」

今野敏「同期」講談社

32歳の刑事・宇田川が主人公。
大学を出てから警官になった同期の蘇我とは時々飲む間柄でしたが、内心は出世競争も意識していました。
長身で細身の蘇我の方はひょうひょうとしていて、あまり自分を語らない。
やる気があるつもりの宇田川は、自分の器の小ささを感じてガックリすることも。
蘇我が公安に入り、進む道は分かれていましたが…

暴力団の抗争と思われた殺人事件が起きます。
大がかりな家宅捜索を行うことになり、捜査一課も暴対の手伝いに駆り出されます。
手入れの現場から逃走する若い者を追う宇田川が撃たれそうになり、偶然、居合わせた蘇我にかばわれます。
驚く宇田川を、近くのレストランに来ていただけだとその店に誘う蘇我でした。

その後突然、蘇我が退職と発表されます。
しかも、懲戒免職。普通なら警官の不祥事として新聞沙汰になる騒ぎのはずなのに、一切が不明のまま。
しかも行方が知れなくなり、探しに出かけた宇田川に、上から圧力がかかります。
蘇我は一体、何に関わっていたのか?

逃走した男が殺される事件が起き、何と蘇我が容疑者として手配されることに。
思わぬことで、熱くなってくる宇田川。
危険な領分まで、踏み込んでいく…?
宇田川の上司・植松と、その同期である土岐の~しぶといおっさんパワーもなかなかいぶし銀の魅力。
男の友情物が好きな人には、お勧めできるかな。
2009年7月発行。

「死者の館に」

サラ・スチュアート・テイラー「死者の館に」創元推理文庫

芸術史家スウィーニー・セント・ジョージのシリーズ、第2作。
19世紀の芸術の話が出てくるので、お気に入りです。
今回は、地元での事件。

ハーバード大学で教えている下っ端教授のスウィーニーは、長身で赤毛の28歳の美女。
葬礼に関する芸術史が専門で、著作を認められて講座を持てたのは良いけれど、特殊なジャンルなので、これ以上の出世は望めないという。
死体が身につけていた服喪用装身具(モーニングジュエリー)について、警察から質問されます。
何とゼミの教え子の学生ブラッドが、殺されていたと知り驚愕。

ブラッドは、ボストンの名門パトナム家の一員。ゼミの中でも熱心な生徒で、スウィーニーは好感を抱いていたのです。
19世紀のジュエリーが、なぜ彼の死体に?
彼が何やらいわくのあるらしいジュエリーにこだわって、調べていたこともわかってきます。
ブラッドが生前スウィーニーにある質問してきたことがあり、十分な答えをしてあげられなかった悔いのあるスィーニーは、専門知識を生かして、事件に入り込んでいきます。

ブラッドの兄ジャックは彫刻家で、真面目で繊細なブラッドとはまた違った大胆さのあるタイプ。
直感的に、スウィーニーと惹かれ合います。
スウィーニーが子供の暮らした祖母の家は、叔母のアナが今も住んでいて、パトナム家の豪邸からさほど遠くないという縁もありました。
周りから少しずつ、情報を収集するスウィーニー。
パトナム家には、5年前にも悲劇が起きていたのでした。

いっぽう、前の事件で知り合ったイアンからは、手紙が来ていて、返事をためらいます。
ケンブリッジ警察の刑事クインとも、ひょっとしたら縁が出来そう?
素人探偵にのめり込みつつ、おやおやというほど恋愛模様も入り乱れるスウィーニー。
少女の頃には有名な画家だった父が自殺していて、つい先年には婚約者が爆死したという悲しみもある~死に取り憑かれたような人生だとか。
恋愛や何かに熱中することなしでは、やってられないかもしれませんね?

好きなシリーズなのですぐに買い、早めに読んだのですが、ご紹介は遅れました。
題名が最近の看病している気分にはしんどくて‥
何しろ、読んだ順番でいうと「死者の館に」「エルサレムから来た悪魔」「怖い絵」「ツ、イ、ラ、ク」「ノンストップ!」「敗北を抱きしめて」「廃墟に乞う」てなラインナップだったんですよ。
適当に癒し系のをまじえながらご紹介していきます。
おまけに7月は「戦慄」とかも読んじゃったし‥これは怖すぎるので‥「sanaの本棚」にはありますが~こちらには載せないつもりcoldsweats01

青の単のミラクルさん

Vfsh0967うちでは新入りの方のmomokoさん、ミラクルパーティーガールさんです。
初着物で登場して貰いましょう。
「やっと、着られたわ~」
Vfsh0969青地に、赤の細い格子と、赤と白の絣が入った単の着物。
単(ひとえ)というのは裏なしの着物で、夏でも冬でもない時期に着ます。
洋服で言えば、合い服ってやつ?
ワンピース1枚みたいな感じですね。
Vfsh0971真ん中分けのすんなりした髪なので、着物は似合いそうな気がして。
ミラクルパーティガールさんは、なんとなくハーフか帰国子女って感じがします。
最初のドレスが日本人離れしてるからかな。
「着物って、面白いかも~」
Vfsh0972半襟は白と黄色のやさしい感じのプリントで、芯を入れずに作ってあります。
帯は洋風のポップなプリント生地で。
暑苦しくなくて、良いかなあと。
Vfsh0975「おしとやかに見えるかしら?」
この着物は、前におてんばこと、うちの春海ちゃんが最初に着た物です。
リップの色が合いそうなのと、違う雰囲気になるのでは、と着て貰いました。
このmomokoさんは、たしか~制作時期は一番、先輩なのではと思いますがhappy01

「植物図鑑」

有川浩「植物図鑑」角川グループパブリッシング

ヒロインは、会社勤めの河野さやか。
26歳で一人暮らしですが~家事は嫌い。
都会っ子のヒロインが、ふと部屋に入れた行き倒れの男。
それはある意味、本能的な勘だったのかも。

名前しか名乗らない謎の男・樹(いつき)がお礼に作ってくれた朝食に惚れ込み、ルームシェアを申し出ます。
家賃代わりに家事をしてくれればという申し出を受けて、礼儀正しくテリトリーを守って暮らす樹。
どんどん惹かれていくさやかは、はがゆい思いをしますが‥
この男が実は、知識の宝庫だったのです…

旬の野草を摘みに、ハイキングに出かけるようになる二人。
身近な野草の特徴とその旬、食べ方が次々に出てきます。
ツクシは楽しくて採りすぎると始末が大変で、雰囲気がいい割には味がないとか、フキノトウは苦みが強すぎて天ぷらにはあまり向かないとか。
お勉強になります。
作者自身、野草を摘んで食べるのが好きなんだそうです。
花冠の作り方なんか、上手くできたことがないので、ちょっとやってみたくなりました。シロツメクサが丈夫なのでベースにして、3本重ねた所へ一本を巻き付けて結び、編み込んでいくとか。

‥まあ個人的には、親が田舎育ちなので、下拵えや料理などはある程度はずっといぜんに経験済みなので、そんなの知ってると言いたくなる部分も。だけど、正確に説明は出来ないし、最近はない‥自分でたくさん摘んだことは記憶にないなあ‥
そりゃあ~彼氏と一緒なら楽しいでしょ!

会社勤めで起きるちょっとした悩みやもめ事なども、実感込めて盛り込みつつ。
恋愛としては、かな~り甘々で、一度は別れている期間もあり!(そこから始まる)とじれったいけど、ちゃあんと満足させてくれる読み応え。
それにしても~~家事が得意で、おだやかで真面目で優しく、才能があり、育ちは良いが実家からは距離があるって。
こういう彼、ある意味、理想?coldsweats01

「ノンストップ!」

サイモン・カーニック「ノンストップ!」文春文庫

このミスなどで取り上げられていたので、読んでみました。
シャープな展開でスリリング。

ある日、旧友ジャックから、主人公のトム・メロンに、突然の電話がかかってきます。
苦しげな声は助けを求め、電話中に何者かに襲われた様子が。
しかも、彼が最後に口走って相手に教えていたのは、我が家の住所!
土曜日の午後、幼い二人の子供を抱えて、平凡なサラリーマン35歳の逃走が始まる。

トムの妻キャシーは、大学の講師。
まずトムは子供を義母に預け、それから大学に行くのですが妻はおらず、目出し帽をかぶった男に殴られる羽目に。
トムは警察に連行され、同僚の女性が何者かに殺されていた事件の犯人として逮捕されてしまいます。

まもなく疑いは晴れますが、それは妻が容疑者になったため…?
彼ら夫妻の人里離れた別荘まで、凶暴な男レンチが追ってくる!
トムが持っていない物を要求するために。
次いで、幼い子供を人質に取られ…

いっぽう、国家犯罪対策局(NCS)のマイク・ボルト警部補は、別な角度からメロン夫妻の消息を追っていました。
不審な死を遂げた判事は、本当に自殺なのか?
陰にはどうやら、実力者の関わる組織が…

ブラック・ウィドウの異名を取る~元警官のティナ・ボイドも、絡んできます。
これは前作に登場しているらしい。
確かにノンストップで、スピード感ありました。

イタリアンの夏メニュー

100727_154616 美味しいイタリアンのセットです。
ちょっと前に食したものなんですが~
まず、前菜はこちら。
カボチャと茄子を軽く揚げたものに、
帆立やトマトなど冷たいものをくわえたシーフードサラダ。

100727_154926左のバスケットの中は、ピザみたいな感じだけど…

100727_154953_2すごく薄いフォカッチャが2枚重ねになってます。
間にちょっとアンチョビが~
これが美味しい~!

100727_160045パスタはこれ。
辛子明太子のぺぺロンチーノ。
写真がぱっとしませんが~~
美味しいんですよ。

100727_161809デザートはこれ。
グレープフルーツのプリン。

写真の色が赤っぽすぎるなあ…修正したつもりなのに…??

「ツ、イ、ラ、ク」

姫野カオルコ「ツ、イ、ラ、ク」角川文庫

恋は落ちるもの…
最高傑作という評判を知って~読んでみました。
ある地方都市で育つ~小学校から同級の、数人の仲間達の恋愛模様が描かれます。
かなり古い話のようにもとれる出だしで、世代によって好きなように共感できる仕組み。

お金持ちのお嬢様で長身、クラス一の美人で鷹揚な岩崎京美。
京美をたてながら子供なりに権力をふるう、大人びた統子。
小柄で可愛い、家庭科の得意な~ハルこと温子。
特に取り柄はないが自分を知る、穏やかな頼子。
一人の世界を持ち、本気で群れに入らない森本隼子。
ずっと鍵っ子で、一人でテレビを見たり絵を描いたりしている空想好きな少女は、地味だがそれなりに早熟でもあったのでした。

クラスのまとめ役の太田君は、京美と公認のカップルとして小学校時代から互いにも認め合いますが、幼すぎて付き合い出すには年月がかかります。そのうち、意外な展開が?
お調子者だけど奥手な男子や、いそうな面々の中学時代。
幼い思いこみがおかしいけど、それぞれに生々しい性の目覚めも。

中学の先生らの妙なキャラは、意外に実際にもこんな先生っていたなあと思い当たります。
…どこにでもいるのか??
新任のハンサムな先生、ってのだけはいなかったけど!

転校生や憧れの先生のことを騒ぎながら、心配かけたり怒られたりはしつつも、無邪気に過ぎていきそうな中学時代。
が、思いも寄らぬ破滅的な恋と、ストーカーのような憎しみに…
かなり悲惨な体験も織り込みつつ。
細かい描写がリアルです。

30代になってからの再会と許しもくわえて、その後の彼らの姿がわかります。
気分良く読み終えられました。

「怖い絵」

中野京子「怖い絵」朝日出版社

面白い絵を取り上げ、独特な切り口で解説してきます。
歴史の厚みが興味深い。

ドガの「エトワール」、ティントレットの「受胎告知」、ムンクの「思春期」、クノップフの「見捨てられた街」、ブロンツィーノ「愛の寓意」、ホルバイン「ヘンリー8世像」、ルドン「キュクロプス」、ラ・トゥール「いかさま師」、ジェリコー「メデュース号の筏」など。

確かに、メデュース号の遭難を描いた筏の絵は怖いよね…
当時は衝撃的な事件だったので、告発的な意味が強かったんでしょう。

ドガの絵は、綺麗なバレリーナを柔らかい色調で描いてありますよね。
でも当時のバレリーナの実態、貧しい少女達にパトロンがつくというあたりが怖いそう。
それを画家本人が気にしていないのも怖いと書いてあるけど、告発的な作品で悪評被ってたこともあるので、そうでもなかったのでは。

ムンクの作品は、いかにも思春期の少女らしく、爆発しそうな不安定さを感じさせて、痛々しさもあるけどいい絵だと思います。
ムンク本人は、早く母を失ったのを皮切りに次々に家族を失っていく哀しい人生でだったんですねえ。
45歳で自ら精神病院に入院、以後は絵を描いていないのだけど。
展覧会のパンフで知っていたはずだけど、忘れてました。

表紙になっているラ・トゥールのは、ユーモラスにも見える詐欺師の絵。
本人が、そこまで破綻していたとは知りませんでした。

女性画家アルテミジアの描いたユーディトはリアルで、確かに怖いです。
ユーディトはよく描かれているけど、若い娘が敵将の首を取る話で、スゴイ題材ですよね。
アルテミジアは伝記映画があって、いぜんに面白く見ました。恩師と恋仲になったら実は妻がいたために、裁判沙汰になって大スキャンダルになってしまうんですね。

ヘンリー8世の肖像は、アン処刑後、次の王妃が妊娠中の時期だとか。
う~ん、迫力があります。
その王妃が待望の王子を産み落として死んだ後、次の王妃になるべき女性の肖像画もホルバインが描いたのですが、絵ほど美貌でないのでヘンリーが激怒して離婚。
仲介した寵臣クロムウェルは死刑に。
画家も震え上がったことでしょう。

そんなに怖くないのもあるけど、いやはや~なのも?
画家の人生もまた数奇で怖かったり…
面白かったです。

お豆腐づくし

100817_143735お豆腐料理屋さん「吉祥」に入ってみました。
ちょっと前のことですが~
「青竹膳」という~季節物ですね。
まずは、日光豆腐の冷奴だったかな。
100817_143749美味しい豆腐だけで、気分を盛り上げます。
日光豆腐というのは、日光の有名なお豆腐屋さんの物だとか。
つまり出来た物を運んでいるわけですよねえ?振動とか、どうやってるんでしょう。大丈夫なのねえ。
100817_143912次に揃いました~こちらは全体像。
ご飯は、もろこしと揚げのご飯。
100817_143923こちらは田楽。
ピーマンじゃないですよ。

100817_143938湯葉巻きと…
手前が茄子のゼリー寄せ。あと、なんだっけ…
美味しかったけど…
目にもお洒落なメニューで、胃にも優しく、
ほっとした安らぎのひとときでした。

「モーターマウスにご用心」

ジャネット・イヴァノヴィッチ「モーターマウスにご用心」ソフトバンク文庫

バーニーのシリーズ、2作目。
バーニーことアレグザンドラ・バーナビーはメカに強く、レーサーを目指したこともある女性。
1作目ではお堅い会社員でしたが、弟が巻き込まれた事件を追ううちに出社できないまま、クビに。
2作目の今では、レースのスポッター兼エンジニア。
レーサーのサム・フッカーの担当なのです。

サムとは1作目でロマンスが始まったのですが、フッカーが酔って浮気した所を報道されて以来、冷戦状態という出だし。
彼とは終わったというバーニーですが…?

スポッター仲間の気のいいゴブルズが、ウェボ・モータースポーツ社への疑惑を言い始めたかと思ったら、そのトップのオスカー・ウェボの死体が、なぜかフッカーのもとへ。
死体を移動して隠したりするうちに騒動は広がり、指名手配されつつ、真相を究明することになります。

逃走中にもサインを頼まれては、しっかりサインする人気者のフッカー。
追ってきたギャングをコーラ6缶で殴り倒す元気のいいバーニー。
フッカーと知り合う前にはこんな人間じゃなかったという~バーニーですが?

オスカーの未亡人で見るからにきつそうというブロンドのスザンヌも登場。
人工的な美人だけど、たくましくて、結構バーニーと気が合い、面白いキャラ。

サムが飼い始めたセント・バーナードのビーンズも大活躍。ここはステファニー物と近いかも。
ステファニーよりもややヒロインが若く、特技有りのしっかりお姉ちゃん。
舞台がフロリダのせいか、なんとなく大らかなムードが漂います。
本来は犯罪とはなんの関係もないはずの二人なのに、犯罪がついてくる?
というお笑い&ロマンス。

「神去なあなあ日常」

三浦しをん「神去なあなあ日常」徳間書店

一読の価値有り!
幅広い世代に読んで貰いたいです。
「なあなあ」とは「ゆっくり行こう」「まあまあ落ち着け」といったニュアンス。「のどかでいいお天気ですね」までこれで済ませたりするという。

横浜の高校を卒業したばかりの主人公・平野勇気。
進路を決められずにフリーターでいいと思ってコンビニでバイトしていたら、突然、担任と母親に、林業の研修生として、人里離れた村の奥に放り込まれてしまいます。
神去村は、三重県中西部にありました。

指導係の与喜(ヨキ)は、会うなり、勇気の携帯を開けて電池を捨ててしまう強引さ。どうせ圏外なのにね。
慣れない力仕事で、けっこう危険もあり、失敗ばかりの勇気は、萎縮してしまいます。
ヨキの横暴や人恋しさに何度か逃げ出そうとも思うのですが、村には美女もいて…

派遣先のトップ、中村林業株式会社の清一さんは、おだやかでいい人でした。
古い家柄で、おやかたさまとも呼ばれる清一さん。その奥さんの妹で、小学校の先生の直紀に、勇気は惹かれていきます。
若者の少ない村で、清一さんの息子になつかれ、ヨキの犬ノコとも仲良くなって。
情けなかったり、悔しかったりもしつつ、男達の技のすばらしさと美しい村の風景に魅せられていくのでした。

お祭りがまた凄いです。
一丸となって行う神秘的な本気の祭り。御柱祭りのような…
(…危険な所まで犬を参加させるのはどうか?ってのがちょっとだけ気になったりして。もちろん、怖いことになんかはならず、勇気が良い所を見せる話なんですけどね)

1年の出来事をわかりやすいタッチで描いています。
知らない世界に飛び込んでみるのも、良い経験になりますよね。
林業や田舎の暮らしにも新鮮な興味を感じる人が増えればいいな…なんて、素直に感じました。

ぬいぐるみと虫干し

Vfsh0769「あ、お姉ちゃん、来た」って顔ですね。
いつもの出窓です。
Vfsh0770いいところにいますね?
「まあね~」
そりゃ、そうだよね。
Vfsh0773こちらも、がーっとお昼寝しているポーズ?
ふだんはベッド脇に置いてあったヌイグルミです。
たまにはと虫干ししていたら…
Vfsh0778その横に来て、寝ているのでした。
う~ん、と同じようなポーズに。
何となく、仲間意識?
なごんでる~~
Vfsh0779……力抜けすぎて、魂がどっかへ……

Vfsh0780「んじゃ、これぐらいなら、どや」
ええまあ、なごみますね~coldsweats01

「介護と恋愛」

遙洋子「介護と恋愛」ちくま文庫

実体験を書いたもの。
痴呆だが一見元気な父親の介護という大問題に直面した著者。
兄嫁から電話がかかっては駆けつける状況で、恋愛も同時に始まっていたのでした。

たたき上げの強烈な父親は、なかなかお洒落で実力もあるが、暴力的で酒を飲むと最低男に。
筆者は中学生の頃に売春婦とののしられて髪をつかんで引きずり回されたこともあるという。ブラジャーが欲しいと言っただけで。
その父に新婚の頃から酷い目に遭わされたために、介護はしようとしない母親。
6人も兄弟がいるというと実は夫婦仲がいいんでしょうと思われがちだそうですが、暴力の果てのセックスだとは…強烈。

いまどき家族の人数が多く、6人兄弟と妻たちで協力して介護できるのは、かなり特殊ではありますが…
交代で世話をするにしても、週に一度の休日がつぶれ続けたら、かなりしんどいですよね。
遊んでいても罪悪感にかられて気が休まらず、結婚を考える相手とのデートでも、親を放っておいているという気がしてくるとは。
介護の重さという点では、人数にかかわらず、共通したものもあると感じました。

もともと家はなにが起こるかわからない場で、父は人格が崩壊していたから、痴呆で別人のようになるというショックだけは受けずに済んだとか!
仕事と恋愛と介護とは、金とセックスと道徳だ、というのが何とも。
ぐいぐいと強い筆致で書かれています。
爆笑エピソードも。

同時期に、留学先で知り合った彼氏と再燃。
紳士的で優しいのが良かった~恋人のただし。
身近にない良さだったわけで、これが、大阪の仲間とはノリが合わずに「おかまか」と言われたという。
終章で、恋は介護と共に去りぬ、というのがまた何とも。
自分の親の面倒を見て欲しいというプロポーズに愕然…そりゃ、そうだわ。
…男性にしてみれば、悪気はない…?
好かれるために相手の好みに合わせようとふるまっていたのが、そもそも失敗だったとか。深いですね~。

「町でいちばんの美女」

チャールズ・ブコウスキー「町でいちばんの美女」新潮文庫

有名なタイトルで読んだような気がしていたけど、読んでいなかったのに気づいたので、読んでみました。
ブコウスキー初体験! カルト作家なんだそうです…確かにね。

表題作は、とても印象的。
5人姉妹の中でも、一番の美人だった娘。
美貌を生かすように皆に薦められたものでしたが、どこか不安定なまま。娼婦として酒場を出入りする暮らしでした。
作者の分身のような男性とふと出会い、お互いに行きずりではないと意識しつつも、それがどうなるのでもない…ほのかな出会いと、はかない命。

ブコウスキーは、元は郵便局員。
不良な郵便局員から、作家になったのかな…
かなり滅茶苦茶な生活を送っていた時期が長いらしい作家で、はちゃめちゃな話が多いんです。
飲んで賭けをして、やりまくって?ばかばかしいこともしたり、混乱したり、だらだらしたりして、時には薬もという~どいつもこいつもろくでなし!
ただの実体験というか~ホントにこれは傑作なのか??ってぐらい。
けっこう笑えるけど。

あちらのスラングというか四文字言葉には独特なリズム感があるそうで、日本語には相当する言葉が見つからないそうです。
訳者が後書きに、表題作を最初に読んでいなければ、飜訳をやり通せなかっただろうと書いているのが正直でおかしい。
あの変な作家を飜訳している奴がいるぞと言われて、人が集まってきたりしたとか。
変な作家だけど…妙なインパクトと乾いたユーモアがあり、憎めない人物ですね。

3人揃って浴衣でおめかし

Vfsh0900さあ、ミラちゃんの登場です。
「わあ、ミラちゃん!」
お迎えは、さゆちゃん。
Vfsh0902ミラちゃんは帯が濃い色なので、大きめの白いレースを重ねてみました。
後ろでリボン結びにしてあります。
Vfsh0913 「希恵ちゃん、白いお花、すてきね~」
「ミラちゃんは、ピンクの髪飾りが可愛い~」
髪飾りはmomokoさんの帯飾りにしていた同じ物です。

Vfsh0905「いいなあ~二人とも、大きなリボンで」
ちょっと羨ましがる、さゆちゃん。
最初にリボンを飾ったので~後ろでは結んでいない、シンプルな飾りなのです。
Vfsh0908「さゆちゃんも、スッゴク可愛いわよ~」
「髪をこんな風に出来るの、さゆちゃんだけだし」
「えへへ、そうかな~」
「記念撮影しようね」
Vfsh0911
「やったぁ!」
「あはは、さゆちゃんたら~」
「この元気は誰にも負けないねっ」happy01

「ガンジス河でバタフライ」

たかのてるこ「ガンジス河でバタフライ」幻冬舎文庫

映画会社に勤めながら、毎年2週間、海外へ旅行に出かけた体験記を2000年から幾つか発表している著者。
1971年、大阪生まれ。
これは学生時代の最初の旅二つを描いたもので、一番有名な作品。

小さい頃はメガネザルと言われたいじめられキャラで、おどけて笑わせてから面白キャラに。
今でも、気が小さいときと大きいときの幅が大きいとか。
長兄が旅を経てたくましくなった様子を見て旅行に憧れつつ、まだ海外はどこへも行ったことがなかった小心な頃の話や、準備にあれこれ悩む話。
一人旅で宿も予約せずに出かけ、知り合った人の家を泊まり歩くという旅ばかりだとは、すごいですねー!
もちろん泊まる前にはお互い一生懸命喋り合って仲良くなり、信頼関係が出来てからなのだそうですが。
今でも、前夜は眠れなくなるそう。

行った先での思いがけない出来事、土地の人を大笑いさせる特技、たくましい放浪ぶり。
これが爆笑もの!
どこに行ってもパワフルさと人なつこい雰囲気で、面白い人と親しくなれるんですね。
日本人旅行者としばらく同行するのもけっこうあるんだけど、それも現地で出会って、というのがなかなか。呼び合うんでしょうかね?
中高と水泳部で至って健康、何を食べてもお腹もこわさないとは羨ましい。

インドはそれでなくともエキゾチックで、とんでもないことが起こりそうな国。
期待に違わず、濃厚な体験記です。

浴衣リカちゃんに帯飾り

Vfsh0895リカちゃんの浴衣姿にアレンジを加えてみました。
帯は後ろで縫いつけられていて、帯を外すことが出来ないんですよ…それでね~
「せっかく、浴衣着たんだもん」
「まだ、脱ぎたくないよね~」
Vfsh0897さゆちゃんには、薄いピンクのリボンを巻いて。後ろで軽く挟んだだけで、簡単にとまります。
髪は両脇を捻って後ろで留めました。
ちょっと和風で~きりっとした感じ?

Vfsh0892香弥ちゃんの雰囲気だと…

Vfsh0893特徴のある髪に、大きめの白い花はどうでしょう。
帯には白いリボンを巻いて。
Vfsh0894後ろ姿はこう~
ふくらみがちなカールを紫の小さな髪留めで寄せて。
リボン二つ重ね風~☆

介護な日常

暑さのせいか?介護ストレスか?頭が働かないので~
現状報告をちらっといたしたいと思います。

うちの母はこの数年、要介護度2でしたが、昨年3になりました。数の多い方が重く、5まであります。
昨年11月頃から自力でトイレに行けなくなり、夜中にも起こされて介助する状態に。
12月には寝室にポータブルトイレを入れましたが、ベッド脇に置いてももう自分一人では行き着けなくなっていました。
介助するには距離が短くなって助かってはいましたが。

介助が増えたために、1月には父がぎっくり腰に。
母よりも高齢で、病気もありますが、基礎体力があって元気な父です。昨年まではかなり母の介護に力を尽くしてくれていたのですが。
10日後、一人で介助していた私もぎっくり腰に。
それまでは介護保険もそれほど利用していなかったのですが…
急遽、連日ヘルパーさんが入る生活に変わりました。
介護保険の限度以下に治まっていた介護費用も、一気に跳ね上がりました。

今年の4月からは要介護度5。最上級というか、いわゆる寝たきり~ですね。
4月はじめに更新の申請して5月末に結果が出るという遅さでしたが、変わり目は申請の日からなのだそうです。
おかげで、4月5月6月は限度内に治まりました。
というのは~1割負担で、ほぼ3万8千円以下という感じです。

母は自分では全く起きあがれないけど、介助して毎日3回椅子に座ってテーブルについて食事をしてました。
車椅子でテレビの近くに行って、いつもの番組を見たりもしていました。
できるだけ自分の家で家庭料理を美味しいと感じて食べて貰いたいと思って、身体に良さそうな料理をする毎日。
1月頃にはまだ半分は母が自分で食べられていましたが、だんだん手に力が入らなくなり、4月には8割ぐらい介助が必要になっていました。

7月下旬に8度2分の熱が出て、水もむせてしまって飲めないので、近所のお医者さんに相談の上、救急車を呼び、入院しました。
脱水症と高カルシウム血症ということでした。発熱は、誤嚥で肺炎の疑いもありました。
きっかけだったかもしれないのですが、肺炎は悪化しなかったということです。
飲み込みが非常に悪いので、他に何か病気が隠れているかも知れないから、様子を見ながら幾つか検査をするということでした。
喉に腫瘍がある可能性もあったのです。それは大丈夫でした。

うちの母はリウマチで、10年以上前から身障者の認定を受けています。
40歳の頃から始まり、若いうちは軽かったのですが進行性とわかっていました。悪性リウマチではないのですが…
母は字が綺麗で、長年書道もやっていました。今では昔のこととなってしまいましたが。
関節が痛み、手足の先がだんだん変形して、どんな靴も履きにくい状態。
数年前まで10年ぐらい、一人でゆっくり歩くことは出来るけれど、転ぶと自力では立ち上がれないという状態が続いていました。
要介護度2になった頃は、一人ではもう無理があって危ない、手すりや人の支えがあれば少しは歩ける、というぐらいになってからでしょうか。
手も悪いので、杖は長くは使えませんでした。

飲み込みが難しい原因は脳の縮小にあるらしい…
レビー小体型認知症(アルツハイマーではないということ。脳にレビー小体というものが出来て、幻視がおきるのが特徴)もあるので、そのせいというか。
これだと治せないと言われました…つまりは老化でしょうか。
少しリハビリして座れるようになってから退院という話だったのですが…
これ以上は良くならないだろう、むしろ寝たきりのために悪くなるかも知れないと言われて退院しました。
こちらの体調も良くないので、家族で介護できるかどうか不安でしたが。
ぼけが進行しそうな感じもあったので、そろそろ限界ではあったかな。
自分が誰かとか、そういう基本的な所では全くぼけていないのですが。
病院がどこにあるのか、わからなかったようでした。今も時々、夜なのか朝なのか、久しぶりに会う相手が誰なのか、といったことは混乱しているようです。

先週退院しましたが、介護のやり方がこれまでと違うので、こちらはほっとする間もないぐらい。
母の状態も、大抵36度6分から37度ぐらいまで少し熱があり、7度を越したことも3回ぐらい。
本人は寒いと言うこともあるので、風邪気味なのかどうか迷うのですが、どっちかというと、脱水症の傾向のようです。
月曜日には久しぶりに訪問入浴で、お風呂に入れて貰うことが出来ました。午前中は熱があったけど、ほぼ下がったので、むしろ入った方が良さそうだということになって。
何もないようで手配にも準備にも色々あって…こちらは後でめまいを起こしてしまいましたけどね。

飲み込みに難があるので、水にはそれ用の粉を入れて、とろみをつけていますが、それでもなかなか大量には飲めません。
ゼリーなら喉を通りやすいので、毎日何度もゼリーを作っています。
温度調節や、扇風機の向きの注意、飲み水作り、ゼリー作り、洗濯、下の世話、ヘルパーさんが来たときにも補助が必要なら加わり、と忙しい毎日です。なかなか要領がわからなくて…
老人用の柔らかいレトルトなどもだんだん利用するつもり。
今朝も起きるなりおかゆを煮始めて、気づいたら水の一滴も飲んでなかったり。こっちがうっかりすると倒れそうです。

今日は7度5分になったので往診して貰い、膀胱炎の可能性があると薬を貰いました。
これで治るといいのですが…
確かに寝たきりというのは、膀胱炎は起こしやすそうな状態なのですよね。

追記:午後に7度9分と熱が上がったので、入院していた病院へ相談し、救急車でそちらへ。
点滴を2時間受けて、落ち着いてきたので帰宅。てっきり数日は入院すると思っていたので、ビックリでした。
車椅子も無理そうなので民間の救急車のようなのを頼んで帰ったら、高額なのでまたビックリ。寝て帰るのは大変なのですね~。

さらに追記:昨日(9日)まで、連日、点滴を受けていました。
かかりつけ医と訪問看護師さんと交代で。
熱は少しずつ下がってきましたが、食べる量があまりにも少ない日が続いていました。
昨日からはいくらか食事が出来るようになったので、今日は点滴を休みました。
明日の様子によってはまたするかも知れません。

「身の上話」

佐藤正午「身の上話」光文社

語りが巧みで、なかなか面白かったです。
ミステリというよりは、犯罪小説。
妻のことを回想して、のちに結婚した年上の夫が推測もまじえて語る形式になっています。

数年前のこと、まだ若いミチルは、親元から通う書店員だったのです。
付き合っている若者もいましたが結婚を決める気になれず、出版社から時々出張に来る男性と不倫におちいります。
仕事を抜け出して、バス停で相手を見送ることにした運命の日。
相手の態度にふと一緒にバスに乗ることにし、とうとう東京まで行って、居着いてしまう。

勤め先を飛び出したことになり、地元では大騒ぎ。
職場を出るときには、たまたま宝くじを買うお使いも頼まれていました。それが、何と、当選していて…?
同僚や上司も何度も電話してくるのですが…

幼なじみの大学生・竹井の部屋に転がり込んで、深い考えもなく日を過ごすミチル。竹井の彼女のことにもすぐは気づかない鈍感さ。
不倫相手の借りてくれた部屋に引っ越しますが…
ミチル本人はやむにやまれずというほどの衝動でもないというあたりが、何とも。
大人しいようでしぶといのかもしれない、でも流されてしまう、ちょっと妙な性格の女性ですが、なりゆきは上手く書けていて、これがいそうな感じがする存在感。
付き合う相手によっては、こうなりかねない人も、けっこういる?
何かあっても、親元に帰ることも出来ない成り行き…

事件が転がっていくいきさつの先が知りたくて、読ませられます。
後味はいいとは言えないけれど、いやはや~語る男もミチルも極悪人というわけじゃない。
語り手の冷静さや反省、流されがちだった若い妻への思いやり。救いもまあ少しはないことはないですね。

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