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「死は万病を癒す薬」

レジナルド・ヒル「死は万病を癒す薬」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

ダルジール警視のシリーズ、最新作。
爆発で生死の境をさまよった「ダルジールの死」から3ヶ月後という時期。
療養中でまだ身動きもままならぬアンディ・ダルジール警視です。
アヴァロンという高級な療養施設に入院することになり、勝手に抜け出して恋人のアマンダに怒られたりもしつつ、しだいに周囲の出来事に勘を張り巡らせていくのでした。

一方、今回のヒロインはチャーリーことシャーロット・ヘイウッド。心理学を学ぶ学生で、生きのいい女の子。
彼女が姉に出す饒舌なEメールと、ダルジールが録音したメモが交互に出てくるのが前半の趣向。互いを評する所も笑えます。

レディ・ダフネ・デナムは、地元の名士でかなり強引な年配の女性。
理想家のトム・パーカーと協力して、健康と保養を売り物に海辺の町サンディタウンを再開発、大がかりな施設を軌道に乗せようとしていました。
彼女は未亡人ですが、最初は裕福な養豚家ホリスと結婚、二度目は爵位のあるデナムと結婚して地位を得た、たくましい人。
今また、アヴァロンの院長フェルデンハマーとの結婚を望んでいました。
遺産を期待する亡夫の甥姪や貧しい親戚のコンパニオン、いがみあうホリス一族にも囲まれていたのです。

とんでもない事件が起きてからは、主任警部ピーター・パスコーや部長刑事ウィールド、女性刑事ノヴェロの視点もあり、さらに緊迫感を増していきます。
何しろ、この町にはかってパスコーを深く悩ませ、行方をくらませたフラニー・ルートが滞在していたのですから…
この事実をパスコーに告げるのをためらった、ダルジールの親心も微笑ましい。

大筋はいくらか予想も出来ましたが、すごい懲りようで細部まではとてもとても。巨匠の実力を堪能しました!
ジェイン・オースティンの「サンディトン」へのオマージュという面もあるそうで、え~っ、これだけは読んでないのよ。読まなくっちゃあ!

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