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「エルサレムから来た悪魔」

アリアナ・フランクリン「エルサレムから来た悪魔」創元推理文庫

楽しみな歴史ミステリのシリーズが始まりました!
12世紀のイングランドを舞台に、検死のできる女性医師アデリアを主人公とした歴史もの。
CWAの歴史部門であるエリス・ピーターズ賞の受賞作です。

ケンブリッジで起きた、子供を狙った連続殺人。
磔のような姿だったために犯人はユダヤ人とされて、暴動が起きます。
当時、ユダヤ人が復活祭にキリスト教徒の子供を殺す?!という噂があったのだとか。
ユダヤ人すべてをケンブリッジ城内に匿ったまま1年、犯人はわからず…
シチリア王国に、事件の調査が依頼されます。

派遣されたのは、ナポリのシモンで通る調査官と、検死を専門とする女医のアデリアと、その従者のサラセン人マンスール。
三人は薬売りとして旅をし、アデリアは娼婦と誤解されたりする羽目に。
国際都市サレルノでは尊敬を受けていた若いアデリアは、仕事に身を捧げた飾り気のない女性。
サラセン人の従者を医者に仕立てて、通訳兼調剤助手として同行することに。居心地の悪さを感じつつ、腕を発揮していきます。
調査官のシモンは穏やかな人柄で、最初は女性の派遣に驚愕しつつもアデリアを認めるのでした。
バーンウェル修道院長のジェフリーも、治療を受けてから、アデリアを信頼するようになります。

マチルダ女王の時代18年間続いた内乱も治まり、その息子ヘンリー2世の元で、国が平和になりつつある時代。
容疑者を水に落として溺れなければ無罪、という審判法はなくなったとか!
つまり、ちょうど~修道士カドフェルのすぐ後に続く時代なのですね。
とはいえ、女性の医者など異端として殺されかねないという野蛮さ。

愛想はいいが謎のある王の税官吏ロウリー・ピコウ卿。
彼に不審を感じたアデリアですが、しだいに惹かれていき…?
十字軍で数年間、村を離れていた男たち数百人が、戻ってきている時期でもありました。
ヘンリー王もさっそうと登場します。
ヘンリー2世というと王妃はアリエノールですからね。次回登場?!

シチリア王国のサレルノには、1050年から医科大学があったのだそうです。
そこでは女性も学び、資格を取ることが出来た!
ちょっと修道女フィデルマのよう?

修道院長の紹介で、沼沢地の出身で料理のうまい老女ギルサに世話をして貰い、その孫で、みすぼらしいがじつは利発な少年ユルフとも、次第に仲良くなります。
このコンビがいいですねえ!
シリーズ化されるのが楽しみ。

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コメント

これもキャラクタも舞台も魅力的で楽しめる時代物ミステリでしたね。続きの翻訳がまちどおしいですね。

翻訳されてくるイギリスの時代物は、舞台が国際的で、なおかつ安定感があって期待を裏切らないですね。
それから王様・女王様たちが比較的信頼に足りる人格として描かれていることも多いような。

ところで、中世物の場合、千年医師や今年でた「海のカテドラル」(武田ランダムハウス、...未読でしたらとってもオススメです。)などと合わせて、知的分野での活躍にはユダヤ人やそのネットワークが結構重要や位置づけになっていることが多いですね。

最近続けざまに、もしイギリスがナチスドイツと講和していたらという設定のファージング・シリーズ(創元推理文庫)や1930年代前半のベルリンを舞台にした「レクイエムの夜」(創元)を読んだので、あらためてその存在感と受難の歴史を思いますが、現代物のユダヤ人の描写は、主役級を除くと、これらの気を使って生活する人々というより、財力に物言わせて裏でいろいろ手を引いているという役割が多い気がしますが、第二次世界大戦とその結果からでしょうか。

ところでNHK-BSでは来週からアガサ・クリスティ生誕120周年の特集が続きますよ~
いくつ見られるかな

Kさん、
このシリーズ、楽しみですよね!
お好きだと思いました~
ヒロインのキャラもいいし、違う国で暮らすことになる新鮮さも面白いですね。
国際的で、しかも安定感がある!おぉ~確かにそんな感じですねえ…

「海のカテドラル」?知らないです。
さっそく探してみますね~。
千年医師も面白かったですよね~~!

ヘンリー王がイギリス人にとってどういう位置づけか知らなかったんですけど、信頼に足る君主のようですね~。
次回は王妃のえん罪?みたいな話みたいだし…
王室は何だかんだ言って人気あるんですね?

ユダヤ人の受難もさることながら、伝統や底力も存在感があるようですねえ。ネットワークかぁ…
時代によっても違いますよね…
そうそう、第二次大戦中のそういうの、あるそうですね。
そのうち、チャレンジしたいです。

え、クリスティの特集?
おおっと、チェックしなくては!

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