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「女王フアナ」

ホセ・ルイス・オイソラ「女王フアナ」角川文庫

狂女王フアナ・ラ・ロカ、として名高い女性の伝記です。
いぜん青池さんの漫画で見かけたときから、もっと知りたいと思っていました。
スペインを統一した~イサベル女王とフェルナンド王の娘にあたります。

フアナは1496年に16歳で結婚します。
相手は、ハプスブルグ家の王子で、美男で知られたブルゴーニュ公フィリップ。数年は最高に幸せになったのですが…
フアナの兄姉とその子までが死んだために、スペインの相続権が回ってきます。

母はカスティーリャ女王のまま、父はアラゴン王のまま結婚しての共同統治だったので、カスティーリャの相続権は父ではなく娘にあったのでした。
フアナは相続を明らかにするために、夫婦でスペインを訪問します。
その後、夫だけが帰国。
敵国フランスに王位継承者が共に囚われる危険を避けるために、帰国を許されなかった辛い時期が1年半に及びました。

夫の女遊びへの嫉妬の苦しみ。
政治の実権を奪おうとする実父や夫や家臣達。
立場の不安定さからか感情を爆発させ、時にうつ状態になってゆきます。

1506年、スペインに入場して正式に女王となりますが、夫が疫病で急死。
棺を連れて2年も荒野をさまよったという伝説で有名ですが、これは主に疫病を避けての移動で、夫の蘇りを願った狂気の有様というのは作り話らしい。
夫が希望したグラナダの王家の墓には、すぐ向かえない状況だったのですね。
頼りの実父は、イタリアのナポリ攻略に夢中。
フアナは3歳の次男フェルディナンドと取り残され、翌年には末娘カタリーナを出産。
貴族達は私欲にかられて、カスティーリャは大混乱。権力争いの果てに、フアナはトルデシーリャス城に幽閉されたままになることに。
(このあたりまでが映画になっていてDVDで見ましたが、説得力のある美男美女カップル。感情の激しさがいかにもスペイン的?衣装が綺麗でした)

1516年には父が亡くなりますが、その事実も知らされなかったとは。
民衆は貴族よりも親王的で、フアナの狂気を嘘っぱちと思っていたそうです。
名目上は~フアナと息子カルロス1世の共同統治となっていました。
1520年、息子カルロスに対する反乱軍に担ぎ上げられる事態に。
信頼する女官長が、恋仲になったフランドル人を城主にしたいと願ったための混乱もあり、これは悲恋に終わるのですが。

当時どこの宮廷を見回しても類を見ないほどの美貌だったフアナ。
若い頃にはにこやかで明るく、夫と愛し合い、10年の間に6人の健康な子を産んだという、王妃には稀な幸福があったのに。
幽閉された城砦の管理人として、高潔さで有名な人物エルナン・ドゥーケが派遣された時期2年間はかなり落ち着いていたとか。
あ、これってビュジョルドのファンタジーのモデルですね。そのまんまじゃないけど、モチーフが。
なんともドラマチックな生涯です。
フアナの家族の中で、兄姉は若くして亡くなり、妹カタリーナはヘンリー8世に離婚されています。ポルトガルに嫁いだ妹と、フアナの末娘だけは幸福な結婚をしたらしいですよ。

8月15日なのに、終戦ともお盆とも関係のない記事…
前に幾つか下書きや予約投稿したときには、この日は開けてあったんです。
「敗北を抱きしめて」も読んだんだけど、すぐにはまとまらなくて。
こっちは6月末に読んだ本なので、そろそろアップしたくなって、入れました。
今も昔も大変なのね的感慨が…?!

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