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「数えずの井戸」

京極夏彦「数えずの井戸」中央公論社

番町皿屋敷の真実は…?
人死にが出た屋敷で、井戸で皿を数えている幽霊が出るという…
京極流の語り直し。
2010年1月発行の作品。

青山播磨は、何かが欠けていると感じ続けている侍。
父を亡くしたばかりで、旗本の跡目を継いだ名誉ある立場でしたが。
強い不満があるというのでもないが、何も面白くないのです。

若年寄りの政権交代?になりそうな時期、目端の利く播磨の伯母は、縁談を持って来ます。
相手は、権勢を誇る大久保の娘。
大久保が目をつけたのは、青山家に伝わるという逸品の皿、揃いの十枚。

縁談の相手・吉羅は、格下の播磨をなぜか気に入り、欲しいと思うのでした。
父が狙った皿が見つからないと聞いて、家風を知りたいという口実で乗り込んでくる勝ち気ぶり。

青山家の側用人・十太夫は小心者。
人に褒められたい一心で行動している人間です。
家宝の皿が見つからずに青くなりますが…

お菊は、おっとりした娘。
母一人一人で、貧しい長屋育ち。
独特なことを考えているのですが、ぼんやりしていると呆れられ、奉公に出ても返されること数度。
実は器量よしのために、主人がその気になりそうでおかみさんに暇を出されるという子細もありました。

米搗きの三平は毎日、米をつくばかり。
菊とは幼なじみで、大道芸人の徳次郎が三平と菊を添わせたらどうかとお節介を焼くのですが‥

遠山主膳は、播磨とは道場で同門。
若い頃には白鞘組と称して群れてやんちゃした仲間でもありました。
跡取りの播磨とは違って~部屋住みの身のためか、どんどん荒んでいきます。
どこか似たものを感じていた播磨が、熱意もないのにおさまっていく様子を憎むようになり…

多彩な登場人物が皆、それぞれのこだわりを持っています。
語り口がやや一様だけど…しだいに絡み合ってきて、面白いです。
終盤、勢いづいていくところは迫力!

読了後、番町皿屋敷について、思わず調べてしまいました。
モデルになった屋敷が東京にあるなら面白いのに~元は違う地方の話なんですね。

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