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「犬の力」

ドン・ウィンズロウ「犬の力」角川グループパブリッシング

ドン・ウィンズロウは、デビュー作「ストリート・キッズ」が大好きで、4作か5作は読みました。
これは評判が高いのですが、暴力描写が多いらしいので後回しにしていました。
これまでとはややイメージが違うよう?入魂の長編力作です。

アート・ケリーは元CIA。
メキシコでの麻薬密売ルートを撲滅しようと、DEA捜査官となります。
若い日に後見人のような存在「叔父貴(テイオ)」として面倒を見てくれた名士ミゲル・バレーラが、実は組織の大立て者で、大ボス検挙の手がかりをくれたのは自分がトップにのし上がるため。
アートは利用されたと知ります。

アートだけではなく、組織側の若い者がいかに取り込まれていくかも描かれます。
バレーラの甥のアダンとラウル兄弟。
摘発されにくいように上流階級に食い込む方策をとるとは…
羽振りのいいラウルの遊び仲間となり、良家の子息だった大学生ファビアンは、やがて冷酷な殺人者となっていくのです。
アイルランド移民で、足を洗おうとして果たせないショーン・カラン。
互いにバトルを繰り広げつつ、人生行路を切り開いていきます。

カランと若い頃に出会ったことのある高級娼婦のノーラ。
カトリックの枢機卿フアン・パラーダと知り合い、民衆の中に立ち混じって働く彼に共感して、奉仕活動に通うようになります。時折「白い館」での仕事も続けながら。
映画「ゴッドファーザー」を思わせる家族の絆や裏切り、組織の興亡。
この作者らしいテンポ良くリズミカルな文章で、目に浮かぶように、読ませます。

DEA南西国境特務室の室長となったアートは、部下を殺されたことから更に執念を燃やして組織撲滅へ動きます。
いよいよ事態は国際的にも紛糾、どっちに正義があるのかわからない泥沼の闘争へ。
1970年代から2004年にいたる~中南米の麻薬抗争を大筋でたどっているそうです。
若い頃から描かれてきた人物が一堂に会したり、運命が交錯する所が面白い。

最後の方の銃撃戦や、手に手を取っての逃避行、虚々実々の駆け引き、橋の上での身柄引き渡しと最後まで盛り上げます。
いや~すごい迫力でした。

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コメント

お久しぶりです
このところ犬育児で本が読めません(涙)
ここでも「犬」にひっかかり見てみましたが
犬は関係ないのですね

でもおもしろそう
そのうちに読みたいです
心の中の積ん読棚にのせます

むぎこさん、
犬育児!
赤ちゃんは手がかかりますよねー。今が一番大変な時期かしら?
わんちゃんは噛むしねえ。
可愛い盛りでもありますけどねえ…写真撮るのが楽しいですよね!
寝てるときが最高に可愛いとか

犬の力というのは、人間離れした邪悪なパワーにショックを受けたときに出る言葉のようです。人間のしたことなんで、犬じゃないだろって感じですけどね。

でも面白い作品ですよ~。
時間が出来たら、ぜひ

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