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「ウィークエンド」

ピーター・キャメロン「ウィークエンド」筑摩書房

「最終目的地」がよかったので、遡って前の作品を読みました。
どこかオシャレな雰囲気、魅力的な登場人物、繊細なまなざしに共通性があります。

週末に集まってくる人々。
絵画の評論家で辛辣な講演を行っていたライルは、画家を目指している若いロバートと知り合います。
上手くいきそうで嬉しくなり、週末に行くことになっていた友達夫婦の家へ彼を伴います。

実は、ライルは1年前に恋人トニーを亡くしていました。
トニーの異父兄であるジョンとマリアン夫婦が友達なのです。田舎にある美しいその家は、彼を看取った思い出深い場所でもありました。
命日なのに、新しい恋人をいきなり連れてきたライルに戸惑うマリアン。

マリアンは、やっと出来た子供の発育が遅いようなのを心配していました。本来は繊細な女性らしいのですが、幾つかのことが重なってぴりぴりとして微妙に嫌な面が出てくる。
ライルのことは気に入っているのですが、それで余計に嫉妬混じりなのかも?

亡くなった人の存在の大きさを思い知る状況で、ライルは新しい彼氏ロバートに問われて「好きだ、楽しく過ごしている、でもこれは愛情という程のものじゃない、君を愛してはいない」と厳密に言ってしまうのでした。
そこまで言わなくても良いのにねえ…
素直なロバートが気の毒。

一方、マリアンにディナーに招かれた金持ちの中年女性ローラ。
娘ニーナが女優で近くで撮影しているためにイタリアからやってきているのですが、撮影の都合で会うのは延び延びになっていました。
ディナーの招待を受けた後に娘が恋人を連れてきて、気まずくなり‥
ニーナのわがままさと輝くような若さ。母の方にも悪気はないけれど、我が子より他のことを優先してきた歴史もある様子。

言わなくていいことを言ってしまい、言った方がいいことには気づかない。
人生のある面の受け止めがたい重さ。ぎこちなくて、もの哀しいけれど、それを包み込むようなユーモアも。
どことなしに心地良い雰囲気があって、読ませます。
「最終目的地」の方がさすがに練れているというか~読後感はいいですけどね。

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