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「追想五断章」

米澤穂信「追想五断章」集英社

主人公の青年・菅生芳光は、大学を休学して戻る見込みもないまま、伯父の家に転がり込み、伯父の古本屋でレジと力仕事を担当していました。
そんなところへ、ある同人誌に発表された作品を追って、若い娘・可南子が訪れます。
父親が若い頃に書いていた小説を見つけ出してくれたら、一作につき10万円出すと。
大学へ戻る足がかりになるかもと引き受け、しだいに興味を抱いてはまっていくのですが…

父親のペンネームは叶黒白という妙なもの。
それにも意味がありそうです。過去に起きたらしい事件の真相は…
「アントワープの銃弾」とは?
可南子の父の同人誌仲間を探し出して話を聞きに行く芳光。

同人誌に発表されていた作品は、「奇跡の娘」はルーマニア、「転生の血」はインド、というように~かって旅行した先で奇妙な話を聞いたという出だし。内容的にもある共通点がありました。
この短編が古めかしい雰囲気があり、異質な苦みがあってなかなか個性的です。
最後の一行がわざと書かれていない、謎が残る形式を「リドル・ストーリー」というのだそうです。

過去に描かれた短編と、その中に含まれた謎。
ひとひねりしたミステリですね。
年月の重みを越えて、直接には言えない密やかな叫びが、短編の中から痛切に響いてくるのが味わい深い。
重めですが、かなり好印象です。
結末になんとなく微妙なものはあるんですが…coldsweats01

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