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「完全恋愛」

牧薩次「完全恋愛」マガジンハウス

他者にその存在さえ知られないのが完全犯罪なら、他者に存在さえ知られない恋は完全恋愛か?
という出だし。
違うだろ!と突っ込みたくなる所を抑えさせる語り口とムードがあります。

第二次大戦中から、話は始まります。
空襲で家族を失い、刀掛温泉の伯父の家に引き取られて暮らしていた少年・本庄究。
離れに疎開していた画家・小仏とその娘の朋音と親しくなります。
進駐軍が滞在することになり、やがて起きたとある事件に巻き込まれることに。

長じて画家の弟子となり、戦後、異端の画家・柳楽糺(やぎら・ただす)として名をなしたのですが。
朋音はごく若いうちに、父の借財を精算するため、闇市で儲けた男・真刈と結婚していました。
彼女は幸せになれたのか?
長年の間、遠くから朋音とその娘・火菜も見守っていた究。
そして、思いがけない運命の転変が…

わかりやすく、しっとりした雰囲気もある読みやすい文章。
時代の空気の変化を映しながらかなり長いスパンで描かれ、登場人物も多彩で、目くらましされていきます。
気がつきそうになるヒントはちゃんとあるのですが、つい引き込まれて騙されました。

本格ミステリとも分類できる構成ですね。っていうか、本格ミステリそのものなのかしら?
探偵が事件を解決して、犯人を逮捕して、さあ終わりっていうのではないけれど。本質的にばりばり~ミステリですよね。ここまでやるか?ってぐらい
作者は辻真先の別名というか~いぜんに書いた作品中の人物名で、その人物の作品ということのようです。
そういう遊び心もいいですよね。

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