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「茨姫はたたかう」

近藤史恵「茨姫はたたかう」祥伝社

「サクリファイス」で強烈な印象、そしてフランス料理のシェフが探偵役のシリーズが楽しみな近藤史恵さん。
他にどんなのがあるのかと、借りてみました。
こちらは整体師が探偵役のシリーズで、2作目です。

真面目に生きてきた若い娘・梨花子は書店の正社員。
弟のできちゃった婚で、家を出る羽目になったのです。
アパートで隣になった同じ年頃の礼子や早苗と知り合いますが、かなり違和感を覚えます。
バー勤めの礼子は人なつこいのですが深夜酔って帰るし、イラストレーターの早苗ははっきり物を言うタイプで、互いに批判し合う結果になってしまう。

おもに梨花子の視点から描かれるので、真面目な若い女の子の警戒心がよくわかり、この年頃はありがちかもって気分に。
整体師・合田には、身体の硬さだけでなく、心の有様もずばっと突かれてしまいます。
何となく不満でいる狭い了見から、新しい人と知り合って、しだいに大人になっていく様子が描かれます。
小さな嫌がらせがストーカーのようにエスカレートしていく危険な状況になり、一人で抱え込んでいた梨花子も、とうとう相談を持ちかけます。
知り合いみんなの協力を得て、正体を突き止めることに。

整体師・合田力(ごうだりき)のもとで働く助手の姉妹と、その妹の歩に心惹かれている週刊誌記者・小松崎雄大も前作「カナリヤは眠れない」に続いて登場。
小松崎の視点からも描かれます。

梨花子は合田に「臆病やな」と言われてしまうのですが、臆病ならそんなに危ない目に遭わないでも済む、だからこれまで無事だったので、悪いことではないと言われるのでした。
臆病でなければ経験は広がるが、満身創痍になると。
鋭いですね。
こういった指摘のまっとうさに安心感があります。
整体師に身体見て貰いたいわ~。
平成12年発行。

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コメント

近藤作品では、ビストロのシリーズが出るまで、この整体師のシリーズが一番好きでした。
自然な大阪弁も出てきますし。

他にお掃除人キリコのシリーズも気に入っています。これはぜひ、第一作から読んでください。

隅の老人に想を得たような「賢者は~」というシリーズも私はおもしろく読みました。この作者の描く普通の若い女性が好きです。

歌舞伎の端役女形が主人公のシリーズは、もう一つ印象が薄かったのですが、自分が観劇をよくするようになって、劇場や芝居の世界に興味を持つようになったのと、文楽のおかげで歌舞伎の演目がよくわかるようになってから読み返したら、めっぽうおもしろかったです。
特殊な世界を扱った作品は、その世界の知識がなくても理解できるように書かれてはいても、やはり予備知識があったほうがより一層楽しめますね。

無幾庵さん、
これ、2冊目だけですが、かなり良かったです~
掃除人キリコ?全然知りませんでした~。読んでみますね!
「賢者は・」もですね~。

女形が出てくるシリーズは1作読みました!
確かに、文楽お好きだから~面白いんでしょうね。
私も歌舞伎は玉様好きなのと年の何とやらでちょっとは知ってるから~知るいぜんとは違うでしょうね。
しかし、多作なんですね~。
基本的に人情味あるし、レベル高いので、安心して読めますね

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