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「最終目的地」

ピーター・キャメロン「最終目的地」新潮クレスト・ブックス

作家の伝記を書こうとしている青年オマー・ラザギ。
カンザスの大学で助成金を受け取るには、遺族の公認がいるため、ウルグアイに連絡を取ります。
一度は断れたものの、諦めきれずに(というか、しっかり者の恋人ディアドラにせっつかれて)南米ウルグアイまで、はるばる出かけることにするのです。

その作家ユルス・グントが暮らしていた~ウルグアイという珍しい国が、主な舞台。
といっても、そこに住んでいる登場人物は、ドイツ系やアメリカ人。
ユルスの両親はナチスの手を逃れて移住し、何千本ものマツやトウヒなどの木を植え、ドイツ風の邸宅を建てたのでした。
人工の湖にはゴンドラまで浮かべられるという。どんだけ、金持ちなんだ?

自殺した作家グントの妻だったキャロラインは最上階に暮らし、アトリエで絵の模写をしています。50代ですが、アナイス・ニン(小説家でヘンリーミラーの愛人でもあった女性)のように美しい。
作家の愛人だったアーデンとその娘ポーシャが階下に。
通りの少し先には、ユルスの兄でゲイのアダムが、東洋系の恋人ピートと共に住んでいます。
さらりと描かれていながら、目に浮かぶような美しい光景。

伝記をめぐる~それぞれの思惑と微妙な緊張が、さりげない会話にちりばめられています。
かっての三角関係を清算したのかしないのか、人生を断念したかのように一見穏やかに、静かに暮らしている遺族たち。
人里離れた邸宅が、人生の最終目的地であるかのように。
ところが、ここへ青年オマーが登場。
若々しく、かなり不器用だけど~なかなかハンサムらしくて人も良いので、しだいに事態は動き始める…

作家の研究といったことも絡むので、難しい内容かと思ったらそんなことはありませんでした。
揺れ動く切ない恋心…美しい映画になるでしょう。
ジェイムズ・アイヴォリーが映画化しています。

著者は1959年アメリカ生まれ、少年時代をイギリスで過ごす。
2002年発表、2009年翻訳発行。

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