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「少女」

湊かなえ「少女」早川書房

「告白」に続くヒット作のようです。
少女のこだわりや内心のライバル意識などが、生々しく描かれています。
仲のいい、いつもの仲間には、かえって言えない秘密がある…
誰も、全く罪のない人間はいない。
なんの挫折もない人間も…

主な二人の少女、由紀と敦子の悩みと誤解、それが溶けていくあたりは心地よい。
手に怪我をして、剣道を続けられなくなった由紀。
それは、誰にも言えないけれど、痴呆の祖母がおわせた怪我だったのでした。
親友の敦子は、ふだんはちょっととろい方だけれども、しっかりした由紀よりも剣道にだけは抜きんでた才能がありました。
ところが大事な大会で失敗してしまいます。高校の推薦入学も断り、過剰に人に合わせ、軽く足を引きずり、体育も見学するようになった敦子。
互いに真実を語ることが出来ないまま、相手の気持ちを推し量ろうとするのですが。

由紀が敦子をモデルに書き上げた小説の原稿がなくなり、後に高校の国語教師がそれを盗作して賞を取るという事件が起きます。
けれども、別な問題が起きて、その教師は辞職する羽目に。
ある日、転校生の紫織が、友達の自殺を発見した話をしたことをきっかけに、刺激を受けた二人は、死というものを間近に見てみたいと興味を持つようになります。

由紀は、病院で子供に読み聞かせをするサークルに参加。
手術の日が近づいている男の子達と仲良くなり、両親が離婚した後は会っていないという父親探しを依頼されます。
敦子は、補習の選択肢の中から、老人ホームのボランティアに行くことに決めました。
そこで、窒息しかけたおばあさんをとっさの機転で助けるのでしたが…

思春期の熱気をダークな面から捕らえていて、隅に置けない女の子達の言動から、思いがけない出来事が転んでいく顛末を描いています。
いろいろ面白い点もあるのですが、あざとさと後味の悪さでちょっと…?
それがまたドキッとする魅力なのかな。
著者は1973年生まれ。2008年「告白」がベストセラーに。

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