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「女の絶望」

伊藤比呂美「女の絶望」光文社

西日本新聞で「万事OK」という人生相談をしている経験から、よくある相談について、伊藤しろみとしてアドヴァイスをまとめて語っている内容。
自分の経験に即して、落語調の話言葉でさばさばと、笑わせてくれるので、重い内容もけっこう楽に読めます。

子どもがむかつきだしたとき、親の稼ぎが悪いなどと言い出したら、これは群れのリーダーとして、罵り倒してでもやめさせなければならない。
ただ、思春期というのは、自分がなんなのかわからなくなることがある、そういうときにはしばらく寄り添って歩いていく。
ただ自分自身のことも、長くは放り出さずにちゃんとかまってあげて、と。

若者の行動が気になって腹が立つとき、正義感はもっとも。
危険だからやめようと言ってやるのはいい。
だが、自分と違う生き方が気にくわないというのは、言っても無駄。
「あたしはあたし」人と比較してもしょうがない、のが基本だと。
難しいかも知れないけど、これ真理でしょうねえ。
比較してしまうと、悩み続けるもとになりやすいもんです。

夫婦で旅行に出かけ、出先では上げ膳据え膳でも、家に帰った途端、なぜか自分からお茶をいれようとしていることに気づく…
これが女の絶望というものだと思ったね、と。
なるほど…

何がイヤといって姑のおむつを替えることがイヤでたまらないという相談者がいて。
そ、そそそれはきつそう~
お答えに、介護には老病死のすべてがある、だから辛いと。
…そうそうそう!
赤ちゃんを育てるのとは違いますからねえ。
老病死に向かい合うのはすごいエネルギー、いります。

実の親でも、老いてくると自分中心になり、判断力の衰えもあって、そりゃ無理なのがなんでわからないのだろう、子どものことを思ってくれていたのではないのか?と呆然とするようなことも起きる、と。
…そうそうそう!
ま、すっきり解決策があるわけではないんだけど。なぜこんなに辛いのか、わかって貰えるだけでもちょっとは救われます。

悩んでいる人が多いというのを実感すると、何となく元気が出てくるようでもあり。
作者自身は何度も離婚し、更年期に突入し、介護もしている~共感も交えて、なかなかキッチリ語っています。
詩人の著者は1955年東京生まれ。カリフォルニア在住。え、そこから介護に通ってるの?
2008年9月発行。

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コメント

私の知人は仕事の関係でアメリカの方が長く、子供さんたちも向こうで就職してしまったので向こう住まいですが、介護の関係で1ヶ月単位とかで帰国してはご兄弟と交替している方がいらっしゃいます。そういうのもあるようですよ。

>そりゃ無理なのがなんでわからないのだろう
わかるような気がします(苦笑)、あの世代は戦前に精神論で育てられちゃったから余計だめです。判断力も老化するものですね、柔軟性がどんどん無くなって…昔だったらわかったと思うんだけれども。そういう年齢まで長生きできたことを感謝すべきだとは思うのですが、

由比さん、
一ヶ月単位で帰国して交代ですか!
ハードですねえ…
この著者さんももっと来て欲しいとか、帰ってこられないかとか、言われてるんでしょうね…
でもねえ。

高齢になると性格にはバイヤスかかってくるし、総体的に判断力衰えますね~。
そうそう、柔軟性!の問題でしょうか

でも完全にぼけたわけではないし、プライドもある。
それに、あんまり何もかもサポートして安心させるとぼけが進むみたいなんですよ。
いろいろ、かねあいを考えて頭を悩ませてます。
まあ元気で頑固だからここまで生き延びたとも言えるしね…昭和を生き抜いた人は強いです。
親も子もここまで来れただけでも良いんだから、細かいことまで完璧を期さなくてもね?

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