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「神秘な指圧師」

V.S.ナイポール「神秘な指圧師」草思社

2001年度のノーベル文学賞受賞作家の1957年のデビュー作。
V.S.ナイポール選集の1として2002年に翻訳発行。
英領トリニダードって、どこ…?カリブ海にある小さな島だそうで。
インド系移民3代目の作者は1932年生まれ。オックスフォード留学、BBC勤務。

迷信もはびこる島国で、指圧師は勝手に名乗るためにやたらに多かったという。
辺鄙な村で、いつか本を書くと言って本を買い溜めて暮らしている青年ガネーシュ・ラムシュマイアが主人公です。
ついに微妙な内容の本を出すのですが、全く売れず、妻のリーラにも愛想を尽かされそうになります。
早い話がおたくの引きこもり…?
作者が本を書こうと苦闘していた時期や、指圧師だった父の経歴なども反映しているのかな。

ガネーシュは、なぜかあるとき急に、指圧師として成功するのです。
といっても指で揉むわけではなく、精神療法とでも言うのか…父の遺した記録と大量に本を読んだのがどこかで作用したのか?治療家として開花したのでした。
自宅を寺院のように改装し、洗練されていく妻も商才に目覚めます。

妻の父であるラムローガンは財産家で商売上手、若い頃には目をかけてくれた人なんですが、結婚するときに持参金で揉めて以来、疎遠に。
ガネーシュが成功した後、治療に来る客が乗るタクシーの料金を独占的につり上げていたのでした。
ガネーシュは驚き、これを許せずに買い上げますが、それでまた恨まれるなど、波乱が…?!
色々ありつつもガネーシュの上昇気流は変わらず、しだいに地域で重きをなし、議員となり、ついにはMBEという爵位(勲爵士)まで受けるという人生。

あくの強い登場人物達のおかしさ、転がる人生の妙味。
トリニダード・トバゴという国の特殊性が生かされているようです。
19世紀半ばから1976年に独立するまでは英国領だったために、英語は通じるのですが、現地化した独特な言葉になっているんだとか。
それを生かした語り口で、高く評価されたそうです。
翻訳は大変だったでしょうね。

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