「テンペスト」
池上永一「テンペスト」角川グループパブリッシング
琉球版ベルばらというか琉球版チャングム?
波瀾万丈の物語です。
時代は19世紀末、舞台は王朝末期の琉球。
大国の狭間で生き抜くために、優秀な人材が求められていたそうで、科試という(科挙のような)非常に難しい試験があったのですね。
とはいえ女子は教育の機会がほとんどなく、主人公の真鶴は男子誕生を期待した父に失望されて、名前もつけて貰えなかったほど。
養子の兄・嗣勇は官吏には向かないと家出してしまい、勉学好きな真鶴が猛勉強。
宦官と偽ってですが~何と13歳で、試験に合格してのけます。孫寧温と名乗り、才覚を生かすことになるのですが…
同じ時に15歳で合格した朝薫とは、良き友に。
兄は宮廷で女装して踊る踊童子になっていて、男女逆転したような立場となって、宮殿で再会します。ひそかに助け合うことに。
やがて、真鶴は日本人・雅博に出会って惹かれるのですが、その心を押し殺すのでした。
頭の切れる寧温は、難しい時期の外交に活路を開き、若くして評定所のトップとなりますが、秘密を知られて王の姉・聞得大君に脅されます。
当時の琉球では、王の姉妹が巫女として王を守るという制度があったのです。聞得大君は、王妃以上に絶大な権力を持つ霊能者でした。
この女性も波乱の運命をたどり、最下層に落ちたのを助ける男性の泣かせるエピソードも。
八重山島に流刑となった寧温こと真鶴。
やっと都へ行くチャンスをつかむのですが、それはなんと側室への道。
朝薫と親戚の真美那という天然お嬢様の友を得るのですが…
幕末の日本とも絡み、ペリーとも渡り合う離れ業を演じます。
歴史物的な面白さだけれど、時々突拍子もない展開があり、あ~これって歴史じゃなくてファンタジーなのか?と。
前の作品のはちゃめちゃさとは、またちょっと違うんですけどね。
一部悪趣味なのが何だけど…
いや~すっごく面白いです。
2008年6月号まで野生時代に連載、8月単行本発行。
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コメント
実は、これ、買おうかどうかすんごく迷ってます! sanaさんの書評を読むと、居ても立ってもいられなくなりました。やっぱし、購入決定かな!?
ファンタジーなのかな?と書かれている部分にちょっとひっかかります。ファンタジーは、ちょっとツメが甘いってことなのかしら?
投稿: marie004 | 2009年6月 4日 (木) 22時11分
marieさん、
これは面白いですよ!
ドラマチックで~おすすめです。
ファンタジーというのは、え~と、ツメが甘いというのとはちょっと違うかな…
霊能力というか、琉球のそういう面が入ってるのと、とっぴというか?歴史物というなら押さえた方が良さそうなタッチが入ってるからです。
表紙裏のイラストもすごく綺麗な本です。
密度は濃いですよ~
投稿: sana | 2009年6月 4日 (木) 23時29分