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「利休にたずねよ」

山本兼一「利休にたずねよ」PHP研究所

利休の切腹の日から、いろいろな時点に遡る構成。
視点もつぎつぎに秀吉や、細川忠興、織部、家康、三成、利休の妻や師などと変えていく趣向になっています。

老いて沈着に見える利休の~内心の激しい憤怒と、秀吉との葛藤。
堺の魚屋の息子・与四郎がどのように成功し、なぜ死を賜ることになったのか。
利休の茶といえば侘び寂びという言葉の渋さにとどまらない、強いイメージが広がります。
利休の審美眼に驚嘆する人々、美しさへの執着のすごさにそれも欲と思う僧や、半端な弟子の懲りない性分など、面白く描けています。

茶道にのめり込んだ日々、若い頃の情熱…
高麗から拐かされた美しい姫との若い日の短く激しい恋が、心の奥に眠っていたという~その印象は鮮烈です。
宣教師のヴァリニャーノまで登場。
緊迫した時代の空気感が感じられるようで、堪能しました。

この作家を読むのは初めてかな…
臨場感のある描写で、きりっと引き締まった文章。利休という題材にふわさしく、完成度が高いといえるでしょう。
第140回(2008年度下半期)直木賞受賞作というのも納得です。

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