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「故郷から10000光年」

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「故郷から10000光年」ハヤカワ文庫SF

「たったひとつの冴えたやりかた」などが有名なティプトリー・ジュニア。
じつは女性のSF作家です。
91年発行の初期作品集。もとは73年発行の本。
図書館で見つけて、あれっ、これ読んでなかったんじゃないかなあと思いまして。
一部読んだような記憶があるのは…ほかのアンソロジーなのか??さだかではありません~

SF好きなら読むべき?
スタートレックのファンだった!とかで、宇宙人ネタが多いですね。
想像を大きく羽ばたかせる壮大な面白さ。描写はにぎやかで、けっこう、てんやわんや。
忙しく仕事をしていた経歴の反映か、困った客とかあちこちから襲いかかる問題に主人公が立ち向かうといった内容が多いようです。
SF好きでなかったら、ちょっと、わかりにくいかなあ…

著者は1915年生まれ、10歳頃から絵を描く仕事を始めたそうです。
42年入隊、情報士官となり、後にCIAに在籍。実験心理学の博士号をとったという優秀さ。
身体をこわした68年に男性名で投稿を始めてデビュー、たちまち非常に高い評価を受けています。
SFだと、男性名の方が通りが良かった時代なんでしょうかね。
(とはいえ、アン・マキャフリイなんかもデビューする頃かな…しばらくはファンタジー汚染とか言われたらしいけど)
よく読むと、フェミニズムも感じられないことはないのですが、表面には出ていません。

夫婦とも病気の年月を過ごした後に、最後は87年に銃で夫を殺して自殺という…
波乱の経歴にも驚嘆。
何人分もあるような、濃い人生だったんですね。

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コメント

 ティプトリーは、同じSF作家の男性達も、著者が男性だと信じて疑わなかった人が多いそうです。誰だったっけかな、男だって言い切っちゃって、あとでものすごく驚いていたのは。
 わたしも短編をいくつか読んでいますが、すごく面白いのと、あんまり肌が合わないのとあって、つまり、それだけ幅が広いってことですかね。すごいと思うのは、今読んでも全く古くないものがあること。これは才能ある作家に共通することでもありますけど。たとえば、「接続された女」など、今では他の作家やSFマンガでは当たり前になってしまったくらいの設定ですが、そういう設定がこの当時にできたということがすごい。生体がコンピュータシステムに直接プラグインしているという設定そのものが、当時としてはものすごく斬新だったわけです。さらに、今なら誰でも共通認識としてあるであろう、サイバースペースではどんなものにもなれる、という発想も、ネット環境など誰も想像しない(SF作家とSF読みには少し居たけど)時代に作品化しているという部分で、サイバーパンクの祖、みたいな言い方がされるほどです(私は個人的にはこれはあたってないと思いますが)。
 ともかく、彼女の作品の設定をもとに長編を書けそうな作家がいろいろ浮かぶぐらい、SF史では重要な作家です。設定やガジェットに、彼女独自の発想から出発したものを用いているということですね。他に似ている作家がいない、ということもできます。SFって、誰かに似ちゃう作家って、他のジャンルよりも多いような気がするんですよ。SFの中でのこのような位置づけという意味では、コードウェイナー・スミスみたいな感じでしょうか(好き嫌いでいうと、私は圧倒的にコードウェイナー・スミスですが)。しかし、私はすごいとは思うけど、もっと読みたい、と思う作家にはついにならなかったんですよねーティプトリー。なんでだろう、文体があまりなじめないのかな。

>しあんさん、
才能ある作家ですよね~。
骨っぽい感じもあるし、男性と信じられるでしょうね!
細かな描写のにぎやかさがわかってみれば女性かな、というぐらいで。

>生体がコンピュータシステムに直接プラグインしているという設定そのものが、当時としてはものすごく斬新だったわけです

独創性がすごいんですね。
この人が先駆、で後に続いた人はいる、という感じでしょうね。
サイバーパンクというのは~なんか?雰囲気が…違うんだけど
何年かおきにしか読まないので、私もはまったことはないと思います。
シャープな発想に、いつも感心しますけどねー

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