フォト

おすすめ本

« 「忍びの国」 | トップページ | 「白洲次郎 占領を背負った男」 »

「マーブル・アーチの風」

コニー・ウィリス「マーブル・アーチの風」早川書房

2008年9月発行。
日本オリジナル編集によるコニー・ウィリスの中短編集。
アメリカSFの女王ともいうべき存在なので、受賞歴のある作品が並びます。
SFならではの奇抜な着想や不思議な展開だけではなく、読者を楽しませようという精神に溢れていて、楽しめます。

「白亜紀後期にて」は、大学教育の現場が混乱する様を皮肉った、わりあい初期の短編。
「ニュースレター」は、クリスマスに出す習慣のあるニュースレターを題材に、性格が妙にいい方へ変わるのが宇宙人の侵略ではないかと疑う~ユーモラスなSF。
「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」は、クリスマスの飾り付けや催しをプロが請け負うのが普通になったという設定で、その仕事をする女性をヒロインに巻き起こる大混乱を描くロマンス系。

表題作は、毎年恒例の大会が今年はロンドンで行われるために、20年ぶりに訪れたキャスとトムの夫妻。
地下鉄好きなトムは、路線を調べつつ複雑なスケジュールを地下鉄で移動するが、ある時きなくさい異様な爆風にさらされます。
周りが気づいていない様子にも驚き、爆風の正体を突き止めようと何度も地下鉄に乗りますが…
マーブル・アーチというのは駅の名前ですが、それだけではない意味があるのです。

「インサイダー疑惑」は、インチキを暴く雑誌を発行しているロブが主人公。
元女優の美女キルディと共に、女霊媒師のアリオーラがチャネリングする現場に潜り込みます。
なぜか自らのインチキを罵倒するような内容を口走り始め、予定外の男性が憑依した様子。
その正体がなんとH.L.メンケンらしい…実在した人物なので、それが本物なら、霊媒は成り立つということにもなるわけです。ロブはそれも偽装と疑い、キルディとの信頼関係が揺らぎますが…?!
これも!ヒューゴー賞受賞作。

この前の短編集「最後のウィネベーゴ」は、読んだときに思わず2007年のベスト1と思ったほどでした。
そこまでのインパクトはありませんが、なるほどコニー・ウィリスだなという納得の味わい。

« 「忍びの国」 | トップページ | 「白洲次郎 占領を背負った男」 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145558/44221934

この記事へのトラックバック一覧です: 「マーブル・アーチの風」:

« 「忍びの国」 | トップページ | 「白洲次郎 占領を背負った男」 »

2018年8月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック