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「おそろし」

宮部みゆき「おそろし 三島屋変調百物語事始」角川グループパブリッシング

2008年7月発行。
神田で袋物を扱う三島屋に来て働いている姪のおちかは、叔父夫婦には可愛がられているが、実家にはいられない事情を抱えた身。
おじの碁の相手をするために来た客が庭の花を見て、ある身の上話を始めます。
おちかも何か経験したことがあると察したために、誘われたかのようでした。
それ以来、おじの発案で、珍しい不思議な物語を人から聞いて集めるという聞き役をすることになるのです。

最初に現れた粋な女性は、子どもの頃に百両で1年間、家族がふしぎな屋敷に住み込むことを頼まれた話をしますが…
おちかの実家でのいきさつもじょじょに明らかに。
言いにくい経験を抱えた人の思いが交錯し、取り返しのつかないことを悼みつつ、しだいに恨みも苦しみも晴れていく…
おちかが訪ねてきた兄と再会するあたりでは、もう泣けました。

地道にてきぱきと働く三島屋の人々の様子が心地よく、江戸情緒のいい面を味わえます。
そこに隠された哀しみや、異様な出来事の対比がお見事。
後半は、一部ちょっと「百鬼夜行抄」と似た感じで、私にとっては非常に読みやすかったです。
RPGも書いてるし、ほんとに何でも書く人だけど…
時代物での切なさなどは、もともと通じるものもあったかも知れませんね。

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