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「こころの格差社会」

海原純子「こころの格差社会ーぬけがけと嫉妬の現代日本人」角川書店

格差社会に問題を感じて、何か読まねばと思って探してみたら、これが面白そうだったので。
なかなか目ウロコ本でしたよ!

経済格差が広がる世の中、勝ち組は自分自身の努力の結果だと思いこみ、恵まれていた部分の「透明な底上げ」が見えないという。
そのために、恵まれなかった人との間にコミュニケーション不全が起こってしまうのだそうです。
結果が出なかったのはその人がそれだけ努力しなかったからだ、と解釈するんですね。
アメリカでは国全体がそう思う傾向があり、自分もいつかは金持ちになれると思っているという指摘が面白い。

一方、負け組は、勝ち組の運の良さをうらやみ時にはねたむが、自分で「見えない天井」を決めてしまっていることがある…
それは子どもの頃から言われてきたことに縛られて、やる前にあきらめているせいもあるとか。

心が満たされるのには、何が必要か?
結局それが問題なわけです。
まずは生きて行くに必要な食べ物、安心感、愛情といったものから社会的承認、そして40過ぎたら内面的な充実感へと成長していくもの。
内面的に充実するためには、自分と向き合う瞑想的な時間が必要だそうです。

生きるために働くうちに人間関係の基礎が身に付くはずが、生まれたときから食べる心配がない子どもの置かれた環境が、引きこもりの一因ではないかと。
現代では子どもの暮らしも忙しいので、静かに自分と向き合うことを望んでいるのかも知れない、とか…
ただ引きこもっていても、テレビやゲームやネットで刺激を受け続けていては、瞑想的な効果は得られないということです。

日本人が何気なく身につけていた自然との一体感が失われたことなど、うなずける指摘も多い。
うつになる人は、してはいけないと自分で束縛してしまう気持ちが強い場合もあるそうで。
本当になりたい自分になるには、外の価値観に縛られずに内側を見つめること。それは勝ち負けの問題ではない!ってわけです。
世の中の移り変わりを示す具体的な資料が多く、わかりやすい。

2006年発行。
作者は1976年慈恵医大卒の医学博士。クリニック経営、大学教授、ライブ活動も。

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