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「評伝 長谷川時雨」

岩橋邦枝「評伝 長谷川時雨」筑摩書房

明治末年に女流劇作家として成功した草分けで、樋口一葉に次ぐ小説家、編集者、一時は女優でもあった長谷川時雨の評伝。

昭和初期に「女人藝術」という文芸雑誌を発行、当時の名だたる女性達が一度は寄稿した雑誌で多くの催しも行い、話題になっていたそうです。
財政難と時勢の変化で廃刊、のちに「輝ク」という会員制の薄い雑誌をほとんど独力で発行。
「青鞜」の発刊にも名を連ねています。
ほっそりした美人で、江戸っ子で気前が良く、こまやかで高級品好み。世話好きのために作家としては大成しきらなかった面もあるらしい。

子どもの頃に母に本を取り上げられたことや最初の結婚の悲惨さが、後に女性達を応援する原動力になったのではと思わせます。
六代目菊五郎とは、終生の親友だったとか。
年下の夫の三上於菟吉を大衆小説の人気作家に押し上げたんですね。
夫は「雪之丞変化」の作者(タッキーがやったやつですね)、直木賞の直木三十五と同い年の友人だとか。
林芙美子がデビューしたのも「女人藝術」で、三上の推薦だったそうです。

時雨は明治12(1879)年生まれ。
著者は1935年生まれ。この世代でも時雨のことはよく知らないで育ったそうです。
戦時中の兵士への積極的な慰問が、晩節を汚したと戦後は思われるようになったためではないかと。軍国主義という様子はないので、世話好きがあだとなったのかも知れません。

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