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「エヴァ・トラウト」

エリザベス・ボウエン「エヴァ・トラウト」国書刊行会

ブッカー賞候補に残ったという1969年の作品。
あちらでは有名作家らしいボウエンの最後の長編だそうです。

24歳のエヴァが牧師館の子ども達と寒い中ドライブに出かけているという~感覚的には面白いが設定のよくわからないシーンから始まり、感性豊かな登場人物たちの微妙な葛藤が描かれます。
もうすぐ巨万の富を継ぐことになっているエヴァは、元教師のイズー夫婦の家に滞在中。
生後2ヶ月のエヴァを置いて家出した母は飛行機事故で死に、エヴァは父に連れられて世界各地を転々としたので、母国語をマスターしきれていないために口数が少ないという。後に父も自殺してしまっています。

イズーはかってエヴァが心から慕った恩師だが、今は緊張をはらんだ関係に。そのわけは次第にわかってきます。
さらに、管財人で後見人のコンスタンティンは、じつは亡き父の愛人だった男というんですから、葛藤も起こるというものでしょう。
富と孤独がエヴァにある思い切った決断をさせ、数年後の再会によって、また事件が…!
意識の流れ風な書き方ですが、実はすごいドラマチックなストーリー。ちょっと前のイギリスが好きな人には面白いのでは。
牧師館の息子ヘンリーがなかなか魅力的。

作者は1899年ダブリン生まれ、数年後父が発病。
24歳で短編集を発行、同年結婚。後に恋愛相手が複数知られるそうですが、夫は最大の理解者であったとか。
作者自身の生い立ちが由緒ある家の跡継ぎで、母と二人でイギリスの親戚を転々としたり、学校へ通った時期が短かったり、と似た部分があり、大柄でハンサムウーマンといわれる容貌も近いらしい。
誰にでもお勧めというわけにはいかないけど~ふしぎな魅力のある作品。

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コメント

また渋いの読みましたねぇ。「渋い」って内容じゃなくて、作者の知名度がってことですけど。
わたしはガッコの授業でテキスト読まされたんで懐かしくて買いましたが、sanaさんはなんで目にとまったんですか?うちの近所のマニアック店長が居ると思われる品揃えの本屋と違って、ふつうには平積みにならなかったと思うんですけど。
わたし、実はこれ、途中で止まってしまってるんですよね。訳がどうにも読みづらくて。どうせなら新訳で出してほしかったなー。
ボウエンは現代女流作家全集みたいのに、よく出てますし、彼女の短編集は割と最近復刊されたように思うので、短編もお試し下さい。うちにもあったと思うけど、訳本はあったかな?
もう、古い本はみんな地層の下に埋もれているので、発掘はちょっと無理だわ(笑)
・・・検索したら、短編集はミネルヴァから出ていました。やっぱりねぇ、国書刊行会とか、こことかじゃないと、出さないよね、ボウエン。

しあんさん、
さすが~ご存じでしたね!
発表当初も読者の評判は良くなかったという取っつきにくい入り方の作品。
他の方が面白いらしいですね~そのうちトライしてみます。

これ、発行は意外に最近の本だと思うんだけど…
私が見つけたのは、たぶんネット上で…すみにえさんとこかな?
やっぱり、そうでした!http://park8.wakwak.com/~w22/
今、更新は休止中なんですが~今年最後の紹介がこれでした。
いや~どうしたもんかな、っていう独特な読み心地なんですけど…
翻訳物が好きなら、けっこういけますよ

> これ、発行は意外に最近の本だと思うんだけど

そうそう、出たのは夏前ぐらいじゃないかな。
すみ&にえさんとこはずいぶんご無沙汰だったんだけど、しばらくぶりでのぞいてみたら、ボウエンをずいぶん読んでいるんですね、お二人。
わたしも古い本ばかり詰まっている箱を探してみようかしら。でも、たしかボウエンは原文しか持ってなかった気がするんだなー。

> 翻訳物が好きなら、けっこういけますよ

内容はとても面白そうなんだけど、どうしても訳になじめなかったの。すみにえさんたちも言ってたけど。でも、真ん中過ぎれば気にならなくなるとも書いてあったので、再開しようかな、と思っているところです。

ところで、昨日から「チームバチスタ」のドラマが始まりましたね。原作読んでないし、映画も見てないんですが、テレビを点けたらやっていたので、後半から何となくみてしまいました。ウワサの白鳥は仲村トオルがやっていて、へぇ、こういう演技もできるのねーとか思ったわ。

しあんさん、
確かに~後半の方が面白くて、読みやすくなりますよ!
原書?うわあ~すごいですね。ボウエンがたくさん…?
原書は無理だわ。私はあくまでカタカナが好き!カタカナと漢字とひらがなが配分よく混ざってるのが

バチスタ、見るつもりでしたが、見損ないました。
一つには、配役のせいで…
白鳥は、原作では小太りの中年だったので、見た目はましかな~。ひねくれた饒舌な役を上手くやってたのかな?
田口は、原作ではけっこう顔のいい中年のはず。
原作通りがベストとは限らないので、忠実にとは申しませんが

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