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「切羽へ」

井上荒野「切羽へ」新潮社

08年夏、直木賞を受賞したばかり。
「ベーコン」がよかったので~受賞しそうな気がしてました、と後から言う。

生まれ育った島で、小学校の養護教諭をしている麻生セイ。
画家の夫も生まれは同じ島で、再会して結婚してから二人でもどることにし、なごやかな暮らしが続いていました。
かっては炭坑で栄えた九州の島はのんびりと落ち着いているが、どことなしにさびしげでもあるような。
セイの父親の診療所がなくなったように。
セイが見舞いに通う、しずかさんが年老いていくように。

新任教師に石和聡という30歳ぐらいの男性が赴任してきて、俳優のようと噂されます。
セイと同じかちょっと下ぐらいの彼は、島では目立つ存在。
何か事情があって元いた場所を離れて来たらしく、ちくちくと危険なにおいをまき散らし、セイの心を揺らすのです。

同僚の女教師の月江は派手で色っぽく、通称「本土さん」との不倫を公然と続け、島の人も慣れていましたが、これが一時は騒動に。
月江の奔放さとセイの密やかさが対照的。
本の帯のコピーを見て激しい恋愛物のように期待すると違うと思いますが、ひたひたと丁寧に描かれていて、心地よい完成度。
全編にほのかに色っぽい気配が満ちていて、それが生きることだと思わせます。

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