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「ワンちゃん」

楊逸「ワンちゃん」文藝春秋

2008年第138回芥川賞を受賞したばかりの作家の、昨年の芥川賞候補作。

中国人の王愛勤は、15歳から縫製工場に勤め、改革開放の波に乗って洋服を売って成功するが、女にだらしのない無職の夫に苦労し、ついに外国へ逃げることを決意。
浮気しそうにもない日本人と結婚し、木村姓になるが…
いきいきしたワンちゃん(王から来るあだ名)の猪突猛進ぶりが痛々しくもたくましく、ほほえましい。このエネルギッシュな感じが中国女性らしいのかな。
文章は十分に達者で~筆力を感じさせますが、ごく一部に変わった表現があり(日本人でもこれぐらいあるけど)、芥川賞というにはやや話し言葉的な走り具合があったかもしれませんね。

お見合いの仲介業の様子がリアルで興味深い。
苦労しているだけに?ワンちゃん自身の場合よりも、ちゃんと互いに好意を抱いてお似合いの相手と話が決まるように計らうところや、あちらのやり方で式を挙げるシーンなど、なかなか素敵でした。
しかし、土村という実直な八百屋さんに結婚の斡旋をしているのに、実は内心、ワンちゃんが恋してしまう皮肉な運命。
どうにもならない成り行きだけに、相手も憎からず思ってくれたようなのが良いのか悪いのか…?
日本人のお姑さんが可愛いおばあちゃんなのは救いですね。

書き下ろしの「老処女」は中国語講師のハイミスのちょっとずれた片恋を描いて、そのずれ具合や突然ファッションに目覚めたり、また気が変わったりと~中盤は面白いけど、何かあんまりな結末!?
これが文学的というのか…芥川賞系はこういうところが危険なんだよ、って!?

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