フォト

おすすめ本

« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »

2008年8月

「影との戦い ゲド戦記1」

アーシュラ・K.ル・グウィン「影との戦い ゲド戦記1」岩波書店

「指輪物語」「ナルニア国物語」と並ぶ世界の三大ファンタジーとして有名なゲド戦記。
その一巻目です。

7月にテレビでアニメを見たら、原作がどうだったか気になって…
これで、1巻目は4度目ぐらいの読み直しになるかなあ。
一巻目は特に、ゲドの若い頃の話なので、アニメとは直接の関係ないんですが、作品世界や基調はああ、こうだったと納得。
映画とは違う~哲学的な深みがあります。
やはり、すごい作品です!

アースシーと呼ばれる異世界。
少年ハイタカは、ゴントの貧しいヤギ飼いの家に生まれ、村の呪い師をやっていた親戚の女性に少し魔法を習っただけでした。
それでも並々ならぬ才能を見いだされ、ローク島の学院に招かれて学ぶことになります。

けたはずれの魔法の才能を持ち、学ぶことにかけては意志が強いけれど、気が荒く世間知らず。
気の合わない学友にそそのかされて力を見せつけたくなり、禁忌を犯して恩師を失うことに…
若き日の傲慢なゲドの遭遇した事件。
危険な旅に同行してくれる、かっての学友のカラスノエンドウ(というのが通り名)には泣かされます。

ゲドというのは、ハイタカの真の名。
真の名を知れば呼び出すこともでき、魔法をかけることもできる、という設定で、ふだんは口にされません。
真の名をあかすのは信頼の証ともなります。

アニメ映画で、後にアレンが追われる影とは何なのか、その原型がここに描かれています。
あの頼りになる穏やかなゲドも、少年時代にはこんなことがあったと…
映画を見た人に、そう思って読んでいただければと思います。

発表は1968年。うわっ、そんな古いんだ!
原題はA Wizard of Earthsea
あれ、「ゲド戦記」というのは~日本だけのタイトルでしょうか?戦争の記じゃないのは確かですが。
私が持っているのは1976年(第一刷)発行の本です。

ル・グウィンは、1929年生まれ、文化人類学者の父と作家の母の間に生まれ、大人向けのSF作家として高名です。
69年にもう「闇の左手」を発表してるんですね。
これは萩尾さんが推薦したので日本では有名だったと思います。懐かしい…

帯を替えて

さて写真も撮ったことだし~と、新しい帯に替えてみました。
着物は同じだけど、髪型も変えたので、ちょっと気分変わったかな?
Vfsh5645向かって右は髪を短めにまとめて、はねさせてみました。
生成で絽の帯のような素材に黒と白と金の柄~なんだか夏帯っぽいでしょう?
Vfsh5653後ろはこんな感じ。

Vfsh5648左のペパーミントグリーンみたいな帯は古布。
夏帯ではないけど~
金が入っているにしては薄い生地です。
こういうのは自分でも欲しいようなhappy01
じつは浴衣などを出してみたときに、あっちこっちに入っていた作りかけの帯生地の端が5ミリもほどけていて~いじっている間にさらに3ミリもほどけ始めるという大変なことに。
金襴はメートル2500もしますからね~まあ、1メートルも買わないけどさ。
作りかけの物はこの夏のうちにできるだけ作り、しまう前に端の始末だけは全部することに決めたのでした。

「夏の約束」

藤野千夜「夏の約束」講談社

いつか読もうと思っていた本。夏なので、読んでみました。
第122回(1999L)芥川賞受賞作だったんですね。
主人公がゲイなのは知っていたけど、デブとは思いがけなかった…

会社員のマルオは、95キロ。
子供の頃はいじめられたこともあり、男子寮を出なければならなくなったこともあるのです。
今は恋人も出来て、編集者で小柄なヒカルとは手をつなぎっぱなしでデートをする仲。
つなぎっぱなしにする必要性をこっちは感じないけれど、二人で宣言するような意味があるのかな~。
でも、同居の話にはまだ乗り気ではないマルオだったりします。

美容師のたま代はトランスセクシュアルで、今は女性となった身。
ヒカルの幼なじみの小説家・菊江や、その友達など、彼らを囲む女たちも、ちょっとヘンだったりする~ゆるい友達つきあいが描かれていて、なかなかいい感じです。
ふっと夏にキャンプへ行こうねという話になり、子供の頃のキャンプにはあんまりいい思い出のない面々が、内心複雑な思いを抱えつつ、約束しているのでした。

いぜんに書評を読んだときには、もっともの悲しいのかと予想していたけど、嫌なこともありつつ~滑稽な日常が抑えた筆致で描かれていきます。
……若くて苦労知らずだったら、けっこう強烈かも知れないな?
今となっては、まあ人生これぐらいハッピーがあれば…苦もあるのもやむを得ないでせう。
2000年発行。作者は1962生まれ。

晩夏の着物姿

Vfsh5634ここしばらく、こういう格好でいて貰いました~。
着物はいぜん作った浴衣兼用のもの。
向かって左、水色の着物の~帯は前に作ったのですが、渋すぎて使っていなかったのを発見。
骨董市で手に入れた古布を使っています。
涼しげな色合いになるかな?と。
向かって右、この間から着ている大きな花柄の着物のお嬢さんは、トンボの柄の新しい帯で、もう少し、若々しく。帯揚げはちょうどいい色がなかったので、リボンを使っています。
Vfsh5639生地屋さんで買った端布で、紙みたいな素材なのが夏帯っぽいかな、と。
たたんだときに意外に厚みがあって、扱いやすくはなかったですけどね~。
Vfsh5643「あら、ちょっと帯がゆがんでいるわよ、直してあげましょうか?」
「きゃあ、ほんと?おねえさま、直して~」なんてねhappy01

「詩人たちの旅」

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「詩人(うたびと)たちの旅 デイルマーク王国史1」創元推理文庫

英国ファンタジーの女王、ダイアナ・ウィン・ジョーンズのデイルマーク王国史4部作の一冊目。
1975年の作品、この本は2004年刊。
この夏は少しファンタジー気分だったので、あ、これ読んでなかった~というわけで、読んでみました。
中世風のファンタジーで、重厚な設定です。

デイルマークは王亡き後、伯爵が各領地の実権を持つ封建時代。
主人公は11歳の少年モリル。
町から町へ、家族で旅して回る一座の末っ子です。
父親は詩人(うたびと)クレネンとして知られ、陽気で押し出しがいい人物。母親レニーナは元は南部の貴族の出だが、愚痴一つ言わない物静かな色白の女性でした。
暮らしは貧しいけれど、ピンクと金に塗った派手な馬車を賢い馬オロブに牽かせていくのは楽しそう。歌の才能のあるまじめな兄ダグナーと気の強い姉ブリッド、まだ不確かだが才能の片鱗を見せる赤毛のモリルは仲良く暮らしていました。

ところが、身分が高いらしい少年キアランを北へ届けるために馬車に乗せてから、空気が一変します。
偉そうな新顔に子供たちがいらだっていたのは、ほんの始まり。
立派な服装をした数人の男に襲われて父が殺され、兄は投獄されてしまいます。
子供たちは初めて、父親が南部と敵対する北部を巡る政治に深く関わっていたことを知らされます。
そして母親にとっては、これまでの結婚生活が決して幸せではなかったことも…
母の故郷から子供たちだけで脱出しますが~!?

モリルが父に譲られた楽器クィダーには、不思議な力があるらしいのです。モリルは使いこなすことが出来るのか…?
スリリングでストレートな危機感あふれる展開、後半はファンタジーらしい大がかりな事件になっていきます。
時代設定のせいか、初期作品のせいか、ジョーンズにしてはオーソドックスな作風。
登場人物はジョーンズらしく生き生きしていて、特に兄弟げんかや辛口な家族関係はいかにもです。
後の作品ほどはっちゃけてないのが~かえって読みやすい。
一作目なので、どう展開するのか、先が楽しみです。

桃のパフェ

Vfsh5590タカノの桃、第三弾です~lovely
桃はやっぱり美味しいですね。
アイスクリームに見える左の丸いのは、桃のシャーベットの内側にバニラアイスという凝った物。
急な寒さで、パフェ日和ではなかったんですけどね…
これで、めでたくスタンプラリー、ゲット!
9月には無料で黄金桃を食べようかな~happy01

お寺の百日紅

Vfsh5628小雨に濡れたサルスベリ~
晩夏の光景です。

Vfsh5629緑が濃いのが夏らしいけど、
既に寒いぐらい気温が急降下…
うちのサルスベリも遅かったけど、やっと満開になったと思ったら、毎日のように雨でぐっしょりです~。

「鹿男あをによし」

万城目学「鹿男あをによし」幻冬舎

2007年4月発行。本屋大賞にノミネートされ、テレビドラマにもなりました。
読みやすく、軽快。

主人公「おれ」は物理の研究室にいましたが、助手の論文用データをうっかり消してから折り合いが悪くなり、神経衰弱などと噂されるようになってしまいました。
教授の紹介で、気分を変えるのも良いだろうと、奈良の女子高校で2学期だけの講師になります。
気持ちが落ち着きそうな古都の風景に、下宿屋は賄いつきでのんびりした雰囲気ですが、意外なできごとが次々に襲いかかります。

鹿に話しかけられ、幻覚か!本当に神経衰弱なのか?とうろたえます。
和風ファンタジーといいますか…
さらに、初めての教室で、遅刻してきた女生徒の反抗的な態度にむかついて、うまくおさめることができず、妙に大ごとになってしまうのでした。
さて、その理由とは…?
もう知っている人も多いと思いますが、地震を起こすナマズを抑えるために卑弥呼から伝わる運命の担い手となるのですが。そりゃ、驚愕しますよね、って。

生まれつき、ついてない男とドラマではなっていたけど、原作だと鹿島神宮のそばで育ち、母が鹿島大明神のファンで縁があったということらしい。
遅刻してきた生徒・堀田イトとのやりとりや、姉妹校のマドンナ・長岡先生らと剣道の試合、三角縁神獣鏡をめぐる教頭との戦いなど、予想より原作通り。 楽しい展開です。
同僚の藤原先生が原作では男性なのに、女性になって恋愛になるというところが違うけど。
藤原先生、とぼけた役を好演していたし、良かったんじゃないですか。

「剣の輪舞」

エレン・カシュナー「剣の輪舞 増補版」ハヤカワ文庫FT

最近、この続編「王と最後の魔術師」「剣の名誉」が出ていて、綺麗なイラストの表紙なのが気になっていて。
これは前にも翻訳されましたが~この本は短編3作を加えて、井辻さんが訳文にも手を入れたという増補版です。
原題はSWORDSPOINT、1987年の作品。

18世紀ヨーロッパを思わせる異世界。
剣客が正式な決闘で人を殺すことは、罪に問われない時代。
伝説的な剣客となりつつあるリチャード・セント・ヴァイヤーは、鍛え抜かれた肉体で芸術のような技を放つ、黒髪の美青年。
貴族が見捨てた古い建物が建ち並ぶ下層階級の住む町リヴァーサイドで、依頼を受けては危険な仕事をしていました。
育ちの良さそうな学生のアレクを愛人として。
枯葉色の髪で痩せた長身のアレクは、高貴な家を出奔した身らしく、心に傷を負っている風情。敬意をこめた距離感もありながら、互いに認め合う二人の関係がユニークです。

貴族の住む「丘」では、贅をこらした優雅な宴が夜ごとに行われていました。
野心家の竜法務官フェリスは、誠実な三日月法務官ハリデイを追い落とそうと画策します。
権力者のトレモンテーヌ公爵夫人は齢を重ねても十分に美しく、フェリスを愛人にしていました。
一方、貴族の若者マイケルは剣客に憧れ、修行を望んで道場に通うのでした。
誰かわからぬ貴族に仕事を依頼され、いつしか陰謀に巻き込まれたリチャードは、投獄されますが…

三銃士やシェイクスピアや、華麗で陰影のある歴史物語世界を彷彿とさせるモチーフが楽しい。
特殊な設定だけど、意外に読者層広いかも?

伊勢丹で買ったパン

Vfsh5627カイザーのクロワッサンと…
もう一個は、初めて買ったパン。
もちっとした食感で、面白いです。
確かチャバタとかいったような…??

久々に行った伊勢丹、目的の一つはドール売り場を見ようと。
2番目は紅茶コーナーでしたが、目当ての物がなく、
目を引くのはかなり高価だったので考慮しておくことにしました。
ケーキをさんざん見たけど~これが美味しそうな綺麗なのが多すぎて!
私としたことが決められなかったのだ(いや、その前にデザート食べていたせい…)
ターキッシュディライト一個じゃ誘惑されないけど(「ライオンと魔女」)、これ全部くれると言われたら迷うかも~などと、考えてしまいましたcoldsweats01

「イギリス海岸」

木村紅美「イギリス海岸」メディアファクトリー

著者は76年兵庫県生まれ。
2006年「風化する女」で文学界新人賞を受賞。

梢と翠という対照的な双子の姉妹と、その恋人や知人へと視点を変えながら、宮沢賢治がイギリス海岸と名付けた場所をモチーフにつづられる連作短編集。

おしゃれで奔放な翠は、恋人を追って東京へ。バンド活動を始めるのでした。
双子の姉で堅実な梢は、地元で暮らします。
妹の様子を見に行くように親に言われて、高校の時によく食べた福田パンのあんバタをみやげに持参するのでした。
地元の店で知り合った女性が、やはり双子と知り…
その双子の片割れがイギリス旅行中に、イギリス海岸のことを思い出したりと、かすかに連鎖していくのです。
ふだん身なりにかまわない梢が珍しく気に入って買った緑色のホームスパンのコートなど、小物が効いています。

特にどこがものすごく素晴らしいという感じではないけれど~
薄いつながりが暑苦しくなくて、ほのかに暖かみがあり、さらりとして心地よい読後感。

桃のデザート

タカノの桃シリーズ、二つめで~すbleah
Vfsh5624桃のデザート!
桃そのものをまずパクリ、甘くて美味しい~。
シャーベットはラズベリーと桃の2種類。
右手前に立っているクリーム色の円筒はアイスクリーム…なのでしょうが、バタークリームを冷やしたような濃厚さ。
中央のケーキ?のようなのは、少しもちっとした食感の~
何だろう…桃だけじゃない味みたいで、ラズベリーと混ぜてあるのかな?
パッションフルーツも少しソースになっていて、かなり凝った組み合わせでした。
おもろ~delicious

「カスに向かって撃て」

ジャネット・イヴァノヴィッチ「カスに向かって撃て」集英社

表紙の感じが変わったと思ったら、今度から集英社文庫になったんですね。
ステファニー・プラムのシリーズ10作目で、いつものメンバーが再会。
ミステリとしてはそれほど大がかりな謎解きはなく、変わった場所での事件でもないけれど。
嵐を呼ぶ女?ステファニーらしく、のっけから地元のギャング団との危険な遭遇、命を狙われます。
ステファニーの命を心配して閉じこめておきたがる恋人のジョー・モレリとは大げんかに。
[すぐ読むつもりの方は、以下は読む必要ないかも~?]

例によって、あっという間に車が大破、レンジャーに借りた車で走るうちに、留守をしているレンジャーの住まいの一つに隠れ住むことに。
凄腕の危険な男レンジャーの秘密をこっそり探る妙な楽しさがありました。

ストレスでドーナツを食べ過ぎ、ダイエットする羽目になるステファニー。気持ち、わかるわぁcoldsweats01
同じ事務所の女たち~元娼婦で巨大なルーラとしっかり者の秘書のコニーと共に、事件を解決しようとしますが、これがまた一騒動に…

姉ヴァレリーは優等生だったが最近は迷走中、再婚騒動がかなり大きな比重になっています。衣裳選びに意外な人物が登場。
命を狙われながらもブライダルシャワーにはどうしても出なければならない!というわけで、出席するだけでも命がけ。
最後は大立ち回り~全体的にコミカルで、元気が出ます!
なかなか楽しい出来でした。

猫は待機中

Vfsh5543涼しい板の間で。
のんびりお昼寝~。

Vfsh5546ピクリ

Vfsh5547……?

Vfsh5549だーっと走りました!

Vfsh5550何だろう…

真剣にじいっと外を見ています。
ただお昼寝しているんじゃないんだね、
いつでも縄張りの中で何が起きているか、
警戒してるんだよねcoldsweats01

「カボチャの冒険」

五十嵐大介「カボチャの冒険」(バンブーコミック)竹書房

田園を舞台の猫マンガです。
愛猫のカボチャと共に~田舎へ移り住んだ作者。
隣家まで100メートル。
隣家の畑が周りに広がり、自分の家の庭にも果物のなる木がたくさん。
動物に遭遇した地点の描かれた絵が楽しい。
リスもちょろちょろしているような土地柄、ちょっと行けば、狐やカモシカや熊までいるらしい…

室内猫だった猫のカボチャは、あっという間に環境に適応。
リアルだけど、素朴さのある柔らかいタッチで描かれていて、とっても生き生きしていて、可愛いの~。
やんちゃなお姫様で、飼い主はすっかり参ってますね。屋根の上で鳴いて、助け下ろしに来てくれるまでず~っと待っているんですもの、負けるでしょう、それは。
裏表紙にまであふれる愛が…!happy01
拾われるいきさつは、後の方に出てきます。
親とはぐれたか、捨てられたか?ニイニイと鳴いている小さな子猫を見捨てることが出来なかったんですねえ…

目が大きくてやんちゃな顔つきは、うちのみゅんの小さい頃にも似ています。
活発なところは、どっちかというと前の猫のくうちゃんの方に似ている…
小鳥やネズミを捕る話は、まあ~今のはあまりやらないけど、先代の猫は数年前によくやってました。
すっかり大人になってから初めて外に出たんだったら、もう捕まえないかも知れませんけどね。
ちょうど1~2歳だったら、猫が縄張りを広げる時期で、カボチャの世界が広がっていくのにタイミング合ってたんじゃないかな。

うちの先代猫が最初に小雀を捕まえてきたときには、深く噛んでいないようだったので「わあ、すごい!お姉ちゃんにくれるの?」とだまくらかして2回取り上げ、裏で放してやったら飛んでいったのですが。
3度目になると「これはあたちのだもん!がんばって捕ったんだもん!」っていう顔をしているので~「家の中で食べるなら、全部残さず食べるのよ!」と言ったところ、本当に羽根1、2枚だけを残してすっかり食べきっていました。
…うちのあたりも、けっこう田舎だってことですかね!?coldsweats01

「ワンちゃん」

楊逸「ワンちゃん」文藝春秋

2008年第138回芥川賞を受賞したばかりの作家の、昨年の芥川賞候補作。

中国人の王愛勤は、15歳から縫製工場に勤め、改革開放の波に乗って洋服を売って成功するが、女にだらしのない無職の夫に苦労し、ついに外国へ逃げることを決意。
浮気しそうにもない日本人と結婚し、木村姓になるが…
いきいきしたワンちゃん(王から来るあだ名)の猪突猛進ぶりが痛々しくもたくましく、ほほえましい。このエネルギッシュな感じが中国女性らしいのかな。
文章は十分に達者で~筆力を感じさせますが、ごく一部に変わった表現があり(日本人でもこれぐらいあるけど)、芥川賞というにはやや話し言葉的な走り具合があったかもしれませんね。

お見合いの仲介業の様子がリアルで興味深い。
苦労しているだけに?ワンちゃん自身の場合よりも、ちゃんと互いに好意を抱いてお似合いの相手と話が決まるように計らうところや、あちらのやり方で式を挙げるシーンなど、なかなか素敵でした。
しかし、土村という実直な八百屋さんに結婚の斡旋をしているのに、実は内心、ワンちゃんが恋してしまう皮肉な運命。
どうにもならない成り行きだけに、相手も憎からず思ってくれたようなのが良いのか悪いのか…?
日本人のお姑さんが可愛いおばあちゃんなのは救いですね。

書き下ろしの「老処女」は中国語講師のハイミスのちょっとずれた片恋を描いて、そのずれ具合や突然ファッションに目覚めたり、また気が変わったりと~中盤は面白いけど、何かあんまりな結末!?
これが文学的というのか…芥川賞系はこういうところが危険なんだよ、って!?

八甲田チーズケーキ

Vfsh5564「朝の八甲田」という名前のチーズケーキ。
数量限定で作っていて新鮮なので~すごい人気だとか。

たまたまデパートの入り口で出張販売していたので、思わず。
半分は友達の所へ行くときに持って行き、残りは家で。
3ヶ月ぐらいは冷凍しておけて、3時間ほどの自然解凍で柔らかくなるので便利です。
ふわっとした口当たりがナイス!delicious

「ゴールデンスランバー」

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」新潮社

2008年本屋大賞を受賞したばかりの作品。
直木賞も本命?だったみたいだけど候補を辞退してたんですね。

仙台での凱旋パレードで新首相が暗殺され、犯人に仕立て上げられた青年・青柳が逃げ回ります。
首相公選制があるという架空の設定を取り入れ、いろいろな要素をほどほどに入れて、スリリングで、わかりやすく。
エンタテインメントとして、とても良くできています。

優男だがぱっとしない青柳雅春は、かって恋人の樋口晴子に物足りなく思われて振られていました。
宅配ドライバーの仕事をしている時に、たまたまアイドルの女の子がストーカーに襲われているのを助け、一躍時の人となったことがあります。
そのせいなのかなんなのか、大がかりな陰謀のスケープゴートにされてしまうのですが。
携帯からの発信で居所が知られてしまうような状態をいかに乗り切るか?
陰ながら力を貸す元恋人まで含めて、彼の人柄を信じる何人かの人に助けられ、これまでのすべての経験と人脈を使って対抗し、逃走するのです。

ゴールデンスランバーとは、黄金のまどろみ、といった意味。
もとは子守歌にあるんだけど、ビートルズのナンバーに使われているんですね。
解散が近づく時期にメドレーとして作られた曲の6曲目だとか。

今の時点では一番完成度が高く、伊坂ワールド集大成の感もあり、一般的にオススメでしょう。
初めて読むのにも良いですが~「グラスホッパー」を読んでいれば、なお面白いです。
あの殺し屋たちが登場してますから!
(女性には、これを読んでから「グラスホッパー」の順がよいかも)
国家的陰謀の怖さを感じさせて、重みもありつつ、テンポ良く展開。
ほっと泣き笑いするような結末で、締めくくってくれます。

「このミステリーがすごい!」でも1位に選ばれました。

「親指のうずき」

アガサ・クリスティ「親指のうずき」ハヤカワ文庫

クリスティの探偵役の中でも元気な、トミーとタペンスもの。
トミーとタペンス(あだ名)のカップルは1922年登場、その時はまだ結婚前でした。
1968年発表の本書では、すでに初老。
「あの二人はその後どうなったの?」という読者からの質問に答えて、書かれた作品です。

子供は巣立ち、孫も出来て、夫のトミー・ベレズフォードはまだ仕事仲間OBとの会合などがあるが、妻のタペンスは暇をもてあまし気味。
夫の叔母エイダが老人ホームで亡くなり、遺品の整理に行ったタペンスは不審に思います。
叔母に絵をくれたランカスター夫人に連絡を取ろうとしたら、どうしても行方が知れないのです。
ランカスター夫人は前に会った時に「暖炉の奥にある死体はあなたのお子さんなの?」といった発言をしていたため、捨て置けないと感じるのでした。
しかも、その絵に描かれた家に見覚えがあるタペンスは、記憶をたどって車を飛ばし、ついにサットン・チャンセラーという村までたどり着きます。
一見平和そうな鄙びた村に隠された事件とは…

トミーとタペンスのシリーズは、本格ミステリというよりは冒険物で、描写は軽めのタッチ。
この作品は、久しぶりに事件解決に乗り出した主婦のタペンスが右往左往しながら、出くわした人から事情を突き止めようとする様子が臨場感ありますが、ミステリとしてはやや冗長なところも。
一方、別ルートで夫もしだいに調査に参加する展開でした。

最近のドラマ化では、トミーはほとんど出てこない代わりに、ミス・マープルも参加する話になっていて、1968年よりは前の年代に設定してあったようです。
米軍が駐留をやめて帰国するというんですから1945年のちょっと後?
牧師さんとお墓で話すシーンやそこの教会で花を生けているのを見るシーンなど記憶にあり、視覚的にはイメージに合っていましたが、人間関係がだいぶ変わっていました。でも、まあ許せる範囲内かなあ…

タペンスは中年ですが、原作よりはやや若く、まだ女っぽいんだけど目の下にはくまが濃い~なんと軽いアル中?というぐらいの酒飲みになっていました。
ミス・マープルと意気投合して夢中になって事件を追ううちに、しだいに元気を取り戻し、大人のかわいさを見せてくれました。
グレタ・スカッキは若い頃は悪役もやったちょっときつい感じの美人女優さんですが~感じのいい演技でしたよ。

「果断」

今野敏「隠蔽捜査2 果断」新潮社

2007年発行のシリーズ2作目。
前作のいきさつで左遷され、エリートコースをはずれて大森署の署長となった竜崎伸也。
署長というのは上から派遣されてくるので半ばお飾り、行事に出るのが重要な役目で、あとは大量の書類に印鑑を押さなければならないので、ろくに読む暇もなく押すだけで一日が終わるほどだとか。
左遷されてきた自分を実力のある署員がどう見ているかと内心では気にしながら、ひたすら判子を押し続ける毎日に退屈していました。
近くで強盗事件が勃発、犯人が警戒網を抜けて逃走したため、責任問題に。
しかも、立てこもり事件に発展したため、竜崎は現場に詰めて、異例のリーダーシップを思わず発揮することになります。

やや一本調子だった前作よりも、ふくらみを増している印象。
家庭を任せきっていた妻の冴子が倒れ、内心すごく落ち込む竜崎は、案外~愛妻家?
息子が東大を目指すと聞いて喜ぶが、それはアニメの勉強をしたいからというので、母校である東大にアニメ科が出来たと聞いて愕然とする時代遅れの親父っぷり。
息子に見せられたアニメ(なんだと思いますか?)に素直に感動するあたり、ヨシヨシって感じです。

仕事の面でも、最初は建前で生きているように見えた竜崎の合理精神が発揮されます。
筋違いの権威にはへいこらせず、現場では身分が下でも訓練を受けた専門家を立て、その後の厳しい査問にも主張を通す頑固一徹ぶり。
幼なじみの伊丹とも、前作とは立場が違いますが、なんだかんだ言いつつけっこううまいこと連携していくのです。
周りを呆れさせる行動や、持論の展開も筋が通っている面があって、にやにやさせられます。
日本はどうなっているんだという気分になる日々、こんな人がもっといたら風通しがよくなるんでは、と思いますね~。

「隠蔽捜査」

今野敏「隠蔽捜査」新潮文庫

この次の作品「隠蔽捜査2 果断」の評価が高いので、まずこちらから読んでみました。2008年に文庫化。
仕事一途の警察官の視点で描かれます。
人の良い一警官ではなくエリートで、しかも本音吐きまくりというのがユニークなところ。

竜崎伸也は東大法学部出のキャリア組。
警察庁長官官房の総務課長とエリートコースをまっしぐら。
それも当然と思っているプライドが高いおっさんで、けっこう嫌なやつ。
最初は、こんなの読まされても感情移入できないのでどうしてくれるんだって感じですが、国家を守るために全力を尽くすのが当たり前と大まじめに考えているところが買えます。
変人と言われて心外に思う自覚のなさ。家庭を守る冷静な妻に、唐変木とまで言われるのがちょっと笑える。
硬骨漢というのか~40代なのに、ここまで古い男も今時珍しい?

対照的なタイプの同僚も~それぞれ長所短所があるのが良いですね。
警視庁の伊丹は同期であるばかりか~たまたま小学校で一緒だった幼なじみ。
そうすると親友のように思われ、伊丹の方も親しげなのだが、実は小学校時代には伊丹の仲間にいじめられたという思いが竜崎にはあり、屈折した感情を抱いているという設定。
伊丹は東大出ではなく私大出なので、出世もこれが限界と見下ろしているような竜崎には、被害者意識が抜けきれなかったんですね。
明るい性格の伊丹の方が断然取っつきは良い感じだが、本来どっちが上というのではなくタイプの違いといった描き方になっています。

警察庁と警視庁の違いというのも一般にはピンと来ないんだけど~すごい違いらしいです。
警察庁の方が断然エリートだけど、一般の警察官からすれば警視庁も雲の上なんだとか。
組織というのはこういうもんなのでしょうか。

受験浪人中の長男が思いがけない問題を起こし、自分の出世もすべて水の泡になるかもしれないという危機に、家庭を妻に任せきりにしていたことをちょっと反省するのでした。
そもそも私立には受かった息子を東大でなければダメだと言って浪人させるなんて、それが良くなかったんでは…進路によっては現実にありなんだろうけどねえ…?

折しも警察内部の不祥事も明らかになりそうになり、隠蔽工作が動き始めます。
握りつぶすべきなのか…?
正直に迷う人間らしさと筋を通す偏屈ぶりで、読後感はナイス!

バービーの夏着物

Vfsh5610昨日撮った写真が、なんだかバランスが悪いなあ…と、気になって。
リアルな顔立ちのバービーだから、もっと現実的な着こなしの方が良いかな?と。
細かいペーズリー柄の帯にして、細めの帯締めに。

Vfsh5612夏物のハンカチをソファに敷いて、
改めて記念撮影。
二人仲良く。
こちらも少し髪型を変えて、
帯締めを大人っぽい色合いに。

Vfsh5617若い子は着物を変えて登場~
華やかなのも良いかな、と。
ハート型のヘアピンをかんざし代わりに。

バービー人形て、体型はリアルそうでリアルじゃないんですよね~理想化してあるのと、重ね着の都合で腕やウエストなんか異常に細いんです。
帯を大きめにすると、肩の面積が小さくなりすぎるのかも…
少しふっくらさせる感じで着付けたらどうかな~。
ジェニーの本の型紙を大きめにして作ってありますが、着付けの加減がまた難しいのでした。

夏着物の着こなし

Vfsh5597半襟をつけて、夏着物として着せてみました。
右のモデルさんは、大きな花柄が入った黒地の半幅帯にして。
帯の中の一色を合わせた抹茶色の帯揚げで、大人っぽく。
半襟は生成色の薄手で、ちょっと夏物っぽい雰囲気のもの。
帯締めは細い木綿で、着物柄と同じ藍色で、すっきりとしたつもり~。

左の着物はさっきとモデルを変えて。久々に出したお人形は、去年の黒い浴衣を着たままでしたcoldsweats01
浅葱色の半襟で若々しく。
着物の柄がにぎやかなので、帯揚げはクリーム色で抑えめに。
シンプルな帯なので、帯締めは太くしてみました。

Vfsh5591上にお団子をつけた最近の髪型風に。
これがけっこう難しいんですよ。
バッグも持って、お花を一輪つけて~ドレスアップ!

お人形の浴衣

Vfsh5580せっかくなので、浴衣を着せてみました。
一人目、藍色の小花模様はパッチワーク用の端布だったと思います。
夏帯っぽい素材を探して見つけた布は、100円ショップの手ぬぐい。
レースを巻いて、涼しげに?

Vfsh55833人での撮影~右端、花と葉を文様にした布も、ペーズリー柄の着物っぽいでしょ?
縞が盛り上がったような帯は家に前からあった物で、たぶん紳士物の端布かな…柄が華やかなので、濃い方が落ち着くかと。

左端は細かい柄がお気に入り~これもパッチワーク用じゃないかな。
赤と白のシンプルな浴衣って、若い子向けならありそうでしょ。
帯は綿サテン。無地なので、レースを結んでみました。

腱鞘炎で出来ないでいるうちに、すっかり縫い物のこつを忘れ、新作が出来ないんですけど~組み合わせを変えれば、それなりに新鮮?

「目くらましの道」

ヘニング・マンケル「目くらましの道」創元推理文庫

前から気になっていたマンケル、初めて読んでみました。
2007年2月翻訳発行。
クルト・ヴァランダー警部を主人公とするスウェーデンの警察シリーズ、5作目にあたります。
事件は1994年の設定。
本国では1995年発表、イギリスで2001年に発行されCWA賞を受賞した作品です。

スウェーデン南端のスコーネ県のさらに南端のイースタ。
元法務大臣が斧で殺され、頭皮の一部がはぎ取られるという事件が起こります。
ついで画商が…連続殺人の様相を呈してきます。
同じ時期に、菜の花畑をさまよっていた少女が焼身自殺を図るという事件も起こり、それも気にかかる警部。

仕事にのめり込む質らしいヴァランダー警部は、難事件の捜査にじりじりと能力を発揮します。
私生活では、老いた父のしだいにおかしくなってきた行動を案じ、いまだ進路の定まらない娘リンダを気遣い、旅行する約束をしてある恋人にもなかなか連絡が取れないまま~日が過ぎていきます。
犯人は比較的早くわかるのですが、綿密な描写で飽きさせない。
哀切な結末。

スウェーデンの警察小説と言えば、マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー夫妻のマルティン・ベック・シリーズが有名です。
1960~70年代が舞台だったので、国情がだいぶ違っているとか。
読んだのがだいぶ前なので、背景など詳しくは思い出せませんが。
マルティン・ベックも夫婦仲は破綻していたけれど、こちらはちゃんと次の恋人が出来たのが現代風?
娘のリンダが意外や警察官になる!という展開になるらしいです。

桃のワッフル

Vfsh5586タカノの桃~です。
凝った内容なので~飲み物は初めてコーヒーにしてみました。
アイスクリームは桃とカラメルの2種類、ワッフルにはちょっぴりホットバター、メープルシロップも付いてます。
これが美味しい…happy02
ゴージャスなだけに、お値段も良いんですが…
ただ今、旬果スタンプラリー中で、桃のワッフル、桃のパフェ、桃のデザートの3種類を7~8月中に食べれば、無料になるパフェが3種類(桃、黄金桃、ピオーネのいずれか一つ)あるんです~。
ゲットなるか!?

珍しい花

Vfsh5532いつもと違う道を歩いて見かけたお花。
変わってますね~。
綺麗だけど、名前はわかりません。

Vfsh5561こちらは見かける花だけど…

Vfsh5562やっぱり名前は知らない~っとcoldsweats01

「分別と多感」

ジェイン・オースティン「分別と多感」筑摩書房

オースティン最初の長編、1811年発表。
2007年発行の新訳を読みました。

分別のある姉エリナーと多感な妹マリアンのダッシュウッド姉妹。
エリナーは兄嫁の弟で内気なエドワードに静かな思いをはぐくみます。
マリアンが激しい恋に落ちた伊達男のウィロビーは連絡をよこさなくなり…
それぞれに似合いのカップルなのだが、向こうの親の反対や恋敵の登場、異母兄夫婦の非協力など、さまざまな障害が。
似たような困難に直面したときの対照的な態度と、複雑な恋の顛末を描きます。

「いつか晴れた日に」という題で映画化されています。これも良かったですよ。
監督はアン・リー。姉役のエマ・トンプソンが脚色も担当。妹をケイト・ウィンスレット、姉の恋人をヒュー・グラント。

オースティンは、主に結婚話を題材にして皮肉とユーモアを持って描き、芸術作品にまで高めた、とこの本の紹介にあるとおり。
最初の作品にすべてが出ていますねえ。
主な6つの作品のヒロインがすべてタイプが違うとありました。そうですねえ… あ、あと一つだけ読んでないわ。
実際に姉と仲良しだったオースティンは、どのタイプだったのかしらね。
「分別と多感」の姉妹や「高慢と偏見」のおっとりした長女と利発な次女には少し~面影があるのかな?

「インシテミル」

米澤穂信「インシテミル」文藝春秋

2007年の作品。
不穏当かつ非論理的なことが展開しますという警告で始まる、密室での殺人ゲームの話です。
異常に高額のバイトに半信半疑で応募する人たち。
大学生の結城理久彦は車が欲しくて応募、暗鬼館に到着します。

たまたま一緒にアルバイト情報誌を見た須和名という育ちの良さそうな美女も参加していました。
12人のメンバーは、おのずとリーダーになるタイプの大迫とその恋人や、結城があるところで知っていた人物など、ほとんどはごくまともそうな人々。
意外なようですが~見るからに凶暴だったりしたら、乱射してすぐ終わりになりかねないですもんね…
そう簡単に終わらないように、念入りに人選も考えてあるというわけなんです。

地下の豪華な施設に閉じこめられ、それぞれ一つずつ凶器になりうる物を与えられます。
夜の間は一人ずつ自分の寝室に引き取る規則で、しかも鍵はかけられないという~不安をあおる設定。
法外な時給の他に、見とがめられずに殺人を行えば倍額、殺人を行おうとしているところで捕らえられれば減額、探偵役として推理が当たっていればさらにボーナスが出るといった仕組み。
誰も何もしなければそれで済むじゃないかと話し合って、ほっとしたのもつかの間、銃で撃たれた死体が発見されます。
3人以上で行動するように取り決めますが、皆は次第に疑心暗鬼に…

悪趣味だが。
細かな工夫が凝らされ、それがなかなか上手くできているので、凝りまくりぶりがミステリマニアならまでは。
そのへん、面白く読める要素はあります。

おみやげのお菓子

Vfsh5572ここでなければ買えないというのがいいね、と探して~
日本橋三越限定の和菓子に決めました。
パッケージも綺麗です。
マダム・セツコの香旬果だったかな~
チョコレートのお店でもあるみたいだったので、創作和洋菓子といったところらしい。
Vfsh5574外は大福よりも高級感のある柔らかい餅?
中は葡萄、クリームでくるんであるのが意外なとろり感。
中はシーズンによって(店によって?)違うのかも。
美味しかったですwink

「断髪のモダンガール」

森まゆみ「断髪のモダンガール 42人の大正快女伝」文藝春秋

大正から昭和初期まで、あるムードの時代を果敢に生きた女性たちを描いて、ものすごく濃い。
評伝ですが~作家も多いので、国内小説もカテゴリに含めました。

髪を切るというのは昔の日本女性にとっては夫を亡くした時だけだった…
そう言われてみると、重い日本髪から、断髪にした開放感はすごいものがあったんでしょうね。
欧米では、第一次大戦中に男性の働き手が少なくなったために女性の社会進出が進み、服装もヘアスタイルもぐっと軽くなりました。
日本ではそこまで全体的な変化はない中で、モダンガールという言葉が出てきたのは昭和2年(1927年)になってからだそうです。
ごく一部の女性が時代の空気に敏感に反応し、思いきり激しく生きたような気がします。

しかし、女傑が多いこと!
100年も生きた人もいて、明治生まれは強いとしみじみ。
望月百合子は明治33年(1900年)生まれ、平成13年(2001年)没。
早熟で、「青鞜」(明治44年発刊)を読んだのが小学校5年の時だったとか。
大正8年から断髪洋装の新聞記者として活躍、後に長谷川時雨らと「女人芸術」を創刊、アナーキズム系女性誌を創刊、女性解放運動に関わったとのこと。
この女性から生で聞いた往時の女性たちの印象が、この本の通奏低音をなしているそうです。

一枚だけの写真がよく風貌を伝えています。
平塚らいてうは、統率力がありそうだが押しも強そうな理知的な美女。
尾竹紅吉こと後の富本一枝の若々しい男装の袴姿も、可愛い。
伊藤野枝は丸っこくて野性的な色っぽさがあって、そのまんまだなあ。
夢二のモデルのお葉はほっそりとして哀しげだけれど、何とも綺麗。貧しさ故に少女の頃から親にモデルとして売られたような形で仕事をしていたとは…晩年は穏やかだったようなのが、せめてものことですね。

与謝野晶子が12人も子供を産んでいるのは知っていたけど~やっぱり、すごい。たくましい生命力ですねえ。
吉屋信子は断髪が似合うなあ。
宇野千代は、さっそうとして明るくて良いですね!
「スタイル」という雑誌が非常に売れたんですね。「生きていく私」のドラマ化以来、一番親しみを持っている女性かな。

オペラというパフェ

Vfsh5567一目で惹かれたチョコレートパフェ!
コーヒーアイスクリームとチョコレートアイスクリームが一山ずつ、チョコレートのマカロンを切ったのが下に混ざっていて、生クリームが盛られた上に、オペラという小さなケーキを二つに切ったのが上に乗っています。
絶妙な組み合わせ~wink
ウィークエンドというヤグルマキクの香りのする紅茶と。
ちょっと贅沢コースなお茶のひととき。
久しぶりに友達と日本橋三越までわざわざ行ったのですから~たまにはねhappy01
「ベルサイユのばら」展を見た後にふさわしい~フランスのお店ダロワイヨで。
オペラというケーキは、この店が発祥だそうですよ。

「カシオペアの丘で」

重松清「カシオペアの丘で」講談社

2002年から4年にかけて新聞連載、2007年に単行本化された作品。
重い内容がすんなり入ってくる、この読みやすさはすごいですね。

北海道の小さな町、北都。
幼なじみのトシ、シュン、ユウ、ミッチョの4人がボイジャーを見ようと丘に登り、ボイジャーは見えなかったけれど~丘の上で見た星座がカシオペア。
「カシオペアの丘」と名付けて、大人になったら遊園地を作ろうねと言い合う。
30年がたち、そこには本当に遊園地が出来ていました!

車椅子の園長になったのは市役所勤めのトシこと敏彦。紅一点だったミッチョ(美智子)がその妻になっています。
けれども企画が出来た頃にはバブルが崩壊しかけており、小さな遊園地は5年でたちまち閉鎖の危機に。
そして事情があって町を出たきり、長らく連絡も取らなかったシュン(俊介)は、40歳を前にガンに冒され…
ユウ(雄司)の勧めもあり、やり残したことをするために、妻子を連れて故郷の町を訪ねることにします。
一人息子に病気のことを話すのは故郷で、と考えたのでした。

シュンの祖父は倉田千太郎という地元の大立て者で、かっての炭鉱事故に責任がありました。祖父は、鎮魂のために巨大な観音像を建てて、いささか悪趣味なそれは町中を見渡していました。
トシの父はその事故で死んだのですが、それを知らずに育ったシュンはある時いきなり知らされて、逃げるように町を出たのです。
学生時代に東京でミッチョと再会し、一度は恋人同士になるのですが…
故郷へ帰った美智子は、俊介とのことを敏彦には話さないままでした。

たまたま雄司が仕事で関わることになったある少女殺害事件の被害者の家族・川原も、幸せだった1年前に遊園地を訪れたことがあり、同行することになります。
重すぎるほどの内容ですが、流れるような文章で、引っ張り込んでくれます。
考えてみると、新聞で無惨な事件を知って嘆いたり、しだいに身近な人の重病が増えてくるのは誰にでも起きることですね。

命とは何かと考えさせる~愛情と希望と、生きている実感のあふれる物語。
シュンの病気の進行という辛い状態の中で、様々な人生が交錯します。
それぞれの家族が実はちゃんと愛し合っているのを確認できるので、心温まる展開。
濃い内容だけれども、よくここまで書いたものです。

「紳士たちの遊戯」

ジョアン・ハリス「紳士たちの遊戯」ハヤカワミステリ文庫

イギリスのグラマースクールを舞台にしたミステリ。
グラマースクールとは、中高一貫の私立の名門男子校。昔はラテン語の文法を主に教えたので、この名があるんだそうです。
ここに憧れを抱いたが入れなかった用務員の子と、成長したその人物、33年勤続の初老のラテン語教師ロイ・ストレートリーという三つの視点、から交代で描かれていきます。
現時点でのたくらみと、過去に何が起きたかという謎があるわけで。

憧れのあまり一人で学校に入り込み、制服を盗み、合い鍵まで作り、しまいにジュリアン・ピンチベックと名乗って生徒の一人になりすまし、学年の違う親友を作るところまでいくのです。
「太陽がいっぱい」の少年版?
いつかは破綻してしまうだろうと、ハラハラ。
子供の時の心情には思わず共感してしまう描き方で、上手いです。
読んでいる間、なんだか自分が不当に扱われているような~もやもやした気分を密かに抱えているような感じになっていましたよ。

一方、老教師ロイは、ちょっとチップス先生みたいな~頑固で時代遅れだけど仕事一途で、不公正なことはしないため、生徒には意外に人気があるんですね。
教室の入れ替えやパソコンの導入などで、陣地を追いやられていくような状況。
しだいに、空気の悪さは学科の問題だけではないと気づいていきます。

作者は映画「ショコラ」の原作を1999年に書いた人だそうです。
へえぇ…
1964年に教育者の家庭に生まれ、自身も12年グラマースクールの教師を務めた経験があるそうで、校舎の建て直しを機にやめたとか!?
変わりゆく環境を嘆くのは実感のようです。

白桃のショートケーキ

Vfsh5528いよいよ桃のシーズン本格化~!
生クリームが合いますね~。
桃はほとんど生のような新鮮な食感でしたが、それじゃ変色するだろうし堅さも均一にならないから~軽くシロップ煮にしてあったんでしょうね。
白いブランマンジェの小さいのと、洋なしのシャーベット添え。
美味しかったですよ~happy01

「あめふらし」

長野まゆみ「あめふらし」文藝春秋

久々に読んだ長野まゆみの本。2006年6月発行。
いぜんに数冊は読んでいます~。

涼しげな表紙もきれいな~和風幻想譚。
下宿屋の気まぐれな主・橘河が営むのは、何でも屋のウヅマキ商会。そこの依頼人~というより何かに誘われて迷い込む人たちはみな訳ありで、形のない魂だったりします。
橘河という男、実は魂をつかむことの出来る雨師だったのです。

「空蝉」「こうもり」「かげろう」など、題も美しいですね。
精緻な描写を連ねて不思議な世界に誘い込む文章にうっとり。
「空蝉」は、気がつくと死んだはずの人に乗り移って生活しているという不死者のような話で、自分が何者なのかつかみかねている魂の気持ち?みたいなものが感じられて、面白かったです。
橘河を巡る人々の微妙な関係も面白いのですが~ほとんど普通に生きている人間は出てきてなかったような…?

「少年アリス」でデビューした長野さん。
根底にちょっとBLテイストがあるのでやや女性向けですが、これは登場人物も年齢層が高めで、かなり広範囲の大人向き。
あら?そういうこと…と、にやにやしますけど~具体的な恋愛描写というほどのものはないので、美しい文章や幻想的なムードが好きな方におすすめ。

« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック