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「スリーピング・マーダー」

アガサ・クリスティ「スリーピング・マーダー」早川書房

1976年発表の作品。
ミス・マープル最後の事件として知られるが、クリスティが筆力が衰えないうちにと前もって用意して置いた物なので、事件の起きた年代はもっと前と考えられます。
リムストックの事件(「動く指」のこと)に言及されているので、1943年より後なのは確実。

ニュージーランドで育った若妻グエンダがイングランドに来て、新婚夫婦で落ち着く家を探します。これだと思った家には、見覚えのある壁紙が。
さらに、階段の手すりの間から恐ろしい光景を見たという記憶が…
このへんの書き方もすごく上手い。
調べてみると、初めて来たと思っていた母国に、幼い頃にも一度来ていたらしいことがわかります。

18年前、この家で何があったのか?
グエンダはレイモンド・ウエストの従妹にあたるという設定だったんですね。これは忘れてました。
継母の行方不明、父の不審な死、関係者それぞれの視点で見た思いこみ…
眠れる事件を起こして、全てを見抜くのはマープル。
念を入れて書いたのでしょう~バランスの取れた作品ですね。
新しい文庫では、解説が恩田陸になっていて、これもさすがに納得のいく書き方で楽しかったですよ。

最近のドラマ化では、過去の事件はだいぶ大がかりな物になっていました。
なんというか~人物像の改変がちょっとねえ…原作通りでも十分見応えある内容だったと思うんですけど?
原作にない劇団の様子は結構、視覚的に華やかで面白かったです。設定は違うけど、好感の持てる脇役がすてきでした。

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コメント

わたしは間違って、この本を二度買いました……(トホホ)
そういう意味でもスリーピングマーダーです。
たしか、「カーテン」とこの作品が最後の作品として残されていたんですね。わずか1時間で……することができるか? が論議の的になったように思います。
幼児って妙なことを記憶していると思いませんか?まして、それが殺人なら……ねえ?

marieさん、
おおっ…と。眠れる殺人、意味深いですねええ~
子供の頃の記憶、あざやかだけど偏っていたりするかも知れませんね。
なんで猿の手なんだろう?としばし悩んだのを思い出しました~。

「カーテン」ではポワロ、この作品でマープルの幕を閉じる、というのを死後に発表するように遺言していたのでしたっけ。
マープルには作者の祖母のイメージがあるので、元気なときの作品なんですよね。

わずか1時間で…ですか?
確かに~危ない橋を渡った物だとも言えますね!

これ、好きな作品です☆
最初のところでぐっと引き込まれる感じで、全部とは言わないまでも、結構ストーリーをはっきり覚えてるほうに入ります。
作品によったら、タイトルしか覚えてないのとかもあるんですけど(汗)
完成度が高かったのかしら。

なぎさん、
これはよく覚えてらっしゃいましたか?
最近クリスティを数冊読み直してみたら、これは力が入っているという気がしましたよ!
作者がマープルには思い入れがあったのがわかる気がします

若い美女が初めて来たはずの母国で既視感があり、しかも…という展開は印象的ですよね。
ドラマだと結構違うので、それが改変なのか、記憶違いなのか、いっとき煩悶しました。
…題を見ても全く思い出せない作品もいくつもありますよね~。
初めて読んだはずじゃないのに、妙に新鮮だったり…

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