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「スーラ」

トニ・モリスン「スーラ」早川書房

オハイオの川辺、メダリオン市を見下ろす丘の上の黒人の居住地ボトム。
1922年に12歳だったネル・ライトとスーラ・ピースは出会い、すぐに親友になります。

支配的な母エレーヌに堅苦しく躾られたために、まじめ一方のネル。
スーラは、極貧から身を起こした祖母エドナが家長で、大勢の人間が出入りする変わった家に育ち、母ハナも奔放。
対照的な二人でしたが、共に孤独。
スーラの父は早くに亡くなり、ネルの父は船長で不在がち、母は性格は違うけれども娘にはよそよそしかったんですね。
成長して男を惹きつけるようになったスーラは、しだいに魔女のように噂されるようになっていきます。
ネルの結婚後、一時付き合いが途絶えますが…
最後は公民権運動の起こった時期に、再会する二人。

祖母の代からの魔術的ともいえる家族の運命の転変、戦争の影響も含めた熱気溢れる街の描写、こってりと描かれる女達のこまやかな感覚が面白い。
当時、黒人の置かれていた状況は、今の日本人には想像を絶するものがありますが。
どこか寓話めいていて、食べつけない香料が入っているけれど手の込んだ贅沢なごちそうを食べるように、ぐいぐい読めてしまいます。
基本は女の友情だから、芯はわかりやすいし。
これはオススメですよ~!

トニ・モリスンは1933年オハイオ生まれ、コーネル大学で博士号を取得。
1970年に「青い眼がほしい」でデビュー。本書が73年の2作目。
1993年には、アメリカの黒人作家として初めてのノーベル賞を受賞。
この作品は1979年に一度、「鳥を連れてきた女」として訳されています。

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