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「さよなら妖精」

米澤穂信「さよなら妖精」東京創元社

2004年2月の作品。
シリーズものではなく、妖精といってもファンタジーでもありません~。
高校時代の思い出と1年後の謎解きを描いたもの。

91年の春に、高校3年の守屋らが出会った外国人の少女マーヤ。
17歳のマーヤは、後になれば妖精といいたいような存在だったかも知れません。
旅館の娘いずるの元に滞在した彼女に、弓道の試合を見せたり、旧市街を案内したり。
日本語は話せるがわからないことも多いマーヤの質問に答えたり、日常の謎を楽しんだ2ヶ月でした。
このあたりは地方都市の空気感が伝わってくるようで、みずみずしく書けています。

92年の夏、大学生になった彼らは、手紙の来ない彼女の行方を求めて連絡を取り合います。そこには大きな謎が…
マーヤの母国はユーゴスラヴィアで、その後分裂して独立したどの国が故郷なのか 、明言していなかったのでした。どの国かによって、92年の政情は全く違うのです。
異色作ですが、男子2人女子2人(プラス部外者)という組み合わせは、読者にとって入りやすいかな。
デビュー作の古典部シリーズとほぼ同じですから。守屋の女友達センドーは千反田のようにすらりとしているけど、気が強くて性格は違います。

良心的な内容で、若い人が外国の実情に興味を持つには、きっかけの一つになりうるかも。
ここをいつも読みに来てくれるお友達には~特にオススメというのではないんですが。
紅白饅頭とか、日本の風習を見直すという意味では、ちょっと面白いかな?

なんかねえ…後半が盛り上がりそうで盛り上がらない、ここで終わるのは勿体ないですね。いや盛り上がるというのでなくとも良いんだけど。
調べただけで終わり?彼らにとって何だったわけ?特に主人公にとって、今まで何してたかって、そりゃ受験だろうけども。
ほんの少し成長するために必要な1年だったのか…
急に立派になるのも読者からかけ離れてしまうから~ワンポイントだけにしたのかしら。
哀しい結末なだけに、一瞬の気持ちだけでなく、もう少し変化した状況を見せて欲しかったかなあ。

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