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「星新一1001話をつくった人」

最相葉月「星新一 1001話をつくった人」新潮社

星新一の評伝。
2007年、数々の賞を受賞している~なるほど、力作です。

星製薬の御曹司として生まれ、森鴎外とも縁のある文化的な家系で育ったんですね。
本名は親一で、星製薬のモットーの一つ、親切から来ているそうです。
エリート路線まっしぐらで附属小学校から一高、帝大~17歳で終戦を迎え、それって同級生は誰も戦死しなかったギリギリの世代なんだそうです。
ところが父の星一の急死で、破産に瀕した会社の後始末をする羽目に。
実業家には向いていなかったけど、アイデアマンだった所は父に似たのかも?

長身で甘いマスク、坊ちゃん育ちで品も良いけど、自分の内心はあまり語らない、サービス精神旺盛で、酒が入ると放言することもあったりと複雑な性格がいきいきと描かれます。
洒落たショートショートのセンスは恵まれた家庭で培われた物だったんですね。
SFの代名詞のように思われて、早く成功した方だったけれども、SFを軽く見る風潮の中で損をした面もあったり、さまざまなシーンが展開します。
戦後の日本の様子や、SFの勃興期のことがいろいろ見えてきて、面白い。

SFで星雲賞が設けられた頃には既に賞を与えるのは失礼なぐらいの大御所になっていて、かといって直木賞というタイプでもない。
ショートショートにかける気持ちが強く、読者には恵まれ、ファンクラブも出来ていたのですが…
夜遅く仕事をしてアイデアを練り、興奮してしまうので睡眠薬を飲まずには眠れなかったというから大変ですね。それで身体をこわしたのもあったようで、晩年の苦闘ぶりにはちょっと胸が痛みました。
小松左京や筒井康隆が非常に尊敬して、いつも礼を尽くしていたそうです。
タモリとの意外な交友、タモリの別荘での月見のもてなしに感動した様子などは心温まります。
恋愛結婚で家庭を築いて娘さん2人と孫にも恵まれたし、作品は今でも売れ続け読み継がれていて~十分、成功した人生だったと言えると思いますけれど…
苦労のない人生ではなかったんですね。

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コメント

星新一さんの本を初めて読んだのは小学校の4年ぐらいだったろうと思います。学級文庫に誰かが「N氏の遊園地」を持ってきていたんですね。ショートショートというジャンルを初めて読んで、思いっきりハマって次々と読んだのを思い出します。
一番好きなのは「ノックの音が・・」のシリーズかな。ノックの音から展開される何種類もの世界が面白くて仕方なかった。
そういえば、「閾域下」なんて言葉も星さんの作品で初めて知った言葉でしたね-。いまでこそ「サブリミナル」という言葉で普通にちまたで使われるようになりましたが、当時はSFぐらいにしか登場しなかったですよね。
星製薬や星薬科大を建て直すのが大変だったことは、他の方の文章や何かで知っていました。星さんその人がイイ人じゃないことも。でも、それらを全部知った上でも、星新一作品への評価に曇りが生じることはないということは、ファンの誰もが確信していることでしょう。

星新一さんは弟の本棚で発見しました。なぜか『祖父小金井良精の記』という本(ハードカバー)まであって、相当なファンだったらしい……。釣られて私も読みましたが、ショートショートをあれだけたくさん残すというのは並大抵のことではなかったと思います。
長編を書くのは簡単ですが、ショートショートを書くのはものすご〜く大変だというのをどこかで読んで、それを1000編も残した星新一さんはすごいっ!と感心しまくった覚えがあります。
最相さんの本はものすごい力作とのことなので読んでみたいと思います。
星薬科大学ってドライブしてるとよく見かける看板です(汗)。

しあんさん、
「N氏の遊園地」面白かったですよね。
「ノックの音が…」懐かしい~~!
最初に読んだのが何だったかは、残念ながら思い出せません。小学校の図書館か、兄の本棚かどっちか?
はまって次々に読んだのは間違いないです。
自分で買ったのは「ボッコちゃん」の文庫からかな?

会社の浮沈など極端な人生経験も、ショートショートを生み出す発想の源になっていたかも知れませんね。
単なるいい人では色んな角度から考えることが出来なかったでしょう…
偉大な才能だったと思いますよ~

JULIKAさん、
弟さんがファンでしたか!
ショートショートじゃない作品を何か読んだのですが、小金井良精ではなかったか…き、記憶力がぁ~~…

ショートショートってアイデアが勝負だし、似たような話にならないようにするのはすごく大変でしょうね。
原稿料は長さで決まる面もあるために、若い頃はたくさん書かざるを得なかったとか。
1001話書くと決めてからの努力もすごいですよ~。

星薬科大学って今でもあるんですね!知らなかった…

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