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「オドの魔法学校」

パトリシア・A・マキリップ「オドの魔法学校」創元推理文庫

マキリップといえばファンタジーの名作「イルスの竪琴」で一世を風靡したと言っても良いのではないでしょうか。
翻訳が途絶えがちになっていましたが、これは2005年の作品。

片田舎で植物を育てて暮らしていた青年・ブレンダンのもとに、ある日オドと名乗る女巨人が現れ、都にある魔法学校の庭師になってくれと依頼します。
弟も恋人も都に去り、植物を育てる腕には自信があってもそれが魔法だとすら知らなかったブレンダン。乞われるままに都へ出て行きます。

実は、オドは魔法学校の創設者で、昔のヌミスの王と契約を交わした謎の人物。
都では、魔法は厳重に管理されていたのでした。
事情を何も知らないブレンダンの才能に、しだいに気づいた魔法学校の人々は戸惑います。
折しも都のはずれの黄昏地区では、公演中の奇術師ティラミンの技が禁じられている魔法ではないかと疑われ、地区警吏監アーネスがティラミンの娘ミストラルを訪れていました。
美しいミストラルにアーネスは惹かれていきます。
一方、今のヌミス王ガーリンの娘スーリズは、少々おてんば。押しつけられた婚約に反発、禁断の街・黄昏地区へとさまよい出る…

幻惑されるような美しい魔法が展開する、華麗なファンタジー。
原初の魔法的な力の再現と、都会の人々の右往左往する有様の二つの流れがあります。後者は最近のファンタジーのテンポですね。
短い割に登場人物が多くて、最初はわかりにくい。魅力的な設定なのにもっとゆっくり描写すれば~と、ちょっともったいない気がします。
表紙イラストは、「影のオンブリア」に続きKinuko Craft(確か金沢生まれ?米国在住の方です)ミストラルの魔法的な美しさのイメージを十分伝えています。

2006年、世界幻想文学大賞・ノベル賞受賞。
この年のベストノベルは「海辺のカフカ」でした。
マキリップは世界幻想文学大賞、創設年の初受賞者でもあります。

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コメント

おやマキリップ、なつかしい!
出版社はどちらですか?うわ~チェック洩れしている大変だわ私。

タニス・リーの「パイレーティカ」を出した小学館ルルル文庫からも、秋に久しぶりにマキリップが出るというので楽しみにしています。邦題・発売月はまだ不明ですが原題はThe Changeling Seaというそうです。

正統派な魔法のファンタジーですね。目覚める前後の若者の戸惑いや臆病さがウサギみたいだなあとほほえましかったです。いろんなタイプの庇護者や、社会のコントロールのための協議の様子などもバランスよく配置されていて、いろんな視点があって安易ではないという点から、読書好きのローティーンに薦めたい感じです。

由比さま、今年の初めの方で創元から文庫でてます。

>由比さん、
あ、出版社書き忘れていましたね、失礼しました~。
創元推理文庫です。

マキリップ、もっと翻訳して欲しいものです。
おお~ルルル文庫、やりますねえ!
「パイレーティカ」は由比さんのご紹介で読みましたhappy01
The Changeling Sea…どんな題になるんでしょうね?

>Kさん、
>目覚める前後の若者の戸惑いや臆病さがウサギみたいだなあとほほえましかったです。
ウサギですか~confident
ブレンダンは素朴な人柄なんですよね。
ブレンダンの歩みは何か民話調というか~どっちかというとグウィン系の感じがしました。

>いろんなタイプの庇護者や、社会のコントロールのための協議の様子などもバランスよく配置されていて
なるほど!
コントロールにもや様々なやり方があるんですよね。
にぎやかな中に色々描かれてるんですね~。
政略的婚約への対処法にも色々な可能性が!

関係ないけど千葉でスローロリスが保護されたというのがめちゃ可愛くって…情けない顔に見えるんですけど、毛並みは綺麗で。逃げたか捨てられたかわからないんだけど、人懐こそうでした。

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