「ボトルネック」
米澤穂信「ボトルネック」新潮社
2006年8月発表の作品。
表紙を見てオーストラリアかアメリカ西部でも出てくるのかと思っていたら、これ東尋坊!?
2年前に転落事故で死んだ恋人の諏訪ノゾミ。
高校生になった嵯峨野リョウは、現場の東尋坊をやっと訪れ、一人で弔っていました。
そこへ、バイク事故で長く入院していた兄の死の知らせが…
目眩を起こして崖から落ちたリョウが気づいた時には、なぜか金沢市内に。自宅に戻ると、見知らぬ女の子がいて、お互いに怪しいヤツと疑いますが…
その家の娘だと言い張るのは、どうやら~生まれなかったはずの姉サキ。
少しずつ違う家の中。両親も不仲ではないらしい。そこは自分が生まれていない世界だったのです!?
ノゾミがこの世界では生きていることを知って、リョウは衝撃を受けます。
明るくお節介で少し軽い~懐いている先輩のサキに影響を受けてそっくりになっているノゾミ。
では、自分の存在は何だったのか…
互いに話し合っていくと、運命を分けたのは、幾つかの分岐点があったことが見えてきます。
サキの明るさや強さは、男の子を励ますのにぜひいて欲しい姉タイプなのかな?
青少年向けと限定された物ではないのですが~やや若向き。
けっこうダークな面もありますが、読みやすく、好感の持てるまとまり方です。
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