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「白い犬とブランコ」

莫言「白い犬とブランコ 莫言自選短編集」日本放送出版協会

「赤い高梁」などで知られる現代中国を代表する作家、莫言(モオイエン)の初期短編集。
川端康成の小説の一節にインスピレーションを受けたという短編で始まった、故郷を描いたシリーズ。
山東省高密(ガオミー)県が舞台です。

中国で深刻な飢饉や文革を生き延びたというのは、何ともすさまじい人生だったのですね。20世紀後半を生きてきた、ほぼ同時代人とは思えない重い内容。
共産党の時代になり、村を最小単位として共同での農作業が理想的な分配になるはずが、現実には不正が横行し、成績を上げようとして生産高を上乗せして報告したために不当に税が高くなり、ついには末端で未曾有の飢饉に襲われたとは…
それでも農民はたくましく生きていくので、生命力の強さが印象的。
飢えていた時期は何も楽しいことがなかったかというとそんなことはない、少し食べるものがあるだけで幸せだったのだから、と。

表題作は、久しぶりに故郷に帰って、苦い思い出のある初恋の人に再会する話。このタイトルでふつう?想像するような呑気な話ではありませんが~切ないです。

解放軍の話はほとんど自伝というか私小説?
中国のガルシア・マルケスという異名があるとか…この濃さと土着性、魔法的とも言える激しさ、豊かさ。納得。

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コメント

作者の名前を聞いたことがあって、あ、これってNHKの週刊ブックレビューで取り上げられていた人だ、と思い当たりました。
4月19日放送分です。

http://www.nhk.or.jp/book/review/index.html

とっても面白そうなんだけど、大長編というので尻込みしているのでした
作者の名前は、その時の放送では確か「しゃべりすぎ」っていう意味だと言ってました。そりゃ、これだけの大長編ではねぇ(笑)

しあんさん、
おお~これはまた長そうな…
すごく有名で、面白そうな作品のある人なんですが…
強烈そうなんですよねー。
これは短編だから読めるかなと初めて試してみたんですよ。まあ長編よりは取っつきやすいと思います。これでもかなり濃いです~!

あ、名前ね、この人はお喋りな人なんですって。文章も長くなりがち?なのかな~後書きにありましたが、「言うなかれ」という意味ですって。
私はバクゲンと読んでいたんだけど、さっきアマゾンで見たらモウイエンだったの。もう言えん、みたいで面白い~

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