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「説きふせられて」

ジェイン・オースティン「説きふせられて」岩波文庫

1818年発表、ジェイン・オースティン最後の作品。
タイトルは、エリオット家の次女アンが、恋人との結婚を反対されて諦めたことから。

ケリンチ邸に住む従男爵ウォールター・エリオットは身分と器量を鼻にかけ、3人の娘のうち美人の長女エリザベスに期待していたのですが、狙った結婚はまとまらないまま。末娘メアリだけが結婚していました。
ヒロインは父に似ない大人しいアン。父と姉には冷遇され、亡き母の友達ラッセル夫人が頼り。
19の年に相愛の仲になったウェントワースとの結婚を反対され、引き裂かれてしまいますが、8年後に皮肉な出会いが…

実の3姉妹のうちで、人柄は一番良いのに損をしがちなアン。一家が零落しかける時期に、幸せをつかむまで。
南イングランドの広大なケリンチ邸、妹メアリ一家の家庭的な暮らし、海岸の保養地ライムでの意外な展開、転居先の街バースでの社交生活へと、舞台を変えながら、恋模様が展開します。

ヒロインの性格など、前作「マンスフィールド・パーク」に似たところがあり、ある意味では焼き直し感もありますが、動きの多い前作に比べて、大人っぽく落ち着いてまとまった印象です。
いかにもオースティンな世界は、読者も望む所かと。
ユニークなのは、高齢な男性なのに器量自慢の父親という設定。
それと、遠縁に当たる跡継ぎの若いエリオットや、長女と仲の良い女性のキャラクターもなかなか曲者。
従男爵の娘であるメアリが夫や姑よりも上座に着く、など言われなくては全く想像のつかない当時の身分意識が端々に出て、ほほ~と面白く感じました。

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