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「病める狐」

ミネット・ウォルターズ「病める狐」東京創元社

CWA最優秀長編賞受賞作。
2002年の発表、こちらでは昨07年の発行。
ミネット・ウォルターズはお気に入りの作家ですが~ブログで取り上げるのは初めてかも。

ドーセットの寒村シェンステッドでは、不穏な空気が渦巻いていました。
狐は次々に罠にかかり、ある子供は虐待され、深夜に嫌がらせの電話がかかり、移動生活者(トラヴェラー)達が地主のいない空き地を占拠し、権利を主張する…
トラヴェラーのリーダーはフォックス・イーヴルを名乗る。その正体は?

シェンステッドの名家ロキャー-フォックス家の問題多い子供達レオとエリザベスはとうに家を出て音信不通になっていました。
当主ジェイムズの妻の不慮の死、犯人と疑われた老ジェイムズは次第に追いつめられていきます。
前半の重苦しさを跳ね返すような颯爽としたヒロインが登場。
ジェイムズを守ろうとする弁護士マークが探し当てたのは女性軍人ナンシー。勇気百倍のジェイムズと3人で、不審な出来事に立ち向かいます。

個性豊かな登場人物が描き分けられ、さまざまな愚かさや異常さがオンパレード。善意でも行き違ってしまった辛さもあるけれども~人の交流の暖かさも希望もある…
ぐいぐい食い込んでくるシャープな現実味。
辛口だがやや薄味かと思ったが、う~ん、さすがウォルターズ!
「鉄の枷」と「蛇の形」の中間ぐらいの重さかな。
視点が変わるのがややこしいので最初少し入りにくいが、実はいかにも英国的ミステリらしい展開なのでは。
視点が変わるのもクリスティがよくやっていたことで…クリスティが読んだら高く評価しそうな気がします。

ミネット・ウォルターズは49年生まれ、92年「氷の家」でミステリ作家デビュー。「女彫刻家」でMWA、「鉄の枷」と「蛇の形」でもCWA賞最優秀長編賞を受賞してます。
巻末を見ると翻訳されていないのもあるんですね……地味めなのか?
この前の作品「蛇の形」は傑作だけど~人間の醜さをえぐり過ぎるほどで、万人向きではないからかな…?

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コメント

ミネット・ウォルターズを読むときはは、ちょっと怖いもの見たさ、みたいな気持ちがあります。しっかりした書き手さんだなあと思うのですが、人の心の闇をこうも鮮やかに書いてくれると、なんだか心穏やかじゃないのね。
きっとイジワルおばあさんなんだろうなあと思うと、これが意外と美人で理知的な感じだし。
「病める狐」はヒロインが若くて元気なぶん、読後感がよかったですね。「蛇の形」面白かったけど、いやな話でしたね。

marieさん、
ミネット・ウォルターズはなかなか感じの良い綺麗な人ですよね。
「鉄の枷」あたりならイメージ合いますが。
今度はどんな感じの作品だろうかと、ちょっと身構えますよね。
「病める狐」もすぐには手が出なかったんですよ…
ナンシーがはつらつとしているので、読後感は良いですね!

「蛇の形」はすごい作品だと思います。
平凡な女性が思いがけない試練に立ち向かう話なので、ヒロインは良いんだけど~何とも嫌な事件なんで…
読み返せないんじゃないかと思いますが、またこれがクッキリ細部まで覚えてるんですよ!

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