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「着物をめぐる物語」

林真理子「着物をめぐる物語」新潮社

着物をめぐる11の短編を集めた物。
それほど厚くない文庫ですが、中身はねっちりと濃いめ。
章ごとに着物の写真もついて、ムードを盛り上げます。

「松の緑」は加賀友禅作家の父に反発していた娘がいつしか跡を継ぐ事になる話。加賀の芸者の出の衣装…すごそうです。
銀座のマダムが店を持つに至る回想の「形見」、戦時中に着道楽を通した姉を妹がひややかに語る話、若い女優が初めて時代劇映画に出た時の着付師の話など。
すべて聞き書き風の一人称です。着道楽で知られる作者の思いも感じられますが、実際に取材もしたのでしょうね。

歌舞伎座の衣装方が語る、大部屋のむんむんするような独特の熱気など、面白かったです。
衣装は毎日けっこう汚れてしまうので、まず霧吹きで汗をとばす、この加減が難しいというのに納得。乾いてからベンジンで汚れを取るそうで。
着た着物にはやりたくなるけれど、水で濡らすのは素人には無理ですもんね。

ねっとりして、ちょっと恨みがましいような、ほのかに残酷な気配が漂う、念入りに仕立てた着物ならではの怨念めいた想い。
女を夢中にさせる力を「こんなことがセーターやスーツで起こるでしょうか」と言われると、確かに…そんな気も?
古着屋さんで買うのが、ちょっと怖くなるような。お手ごろ価格のには大した念も入ってないから大丈夫かな~。

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コメント

たしかに、洋服じゃあ、こんなに濃密な女のストーリーはくっついてきませんよね~ このお話に出てくる着物はどれも高価そうで、読んでいて楽しかったです。どれも、きらびやかなお話ばかりで、着物箪笥を開けるときのような「次はどんな着物が入っているのかな」というような楽しさがありました。
わたしは貴族のお嬢様が着物を作る話が印象的でした。これって究極の贅沢でしょうね。

marieさん、
確かに洋服ではこんな物語はくっついてきませんよね!
着物の楽しみは反物から自分で柄を決めて染めさせる事…だなんてねえ。
確かに~究極ですね!
架空の話で、他人事でも、贅沢な着物を次から次へと、という話は楽しいもんなんですね!
欲しい物妄想を書いてみようかしら??なんてね~happy02

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