フォト

おすすめ本

« 「万葉集と古代史」 | トップページ | 和菓子の福袋 »

「夢の奥城」

長岡良子「夢の奥城」秋田書店

長岡良子の古代幻想ロマンシリーズ…一体、何年前でしょうね?
見てみると…ボニータ掲載は1987年9月~コミックス発行は昭和62年となっています。
一冊で独立した内容。
天智天皇の皇后となった倭姫という、詳しいことがわかっていない女性を主人公にしています。
倭姫王は古人大兄皇子(中大兄の異母兄)の娘。

蘇我入鹿暗殺から始まるので、歴史の流れとしてはわかりやすいです。
中大兄は乙巳の変を成し遂げた後も皇位にはつかず、母の弟を立てて孝徳天皇とし、その没後は再度、自分の母を立てて斉明女帝とします。
斉明が亡くなった時にも皇太子のまま政務を執り、遂に即位した時にもすぐには皇后を立てませんでした。
それだけパワーバランスをとるのが難しい時期だったとも言えますが~
色々な憶測もされているわけです。

古人大兄皇子は中大兄よりも年上なので、元は皇位に近かった人物ですが~入鹿暗殺の後に出家までしたのに、謀反と訴えられ、中大兄に追いつめられて命を落としています。
倭姫王はいわば仇の中大兄のもとへ嫁いだわけですが、まあ中大兄が高貴な血を他へ逃すわけありませんね。
皇后に立てるには、大王の血をひく姫が必要だったようです。
子供はなく、生没年も不詳。いつ結婚したのかもわかりません。
天智が亡くなった時の追悼の歌は綺麗で優しく、他の人は忘れても私は忘れないという真情…
この作品のように、清らかで凛とした女性だったのかも知れませんね。

中大兄は若くハンサムで強引~
寂しい境涯の倭姫に、母を喪った大伯皇女と大津皇子の姉弟を預けて育てさせるという展開になっています。
(この子達も後には悲運を辿るわけですが)
脇役に額田が豊満な年増の美女として登場、男同士が勝手に自分をやり取りしたと言ってのけます。
いやまったく…(…ありえなくはない??)
豪快に中大兄にも惹かれていると話す、生命力の豊かさと器の大きさが額田らしい!?

« 「万葉集と古代史」 | トップページ | 和菓子の福袋 »

コメント

先日、こちらで話題が出てから文庫版の長岡作品(天智天皇は沢山出てくるのに天武天皇は名前しか出てこないのを発見!)を読み返しました。
倭姫のこの話は、ハーレクィンにでもありそうなストーリーでしたが、倭姫が凛として芯が通った誇り高さを持っていて好きでした(それでいうと氷高皇女も同系統ですね)。大伯皇女・大津皇子は後のことを考えると本当に哀れを感じますね、そして有馬皇子はもっと出てきてもよかったなあ。

そうそう、天智天皇と間人皇后とのこと、高市皇子と但馬皇女のことは文庫版「葦の原幻想」にそれぞれ春宵華宴、但馬皇女悲歌として入っていました。なんとなく記憶していたより初期の作品でした。

Kさん、
読み返されてます?(^^)
倭姫の名前忘れてましたが、ヒロインが感じが良いのでラブストーリーとしては読みやすいですね。あしながおじさんが仇でレット・バトラーだったというか…(おい?)
長岡さんて天智が好きなあまり、天武が嫌いなんでしょうかね?
「暁の回廊」読みましたが、天武が出て来ないまま終わったんでビックリ。赤の他人説なのか?いや、説明は出てきてましたよね…

「葦の原幻想」好きだったんですよ~!
まだ発掘出来てないんです…くくぅ。
「天上の虹」(掲載紙がなくなって書き下ろしだとか)を読み終わっても出て来なかったら買うかも(@@;

「暁の回廊」はもう読み終わられたんですね。
幼い日の間人も額田も、後にはああなるんだなあと多少のギャップも感じつつ、額田は健全で鷹揚なところは一貫してましたね。
古い神の世界から律令の世界への移行、聖徳太子から藤原不比等の辺りが関心の中心だなあと改めて思った作品でした。

> あしながおじさんが仇でレット・バトラーだったというか…(おい?)

この表現はお上手ですね。あれこれ似たような人間関係のパターンの作品も思いつきますが、描かれるロマンスは割りと類型的なのに、描き方が人間の業とか男女のさがとかいうんでなくて、運命に主体的に向き合うというところが正しく少女漫画的だと思いませんか?

作品を続けて読んでみると、掲載時にはあまり意識しなかったんですが、前後の時期に他の作家でも見たような表現パターンに気がついたりしました。80年代って少女漫画のパターンが多様になっててとても活発だった印象があるのですが、少女漫画が発達し始めてからこれらの作品が出た80年代半ばより、それ以降の方が長くなっていることにも思い当たって2度びっくり

Kさん、
「暁の回廊」は10月に入るまで買うのを我慢してあちこちの本屋を巡っていましたが、結局アマゾンで買いました。
いずれアップするつもりですが~
やんちゃな少年があの!大王になるわけですね…
額田は最初にピンと来ましたが~確かに通じるものがないわけではないけど~あれからこれへ、三段跳びの変身ですね!(^^;

>ロマンスは割りと類型的なのに、描き方が人間の業とか男女のさがとかいうんでなくて、運命に主体的に向き合うというところが正しく少女漫画的だと思いませんか?

そうですね!
歴史物だとよけい、困難な状況に接した時にどう対処するか、というのがテーマになってきて、ハッキリするのかな。
…このトシになると業とかさがとかいうのも全然わからないのではないけど…世代的にはしゃらくせ~ていうか(おいおい)いえその…

少女漫画の特質として、少女的正義感というものが貫かれるというのがあると思っています。
最近の作品は少ししか読んでいないので、傾向というほどのことがわかりませんけど~
たとえば、のだめにもありますよね(^^)

80年代…くら~(@@;
素晴らしい作品は今でも評価されていますよね。
ふつうの若い子が知ってるというほどじゃないでしょうけど(^^;

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「夢の奥城」:

« 「万葉集と古代史」 | トップページ | 和菓子の福袋 »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック