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「停電の夜に」

ジュンパ・ラヒリ「停電の夜に」新潮社

デビュー短編集でO・ヘンリー賞だけでなくピューリッツァー賞受賞という快挙を成し遂げたのも納得。
老練の作家のような熟成した手触りと、若い女性の澄んだまなざしを感じる作品集です。

作者は67年ロンドン生まれ。両親ともベンガル生まれのインド人で、一家でアメリカに渡ります。
これがまた雰囲気のあるすごい美女なんです~インド系は美形が多いとは思うけど、それにしても。
99年にデビュー、日本でも翌年8月には新潮クレストブックスで発行されてます。当時から評判が高く、いつか読もう読もうと思っていたんですよ~。
今は文庫化されています。

少女時代の経験を思わせる「ビルサダさんが来たころ」では、外国の大学町で親しくなったおじさんを心配する女の子が描かれ、国際的な感覚や考え深さを身につけてきた状況が窺われます。
インド系というか実際にはおじさんはパキスタン人でかなり違うのですが、英米で他に同郷がいないとなれば、身を寄せ合うように暮らす感覚もあるのでしょうね。
両親がモデルと思われる「三番目で最後の大陸」も人間味溢れる筆致ですが、「停電の夜に」「病気の通訳」となると名人芸!

「停電の夜に」は子供を死産してから上手くいかなくなり倦怠期に入った若夫婦が、 停電が何夜か続くと知り、ロウソクをともして一つずつこれまで話したことのなかったことを話そうと言い合うというもの。
リアルな生活描写とある日一変した人生、言ってはいけない言葉…鮮やかで哀しい、何とも言えない一編です。

読んだのは9月前半、古代史にはまる前でした。
あまり時期が開きすぎると何なので~(^^;

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コメント

わたしもこれはクレストブックスで読みました。
ジュンパ・ラヒリさんは、ほんっとに美人なんですよね~。
作品は私もかなり好きなものでした。
本のタイトルになっている「停電の夜に」はいい作品ですよねー。そう、なんていうか、この人の短編はどれもみんな形の違う切なさがある感じ。
「ビルサダさんが来たころ」も好きでした。そうそう、子供って、こういうことをきっかけに子供なりに頭を絞って大人の世界の理不尽さや矛盾について考えるようになるんだよね、とか思ったり。ビルサダさんはパキスタン人だけど、この当時はまだ国籍としてはインド人だったんではないでしょうか。お国の戦争というのがパキスタンの独立の時のことだと思います。

短編集が気に入ったので、長編の「その名にちなんで」も買いました。こっちも面白かったですよ。
タイトルにある「その名」というのはロシア人の作家、ゴーゴリなんですけど、主人公はインド人なのに、なぜかロシア人の、しかも名字を名前に付けられてしまった男性なんですよね。
なぜその名になったのかは途中で明かされますが、その事情より何より、アメリカ社会で生きるインド系移民の生活がどういうものなのかが描かれているのが興味深かったです。
特に主人公のゴーゴリの母親と、彼の恋人の家族の、同じインド系なのにあまりに違うその価値観と生活に驚きます。母親は今でもそう珍しくないという、親が決めた結婚を受け入れて、相手をよく知らないままに、嫁いですぐにアメリカへ渡った人。アメリカへ移住して長いのに、かたくなにインド流を守る母と、いい意味でも悪い意味でもアメリカナイズされた恋人とその家族。すごく対照的で、主人公がどっちともうまくいかない自分に悩むところが出てきます。そこそこ長いですが、文章がうまくてするする読めますから、機会があればこっちも読んでみて下さい。

しあんさん、
やっぱり!読んでましたね~(^^)
ジュンパ・ラヒリって天が二物も三物も与えまくったみたいな。
ビルサダさんは外国にいる間にパキスタンが独立しちゃったのかな?
家族の消息がしばらくわからなくて、少女がお祈りしたりするんですよね。
どの話もそうですね、そう甘くはないんだけど~冷たく突き放すというのでもなくて、どこかおかしくて切ない…毎回、違う種類の味がしますね。

長編も良かったですか!
文章が上手くてするする読める…なるほど。
ずっと読んでいけそうな作家なので、嬉しいです~(^^)

「その名にちなんで」が映画化されたそうです。
日本では、来年の春公開とのこと。
お母さんのキャラクターの描き方など、どんな仕上がりか、ちょっと楽しみ。

しあんさん、
映画化ですか~情報ありがとうございます(^^)
さすが~美人原作者のインタビューが目に見えるようだわ。
外国の風景や小物など、見ないとわからないものもあるから、映画は楽しみですね~。
図書館でチェックしたら在庫有りだったので、さっそく予約しました(^^)

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