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「大統領の最後の恋」

アンドレイ・クルコフ「大統領の最後の恋」新潮社

クルコフはウクライナに住み、ロシア語で小説を書いている作家。
かっては同じソ連、今は隣の大国ロシアを意識せざるを得ない様子ですね。
ウクライナと言えば大統領候補が毒を盛られて顔が変わるという事件がありました。
この作品はそれを予測したようだといった評もなされたようです~大統領が事件に巻き込まれる部分があるのでね。

ごく普通の若者セルゲイがなぜか40年後にはウクライナの大統領に…
三つの時系列が交互に語られる凝った構成です。
1975年14歳に始まる若い頃と、ウクライナ独立直後のすっかり大人になった時期、大統領になっていて心臓移植手術を受けたばかりという近未来の2015年まで。

恋愛遍歴が中盤ややこしいですが~若い頃はどうも、どんな女の子にもついて行ってしまうんですが、本人は鬱屈もあるつもりでも後に比べると明るかった~のがありあり。
双子の弟との物語などは哀しいけれど~どこかファンタジック。
全体にユーモラスな空気が漂います。
本人は何の特技も理想も信念もないんだけど、人当たりが良いのが取り柄のようで、誰かに引っ張って貰えるんですね。
政治の世界に進むのも、暗躍する実力者に、穏和で健康な若者として目をつけられたため~これって、どっちかというと、傀儡としての素質でしょう。

大統領になってからは別人のように腰の重いくたびれた感覚で、大国ロシアに睨まれ、誰をどこまで信用して良いのかわからず、大臣はもちろん直属の部下にもびくびく気を遣う毎日。
でもやはり根が素直で(どうしてもちょっと女好きで)やや受け身なんだけど気が良い~通じる所もあるあたり、面白い作品でした。

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