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「再起」

ディック・フランシス「再起」早川書房

2000年に奥さんを喪い、断筆宣言をしていたフランシス、6年ぶりの新作。
86歳にしての復活です。
名翻訳者の菊池光氏も亡くなってしまったので、何とも寂しい心持ちがしておりました。
弟子筋の翻訳者さんらしく、違和感はありません。びみょう~に菊池節ではないような気はするけど。
「再起」というタイトルが良いですね。

フランシスの作品は一作ずつ完結していて、主人公が違うのが基本なのですが、例外中の例外がシッド・ハレー。
成功した元騎手で今は私立探偵という典型的な設定で「大穴」「利腕」「敵手」と3回登場して活躍。
3作目がやや印象が弱いので、確かにここで登場は納得です。

一作で完結する話の場合、恋愛も成就する方が多いんですが、シッド・ハレーの場合、けっこうもてはするものの、離婚した奥さんの印象が強く、夢中で恋し合ったのに激しく争い憎み合って別れたことがトラウマのようになっています。
妻の父親とは絆が出来ていて離婚後も親友のように信頼し合っているのも独特ですが、そのためにかえって元妻とも顔を合わせてしまう。
今回、遂に心から愛する恋人が出来るのです。そのために彼の話の中ではマイルドな雰囲気になっていますね。
それが危険を伴う仕事をするハレーにとって最大の弱みともなる。いかにしてそれを乗り越えるか?といった展開です。
ベテランにしてはちょっと用心が足りない気はするけどねえ…
それがスリルのあるシーンに繋がっているので。
いかにもフランシスらしいモチーフをちりばめ、満足のいく出来でした。

執筆協力者でもあった奥さんをなくした後は書けなくなる気持ちもわかりますが、そのために実は奥さんが書いていたのではというデマも出たそう。
奥さんの方が大学出なのでスペルを直していたそうですけどね。盗作みたいに言われるようなことはあり得ない~。
秘書や資料集めのスタッフなどのいるチームで書いていても別に差し支えないわけですし、最初に読んで励ましてくれる家族は貴重でしょう。
息子さんのフェリックスの励ましで書き始めたそうなので、息子さんに感謝!ですわ。
シッドの恋人マリーナは、フランシスの前に現れた60歳の金髪美人の面影があるらしいです。そのへん、運命的だったのかも?

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