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「太陽の王と月の妖獣」

ヴォンダ・N.マッキンタイア「太陽の王と月の妖獣」ハヤカワ文庫

ネビュラ賞を受賞した作品なので、SFに分類されていますが、内容的には歴史ファンタジーといった感じ。
17世紀フランス、ルイ14世の晩年の宮廷の様子をよく調べてリアルに描いてあります。
史実と違うのは、ヒロインに近い人物と、海の妖獣という人魚に似た生物が存在したという設定のみ。

神父で科学者でもある青年イブ・ドラクロワが大海原に妖獣が集まる場所を推測して、王のために本物を捕らえる勇ましいシーンから始まり、妖獣一体をはるばる宮廷に持ち込んで、巻き起こる事件を描きます。
主人公はイブよりも、その妹マリー=ジョゼフの方。
頭は良いが田舎育ちで修道院から出たばかり。本来は活発でのびのびした個性の持ち主のようだけど、宮廷ではそれがいささか悪目立ち。いきなり王弟妃の侍女となったため、まごまごしながらも宮廷の華やかさに魅せられています。
妖獣の世話を任されたことから、その知性に気づき、不死の霊薬を取り出すために殺される予定の妖獣を何とか助けようと尽力することになります。

実在した王弟妃やマントノン夫人が目の前にいるような描写、当時の科学と宗教の関係や、瀉血をメインとする医学治療の乱暴さ、優雅なようで奇怪な宮廷の慣習など、興味は尽きません。
豪華な衣装や髪飾りの描写はゴロン夫妻の大長編「アンジェリク」を思い出しました。  

取っつきはあまり良くないように思いますが~そこがネビュラ賞なのかも?
ヒロインの正直な感情を視点に描いていったら、ライトノベルになりそうなストーリーなんですよ。前半、ヒロインがおぼこで鈍すぎるんですが~宮廷ロマンス物としても後味は悪くありません。
登場人物との距離感の取り方がライトノベルと違うのかな、と思いましたね。

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