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「エヴァが目覚めるとき」

ピーター・ディッキンスン「エヴァが目覚めるとき」

知る人ぞ知る?イギリスの実力派ピーター・ディッキンスンの不思議な読後感の残る傑作です。
少女の視点で描かれているので読みやすいと思います。

長い黒髪で青い目の快活な美少女エヴァがある日事故に遭い、9ヶ月も昏睡状態に…目覚めた時には最先端の医療技術で彼女の記憶は違う身体に入っていた…!
人類は既に生命力を失いかけている時代、人々は超高層ビルに住み、テレビの進化したような立体映像を一日中見るだけの生活になりはてているという設定。
野生動物はほとんど死に絶え、チンパンジーだけが人類に近いからと保護されて研究対象になっているのです。エヴァの父親は研究所の博士。
小さい頃からチンパンジーと遊んでいたエヴァは、チンパンジーの肉体に宿る太古の記憶や本能と融合しながら、たった一人の存在として生きていくことになります。

両親の戸惑い、特に母親の複雑な愛と悲しみ、興味本位にアイドル的な扱いをするマスコミとの葛藤、違う世界の人々との出会い、そして研究所のチンパンジーたちとの付き合い方も何とも面白く描かれていきます。利発な少女の素直な発想や折々に発揮する勇気に感服。
生きるとは何か、自然とは、個性とは…
考えさせられます。

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コメント

ピーター・ディキンスンて、SF作家なんでしょうか?
お話の内容だけですと、けっこう昔から有るテーマですが、書き方によって面白そうですね。ちょっと清水玲子さんぽい?
こういう話って、SF作家じゃない人が書くと、ネタ自体に振り回されたようになってへんてこなもんになりがちなんですけど、そういうものではなさそうですね。
本屋さんで探してみようかな。

SF作家じゃない人が描いたSFっぽい作品としては、最近読んだカズオ・イシグロの「私を離さないで(Never Let Me Go)」はよかったです。
ネタバレになってしまうので詳しく書けませんけど(といっても、分かる人には結構早めに分かると思いますが)ネタ自体はそれほど新しくはないし、最近では映画にそっくりな設定があったので、これを読ませてしまうのは作者の筆力でしょう。それに、ネタの部分は恐らく作者としてもそれほど重要視していないんではないかと思います。それよりも、登場人物達の子供時代の心情描写の豊かさ、アイデンティティの求め方、そう言ったものの方が大事に思われます。
あんまり使いたくない言葉ですが「切なさ」というのものが伝わってくるんですよね。子供の頃って、こんな風に切ないことっていっぱいあったよなぁみたいな。その切なさが最後の方で違う意味を持ってきてしまうのですが。
ともかく、最近読んだ中ではお勧めの1冊です。敢えて言えば、訳がちょっと。
あんなオヤジくさいしゃべり方の子供って居ないんじゃないの?
原文に当たっていないので分かりませんけど。

しあんさん、
ピーター・ディキンスンは最近「キングとジョーカー」が復刊されたりしてます。ミステリ系が多いのかな。「魔術師マーリンの夢」とかいうのも書いてたり。
SF専門じゃないですよね~だったら、しあんさんがご存じでしょ?
この作品も雰囲気は文化人類学的というのかな~しっかりした構成で、ちょっと茶目っ気もあり、なかなかです。オススメですよ~。

おっと、「私を離さないで」ですか?むふふ~今手元にあります!お正月休みに読むつもり(^^)

今、「キングとジョーカー」を読み始めたところです。
「わたしを離さないで」は、しあん先生がおっしゃるようにSF的な設定を使いながら、主人公が淡々と語る記憶の断片からにじみ出るようにあぶりだされる切なさがカズオ・イシグロらしくてよかったですね。

Kさん、
わ~三つ巴ですね?さすが!「キングとジョーカー」読み始めてらっしゃるとは。
「エヴァ…」もいいですよ!
「わたしを離さないで」楽しみです~(^^)

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