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「竜の夜明け」

アン・マキャフリイ「竜の夜明け」ハヤカワ文庫

パーンの竜騎士シリーズの外伝。
入植時代を描いたもので、年代的には一番最初の話ということになります。
射手座ルクバト第三惑星パーンへ、地球から最先端の科学を駆使してはるばる入植希望者の団体が片道切符で到着、理想的な世界を作ろうとします。
巨大竜に乗って飛ぶ竜騎士が活躍するこのシリーズは中世的な雰囲気なので、ファンタジーがお好きな人が読んだ方がむしろ良いかと思うんですが、ジャンル的には本来SF。
この作品だけは名実共にSFと言えるでしょう。
この作品から読んでも良いし、この作品だけ読んでもオッケー。
スターウォーズやスタートレックといった映画やドラマがお好きな人にもお薦めです。

宇宙船の提督はポール・ベンデン。
この名を聞いただけでも、ファンならにやりとしてしまいますね。
ヒロインは一人だけではありませんが、メインは獣医の娘のソルカでしょう。幼い日に火蜥蜴(最初はまだこの名もありませんが)と出会ってからずっと初期の全てを見て大人になっていく年月の物語。
ショーンという馬の扱いの上手い非定住民の少年と共に、現地の生き物と交流を続けます。
巨大な竜は交配によって作られた物だったとは…!
人々は空から降ってきて全てを焼き尽くす糸胞と戦い、地域にあった暮らしが固まっていく年月は、進んだ科学がいやおうなく失われていく過程でもありました。

登場人物は多く、複数の内面が語られるために最初はちょっとややこしいですが、しだいにダイナミックに連動して盛り上がっていきます。
感情が描かれるのは、ここで出会った異質な男性に恋をした女性が多いかな。
悪役の美女エイヴリルの臆面のない活躍もけっこうすごい。多くの目がエイヴリルを警戒しながらも結局食い止めたのは……!?
後に伝説となって残る出来事です。
読んでいて元気の出る小説ですよ。面白かった~!

凄腕の宇宙パイロットがケンジョウという日系人なのもちょっと楽しい所。
内心飛べなくなることに恐怖感を抱き、燃料を超人的に節約して飛行を続けるのです。
その妻は無口な働き者で文句一つ言わず夫の仕事を進んで手伝い「とても真似が出来ない」と周りの女性に思わせる、これがマキャフリイの日本女性のイメージみたいなので、ちょっと面映ゆい。
そんな日本女性って、未来には絶滅しているのでは…!?

bk1ではお取り扱いが出来ないということで寂しい~けど、画像は出るので、左サイドの宇宙船(上巻)と竜(下巻)の絵を見て下さいね。
右サイドにリンクしてあるWEB本棚ブクログのほうの「sanaの本棚」では画像が出ません~
Amazonでは取り扱っているんですけど、ユーズドのみでこれが1100円と定価より高値!珍しいけど、わかる気もします。
面白く読める内容だし、入植時代を書いたのはこれだけだから貴重ですもんね。
ハヤカワさん、また発行して下さいよーっ!

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コメント

あららら、この本もう入手困難なのですか?

わりとつい最近読んだような気がしていたのですが、でもよく考えたら私、パーンとは20年近くお付き合いしているのでした。つい最近というのは、竪琴師3部作(1990年頃?)と比べてつい最近なのであって、実はけっこう昔なんですね。

Lost Colonyもの(忘れ去られた植民星=再び宇宙に上がることなく科学技術が維持できなくなって退化し中世に戻っていく。Lost colonyという英語の本来の意味はアメリカ大陸の放棄された植民地のことだというのは今年、映画ニューワールドで初めて知ったのですが)というのは、先に中世ファンタジー風の時間的には未来の話しを読んでしまっているだけに不思議な違和感があって、でもそれが楽しくもあるのですが。
「ダーコーヴァ不時着」って読まれてます? ブラッドリーのダーコーヴァのいちばん最初の話し。あれも似たような雰囲気があって面白いです。

由比さん、
これ、ちょっと異色ですよね。
私は読み落としていて、初めて読んだばかりなんですが~本はすっかり古びていました。じつは90年には出ていたんですよ!
翌年に出ている「ネリルカ物語」は読んでるのに…その後このシリーズは4、5年に一度みたいなペースになってましたからねえ。
ちょっと調べたらマキャフリイはあちらでは62年から活躍、邦訳は82年からとのことです。

ロスト・コロニーっていうんですか!なるほど…ドラマなどでもありますよね。
「ダーコーヴァ不時着」…持ってないのは確かです。
図書館のリストを見たら87年発行なので、たぶん一度は借りて読んではいるんじゃないかな…あの頃はマキャフリイもガンガン出ていたんですよね。
さっそくリクエストしておきました(^^)

マキャフリィの名前を聞くようになったのは、「歌う船」あたりからかな。
どうもわたしの得意分野ではないような気がして、手を付けずにいました。
マキャフリィといえば訳は赤尾さん、だと思うんだけど、これは浅羽さんなんですよね。
中身も異色だけど、きっと、訳も他の作品と雰囲気が違うんではないかしら。

浅羽さんがお亡くなりになったのはこちらで初めて知って、あのあとコメント書いたんですが、ココログのメンテナンス中とかでアップできず、ページを戻ったら消えていたので、もう一度書くのもなんだか、と思ってそのままになってしまいました。
浅羽さんが亡くなったなんて、本当に残念でなりません。
あの独特のリズムと訳語がもう新作で読めないなんて。
ご病気だったなんて、ちっとも知らなくて。
私も「竜の夜明け」を探して読んでみようと思います。

しあんさん、
あの時書いて下さってたんですか~それは残念なことをしました。
メンテナンス、火曜日16時から木曜日にかけて、またあるんですよーっ(@@;

「歌う船」はアマゾンの評を見ても知られているみたいですね。私も読み始めたのはあの頃かな…
マキャフリイは基本的にエンタテインメントなので読めますよ!SFにしては甘いというか、女っぽいんですけどね。

マキャフリイの最近の物は赤尾秀子さんの翻訳ですね。
リストを見たら色んな方が訳してらっしゃいますわ…
「歌う船」は84年発行、翻訳は酒匂真理子さんです。
竜騎士のシリーズは小尾芙佐さんが一番多いようです~。
竜と騎士との深い運命的なつながりは、マキャフリイの飼い猫との愛情が基本になってるらしいですよ~竜の方が役に立ちますけどっ(^^)

あ、変な書き方になってますが、
 これは浅羽さんなんですよね
の「これ」は、「竜の夜明け」指して言っていました。
シリーズの中で一つだけ違うっていう話を上で読んで、浅羽さんならきっと訳の雰囲気も違うんだろうな、って思ったのです。

>竜の方が役に立ちますけどっ(^^)
猫ってほんとになんの役にも立たないんですが、そこが好きだったりしません?(笑)
マキャフリィはきっと猫好きだろうなぁってのは「誰も猫には気づかない」のタイトルで思ってました。読んでなくても、目に付くタイトルって覚えているもんですね。

しあんさん、
そうですよね、「誰も猫には気づかない」がありますもんね。未読ですけど、猫好きと見当つきますよねー。

あれ?こちらこそ、ヘンな書き方になってしまってて、ごめんなさい。調べたばかりのことを忘れないうちにガガガと書いてしまっただけなんですぅ(@@;

竜騎士のシリーズの中で浅羽さんは確かに「竜の夜明け」だけ翻訳していらっしゃいます。
私なんか訳者さんてそんなに覚えてないんですよ。
浅羽莢子さんといえばもう、字を見るだに頭がよさそう!って印象です。
久しぶりにパーンを読んで、えっこのシリーズも浅羽さんだったの!?って最初ビックリしちゃいましたよー。そしたらこれ一冊だったんですね。
やはり雰囲気内容が違うからなんでしょうね(^^)

あ、猫はねー、いるだけでいいんです。
私にとっては全てが可愛いから!…ばかじゃ~!?(^^;

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