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「秘密の手紙0から10」

シュジー・モルゲンステルン「秘密の手紙0から10」白水社

10歳の少年エルネストは祖母と二人暮らし。
テレビもない質素な家で、メイドが作って置いていく決まり切ったものを食べ、半年ごとに仕立屋の作る服を着て、時代から取り残されたように暮らしています。
母親はエルネストを産み落としてすぐ亡くなり、父親はそのショックからか出奔して行方不明、それまでに祖母は夫をはじめ全ての家族を亡くしていて、もう子供を育てる気力が残っていなかったのです。
意図的な虐待というわけではないのですが、子供が育つにふさわしい環境でないのがいたましい。
そういう生活しか知らないエルネストが気になっていたのは、閉じこもりがちの祖母が部屋で読んでいる古い手紙でした。

ある日、ヴィクトワールという少女が転校してきて、じつは美少年のエルネストに一目惚れ。
何と14人兄弟という大家族で育った物怖じしない少女は、つぎつぎに彼の前に扉を開けていきます。
虐待でなかった証拠に、エルネストは素直に育っていて、全てを新鮮に受け止めます。
エルネストがお祖母さんをレストランでの食事に誘い出すことに成功するあたりは、ほのぼのさせられました。
そして、写真でしか知らなかった父親が意外に近くで生きていることを知ったエルネストは…

前半の凍りついたように固まった状況から、一気に事態が動いていく様が心地よく、暖かい気持ちになります。
作者はアメリカ生まれでフランス在住。
フランス児童文学大賞はじめ、16もの賞に輝いたという作品です。

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