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「真夜中への挨拶」

レジナルド・ヒル「真夜中への挨拶」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

ダルジール警視シリーズの新作。原著は2004年発行。
1991年中東での知られざるエピソードに始まり、2002年の自殺と思われる事件の発端を読者には知らせる仕掛け。
しかも関係者はパスコー主任警部の妻エリーがその時会っていた友達の家族。
3段構えの上に、登場人物の語りが所々で入る念のいった構成が、さすがヒル。
国際的な背景がちらつき、巨悪の存在でぞっとさせます。
9.11に至る世界を意識したヒルの野心作と言えるかも知れません。
その面ではストレートで、ヒルがたまにやる猛烈にとんでもない話ではない…ような?

骨董店の主人が自殺。
密室でのことで当初は疑いないように見えますが、ダルジールが結論を急ぐのを不審に思ったパスコーは恐るべき上司に睨まれつつも捜査の手を広げます。
十年前にまったく同じやり方で自殺した父親の事件も、本当に自殺だったのか?
父親の後妻ケイは非常に魅力的な大人の女性で、あのダルジールが手もなく丸め込まれている様子…何があったのか。
そこには家族の確執だけでは済まないものが…

ダルジール、パスコー、ウィールドの3人はそれなりに安定した生活をしている時期ですね。
あくの強い巨漢ダルジールの意外な過去が明らかになり、教養があって優しすぎるほどまともなパスコーもしだいに力をつけ、岩のような外見だが几帳面で有能なウィールドの協力も欠かせない。彼らを客観的に見ている女性刑事ノヴェロの個性も面白いですよ。
前作で恋人を失い休職中のボウラーが意外な活躍、たまたま知り合った老婦人と野鳥好きで意気投合し、好感度高いです~。

原題はエミリー・ディキンソンの詩から。
色々な風に受け取れる内容が印象的でした。

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