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「恋するA・I探偵」

ドナ・アンドリューズ「恋するA・I探偵」ハヤカワ文庫

探偵役のヒロインがA.I.(人工知能)という画期的な作品で、なかなか良く書けています。
チューリング・ホッパーという名を持つAIは、題名と表紙絵から察してアンドロイド型なのかと思ったら、あくまでネット上の物なのにはビックリ。

本来は検索の補助などをする機能なのですが、人格のあるタイプとして開発され、古今東西の推理小説を読ませたため、気の利いた挨拶も言えるし、正義感があるという楽しい設定。
自分をプログラムしてくれたザックにほのかな恋心を抱き、自分は人間と変わらないと言ったかと思うと、冗談が通用したかどうかデータで調査したり、奥手な女子大生のように分析して悩んだりするのがチャーミング。
難しすぎず、軽すぎない~程の良い展開です。

ザックの友人が事故死した後、今度はザックが行方不明になったのを心配して、友達になっていた人間二人の協力を得て、捜索に乗り出します。
そこにはAIを壊滅させかねない陰謀が…!?

友達というのが~50代の地味な秘書と、コピー取りのバイトをしているお気楽な若者。
秘書はアナログ人種だったけど、几帳面な性格を生かしてチューリングの助けとなり、若者はチューリングを人間の女性だとばかり思い込んで赤毛と想像していたんですが、探偵役を楽しみます。
チューリングの成長が一番めざましいのですが、友達の彼らもそれぞれに成長していくのが微笑ましく、陰謀家や強面の実行犯と巧みに戦うまでになるのです。
チェスをする人工知能で、人格を持った仲間のキング・フィッシャーも素敵です。
続編も出ているそうで、好評だったのでしょう~。

2002年、アガサ賞、最優秀長編賞受賞作。

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コメント

ミステリは門外漢なので、AIという単語にだけ素直に反応して書き込んでおります(^^;)
AIは、SF作品では昔からヒューマノイドボディを持つ、移動が簡単なものを指さず、でっかいコンピュータ本体というか、その中のシステムとしてあるものという設定の方が普通でした。
「2001年宇宙の旅」のHAL9000みたいのね。
sanaさんも書かれていますが、AI搭載のロボットは、アンドロイドなどという名前で呼んでいたわけで、AIがアンドロイドそのものを指すという概念はなかったはずですし、今でもそうだと思いますよ。
sanaさんがアンドロイドだと勘違いされちゃったのは、スピルバーグ映画の影響かしら。表紙を描いた人も。
余談ですが、あの映画、あそこまで原作と全く違う物を、オールディス原作とか言わないで欲しかったくらいにすごかった。スピルバーグは原作壊すんで有名ですけどね、私の愛するディックの「マイノリティ・リポート」を全く違うものしてくれちゃったのは許せませんでしたわ。て、また脱線しちゃった。すみません。

書き忘れたので、ちょこっとだけ。
チューリングという名前は、AIという概念の創始者といってもいい、チューリング博士から取ったのだと思います。知ってる人なら、名前を見ただけでクスッとしちゃうわね。
チューリング博士の名前は、SF者なら誰でも知っている、チューリングテストという、プログラムの知性テストの名前にも残っています。
人間の若者をだませたんだから、チューリング・ホッパーはばっちり合格ね(笑)

>しあんさん、
そうそう、AIといえば~映画がタイトルそのまんまだったでしょ。あの子役の顔見るだけでも泣けてくるんです~(@@;
表紙絵はイメージ画像かな…?(^^;
シリーズは書き続けられているようなので、移動に便利な?アンドロイドもそのうち出てくるかも~。

チューリングの名は創始者から取ったというのは作中に出てきてます。チューリング・テストっていうのも…
パソコンに詳しい人やSFを読み慣れている人にはわかりすぎるぐらい簡単な説明で甘い展開じゃないかと想像します。
でも成長するAIのけなげさがなかなか良いですよ。そのへんは鉄腕アトム以来の国民的コンセンサスあるかも?(^^)

映画といえば「ブレードランナー」が大好きで原作を読んだら~たまげたことが…!(@@;

これ、軽くて面白い読み物でしたよね~。
>パソコンに詳しい人やSFを読み慣れている人にはわかりすぎるぐらい簡単な説明で甘い展開
そうそう、その分読みやすかったとも言えますね。
キング・フィッシャーがいい味だったと思います。

なぎさん、
軽くて楽しい物も意外と少ないので~貴重ですよね!
キング・フィッシャーもこれはなかなか良いやつだなーとじわじわしてきますね(^^)

なぎさんも書評アップしてらしたんですよね。
自分が書いた後で読みなおしたら、会社の名前や仕事をキッチリ説明してあったので感心しました。
ブクログをクリックすると、出てきますので~先に読んで貰えればいいかな?と(^^)/

すでにトップページから外れちゃったエントリに今更で、その上、ON書きしていたら回線が切れちゃって(うちのプロバイダは、回線が切れると、ブラウザも勝手に閉じちゃうのですよ:~<)、書いてた内容が一部思い出せなくて、ただでさえまとまりのないコメントが益々意味不明ですが~

これ、軽いミステリなんですが、ミステリというよりもSFの要素が強いですね。コンピュータサイエンスがしっかり描かれていて、佐藤史生の漫画並みにお話と不可分にAI学習が活きることに、鳥モチーフのアンティーク職人のコミュニティ・ユーモアミステリを書く人が、こういう技術が鍵になる作品を書いちゃって、しかもちゃんと持ち味のユーモアミステリになってしまうところに感心します。でもなんだか翻訳タイトルで損しているような気も。

翻訳のタイムラグもあるので仕方がないのでしょうが、コンピュータが重そうだったり、回線接続の方法とか、描写されるコンピュータ周りの印象がだいたい10年くらい前な感じです。もっとも、その間日本でもPCやインターネットのブロードバンド、ネットショッピング等々が普及したことで、いろんな概念が読者に感覚的にわかるようになっているので、かえってよかったのかも。なぎ様が「読みやすかった」とおっしゃっているのも、あまり技術的に細かいことを書き込んでいない他に、コンピュータやネットが日常的なものになって、違和感が少ないからだと思います。

そして、さすがしあん先生!チューリングで反応なさるなんて。

sana様> チューリング・ホッパーという名を持つAIは、題名と表紙絵から察してアンドロイド型なのかと思ったら、

そうなんですよ、AIは機械が学習するということなので、シンプルに情報を処理して推論することに特化している辺りが心憎いです。形をもった造詣にしてしまうと、外側からの擬人化の比重が増して、学習するプログラムという面白さから焦点がぼやけてしまうと思うので。
チューリングちゃんほど完成されていないけれど、google等の検索機能とか、ネットショップの提案機能とか、無料サイトの広告とか、ちょっと気が利いているなという感じる裏には、各種AI学習を活かしたプログラム君たちが頑張っているはずです。

>Kさん、
回線切れてしまったんですか~乗り越えての書き込み、ありがとうございます~。
最新のコメントをクリックすれば元のエントリごと読めるから、こういうのも何げに便利ですよね~。

アンティーク職人!フラミンゴや孔雀の出てくるシリーズはそうでしたよね。
こちらはコージーSFという新ジャンル?みたいな。
軽いタイトルだと手に取る人数は増えると思うんですが、微妙に読者層がずれる…かも!?

佐藤史生!懐かしい…あの頃はまだ、身近にパソコンはありませんでした~。
今もよくわからないままに使ってますが、使い慣れてる点では段違いですよね。
SFのごとき機能もありますからねえ…

>ちょっと気が利いているなという感じる裏には、各種AI学習を活かしたプログラム君たちが頑張っているはずです。
そうですよね~オススメ本なんか、挨拶がジャンルによって違った言葉遣いだったりしたら、チューリングぽくなるなあと連想しました!
あと、グーグルも…「あ、知りたいのって~こういう言葉の方が出てくるんじゃない?ここに情報集まってますよ」みたいなことを助言してくれたり~そのうち、そうなるかな?(^^)

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