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「ハルカ・エイティ」

姫野カオルコ「ハルカ・エイティ」文藝春秋

初めて読んだ作家さんですが、作品毎にテーマや文体を変えているそうです。
この作品は、ハルカという女性の一代記。
かなり分かり易い方なのかも知れない?
戦前に生まれて人並みの苦労はしつつ、80過ぎても若々しくボーイフレンドが出来るような現在の姿から、過去へと遡ります。

ハルカさんは、うちの母より少しだけど上の年代にしては、かなりモダンでお元気ですね~。
校長の娘で師範学校を出たのも、たまたま母と同じなんですが(昔は女性の職は少ないので、ある程度の確率はありますね)

ヒロインは生まれつき長身で健やか、ごく普通というよりは恵まれた資質があって良い家庭で育ち、戦後に幼稚園の園長という適職を得た、ということも大きいかな~。
戦争中に見合いですぐ決まった結婚をし、空襲で家を焼かれ、夫は何度か浮気をするんですが、それも天性の気だての良さを力づくで歪めるほどの苦労ではなかったわけで。
時代設定など、ちょっと高村さんの「晴子情歌」に似ていますが、結婚のいきさつなどがかなり違うせいもあって空気感が違います。
何かもっと波乱の一生なのかと思っていたら、ごくまともで淡々としているので、中盤これは何を書きたい話なのだろうと謎に思っておりました。
自分も不倫の恋を経験し、それも案外夫を理解する役に立ってけっこう良い夫婦であったあたり、面白く読めました。

あとがきで作者の伯母がモデルと知り、納得…そういうことだったのか~。
こういう作品があっても良いと思うけど、伯母さんへの敬意が遠慮になっているのか、事実を描く距離感のせいか、小説ならではの発酵度が低いみたいなんですよ。
子供心に遠巻きに見ているだけでも励まされる存在だったそうです。
出来るならこんなオバアサン(といっては失礼か?)になりたいものですね。

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コメント

集英社の別冊コーラスspring(<-結構読める作品ぞろいでしたよ)で漫画化されているのを最近読みました。
健やかでのびのびしていて、印象がよかったです。
でも原作とは雰囲気は違うんでしょうね
角田光代の「対岸の彼女」も安孫子美和の漫画化版は安孫子節でしたし

Kさん、
漫画化されてたんですか! 確かに、向いているかも~
回想は本人の控えめな視点から主に描かれているんですが、すらっとして明るい人なので、見ていて心地よいんじゃないかと思います~。
小説ではもっと癖の強いヒロインの方が多いので、もっと何か起こるんじゃないかと期待してしまいました(^^;

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