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「帰還」

ディック・フランシス「帰還」ハヤカワ文庫

若手外交官のピーター・ダーウィンが主人公。
フランシスの競馬ミステリ・シリーズの30作目。
競馬シリーズは一作ごとに完結していて、主人公も違います。競馬界が舞台とは限りませんが、どこかで絡んできます。
フランシスが若い頃騎手だった経験を生かして、馬に関してはとりわけ臨場感ある描写が光ります。

ピーターが日本での勤務を終え、次の赴任地の本国へ戻る途中、知り合ったクラブ歌手のヴィッキイ夫妻の窮地を助けたことから、娘の結婚式のためにグロースターシャーへ向かう夫妻を送っていくことになります。
グロースターシャーは偶然にもピーターが12歳までを過ごした土地。
娘の婚約者ケンは大きな動物病院の優秀な医師なのに、手術を施した馬が次々に死亡して信頼を失い、病院は火事で半焼という大変な危機に見舞われます。
友情から、調査に乗り出すピーター。
事件の鍵は彼自身の幼い頃の記憶の中に…!?

病院が舞台で緊迫したシーンの多い、事件性の高いミステリです。
ピーターが直接の被害者でなく、本人はかなり安定した状況にあって、好もしい女性にも出会う、休暇中の出来事というのが捻っています。
ヴィッキイ夫妻の善良さに魅せられて思う「もともと私は、邪悪さより善良さに興味を感じるのだが、それが世間一般の見方でないのは承知している」という18頁の述懐は、作者の本心ではないでしょうか。
知り合ったばかりの人たちのために尽力するメチャ良い奴~! 彼が幼い頃を思い出しながら推理していくのが面白い趣向となっていますね。

原著は91年の作品で、日本での文庫発行は97年。
bk1では既にお取り扱いしていないとのことで~古本で探すしかないらしい?
十年一昔って感じでしょうか。ちょっと寂しいなぁ。図書館にあると思いますけどね。
ベスト5に入ることはないと思うけど~真ん中へんぐらいの出来だと思います。
巻末の赤木かん子氏のあとがきは、女性向けの紹介として一読の価値あり!

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