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「警視の接吻」

デボラ・クロンビー「警視の接吻」講談社文庫

最新作「警視の不信」を先日取り上げましたが、手元にあったこの作品も再読してみました。

美しい女性の死体が人気のない公園で発見され、警視キンケイドと恋人の巡査部長ジェマが休暇返上で捜査に当たることになります。
人目を惹く美女は紅茶の会社を親から継いだ経営者アナベルで、エネルギッシュで有能な、周りをかすませるような存在だったことがわかってきます。
男性の作家ならファム・ファタール的に描きそうですが、女性の視点で、恵まれているなりの苦労や自己実現しようとあがく様子が、共感的に描かれているのが新鮮でした。

次々に登場人物の視点を変えて物語が展開し、数十年前に遡る因縁も次第に明らかになってくるあたり、「警視の不信」と似た構造です。この頃、完全にこうだったのか…
ただ、最初の方がやや複雑すぎて~後半盛り上がってくるところまでが長過ぎるかな?

何組もの男女が登場するので、全体に恋愛要素の強い作品。そういうものが読みたい人にはうってつけ(^^)
肝心の警視は1に仕事、2に息子、3にやっと恋人、という状態なのでジェマの心が揺らぎます。
どっちかというと「警視は接吻しない」という内容~(このタイトルじゃパーネル・ホール?)

読んだのは今月上旬、締め切り前でした(^^;

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コメント

前回「警視の不信」がよかったので、前作の「警視の予感」を読んた後、#4から#6を一挙読みしたら、間で2作くらい読んでたことに気づきました。全体に邦訳のタイトルがダメダメだと思います。事件の背景となる土地や人間関係のクローズドなサークルが興味深いのですが、女性作家ならではで人と人との機微が丁寧なあまりウェットすぎる気もしました。
でも家庭の安定しない子供達が、それでもいい方の親の手元で育つのはうれしいですが。

「警視の接吻」は、事件のおきた現代よりも遠因となった疎開下の田園のお屋敷での10代の子供達の10代らしい楽しさや友情の箇所の雰囲気がよかったです。それが終わりを告げる出来事や子供達の資質は一部「残酷な神が支配する」のようだったのと、正義や卑怯に関する線引きの感覚がアングロ・サクソン的かもしれないと痛々しかったです。読みながら、10年位前に雑誌等でもドックランドがよく取り上げられていたのを思い出しました。アナベルって亡くすには惜しい人材ですよね

Kさん、
そうですねえ~邦題で内容の区別がつかないってのがちょっと問題なのかも?
警視と息子ってタイトルにも出来ないでしょうが…

疎開している時の描写、確かにあの辺は素敵で、なかなか良いんです。
現代と最初結びつかなくて~かなり大回しですよね。意外な展開に愕然!?
アナベルはあんな事で死ななくてもねえ!惜しむ気持ちになるのは悪いことではないのかも知れませんけど~。
なんとなく釈然としないんですよ(^^;

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