「動く指」

アガサ・クリスティ「動く指」早川書房

BSで放映されたドラマを見る前に、読んでみました。
1943年の作品。探偵役はミス・マープル。
最近のは暗赤色の背表紙で、クリスティ文庫として刊行されています。
私が持っているのは赤い背表紙の文庫(イラストは真鍋博)ですが、もう紙の色が茶色っぽくて読みにくいので、おいおい買い直すつもり。

語り手のジェリー・バートンは飛行機乗り。
第二次大戦で負傷し、リハビリ中は田舎でのんびり暮らすように医者に勧められて、妹ジョアナと共にリムストックで家を借りることに。
都会派の兄妹が、時に忘れ去られたかのような田舎町へ。
しかし、匿名の手紙が舞い込み、田舎も平和ではないと知ります。嫌がらせを笑い飛ばして最初は面白がった2人ですが。

シミントン弁護士の継娘ミーガンは、学校を出てから何もせず、20歳近くなってもおしゃれっけもなく反抗的で、母親の再婚相手と年の離れた弟たちのいる家庭で浮いていたのでした。今ならニートってとこでしょうか。当時は別に勤めなくとも~女らしくしていれば目立たなかったでしょうが。
ミーガンと親しくなったジェリーは、半ば放置されているミーガンの扱いに憤慨し、かばうようになります。
匿名の手紙が町中に届き、しだいに空気は険悪に。ひどい内容の手紙を受け取ったミーガンの母が自殺してしまうのです。
牧師夫人の元に滞在していたミス・マープルの鋭い目が光ります。

ジェリーとミーガン、妹ジョアナとグリフィス医師の二組の恋模様が楽しい~ロマンス色の強い作品。
ベスト5に入るほどではありませんが~マープル物らしい特色もあり、読み返した回数ではベスト10に入るかも。

[犯人はゼッタイ書きませんが、ややネタばれ含みますので~これから見る人はご注意!]
ドラマは、原作にない大佐の自殺で始まり、これでマープルが村に来たことになってますが、さほど必要性が感じられなかったな…
このシリーズでは、かってはタブーだったことを強調した改変は多いんですが。
ジェリーの負傷の理由が、バイクで自殺を図ったためと一捻りされていました。戦争から無事に帰っても精神的に参っていたわけで、まあ、これはありかな…
そのためジェリーの屈折がやや強くなり、お洒落で陽気に見えるジョアナも兄の自殺未遂で実は心を痛めている女性になっています。

中盤は原作通りのセリフが多くて、楽しめました。
歴史ある古い街並みや2人の住む家の可愛らしいこと!
流行の先端を行くジョアナの派手なファッションも見応えあります。
家庭教師のホーランドが普通の美人になっていて、原作通りの方が面白いかな。
ミーガンの野暮ったいはずの服装は、最近のカジュアルなラインからすると別におかしくないですね。ちょっと時代が早いと思うけどファニーフェイスでヘップバーンみたい?
原作ではジェリーがロンドンに連れて行くのを、ドラマではジョアナが綺麗にしてあげることになっていて、まあそれでも良いけれど~ジェリーの対応がちょっとな…
男性が一方的に女性を救うような描き方は避けたのかしら?
細かい改変があまり効果的でないように思えて、ちょっと気になりました。
好きな作品だけにね~俳優のキャラは合ってるし、基本的にはオッケーなんだけど。

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踊る人達

Vfsh5435参道で小さなお祭りをやっていました。
ダンスフェスティバルにしては?狭くて混み合っていましたが~
買い物の行きと帰りに見ていきました。
Vfsh5436焼きそばやポップコーンの匂いが漂って、踊る人達も見る人達も楽しそう。
お祭りの雰囲気は好きなんですよ~。
主体的に参加するエネルギーはないから、ちょっと覗いて元気を貰う感じかな。

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「アキレス将軍暗殺事件」

ボリス・アクーニン「アキレス将軍暗殺事件」岩波書店

昨年、「リヴァイアサン号殺人事件」と2冊同時刊行されたもの。
ファンドーリン・シリーズの4作目だそう。
日本赴任からモスクワへ帰国したばかりの美青年捜査官エラスト・ファンドーリンは、滞在したホテルで旧知の将軍の死に遭遇。
アキレスと讃えられ、尊敬を集めていた将軍の突然の死…
自然死なのか?

モスクワは久しぶりで政治の動きに疎くなっていたファンドーリン。
将軍は財産を整理し、大がかりな陰謀に関わっていたらしいことが解ってきます。
謎の歌姫も登場、世紀末のモスクワで冒険が始まります。
天才的な盗賊を追って、引退した恩師と共に暗黒街へと乗り込み、白い目をした暗殺者と対決に。
暗殺者の側の物語もかなり長く、因縁の対決で、読ませます。暗殺者の風貌などはちょっと「ダ・ヴィンチ・コード」を思わせます~。
当時の政治の動きや将軍のモデルが実在したそうで、あまり知らない部分なので興味深いです。

日本から連れ帰った忠実な従者がマサ。シバタ・マサヒロっていうんですよ。
漢字でどう書くのか知りたくなるけど、それは原作にないわけで。
仲が良くて~一緒に忍者ばりの鍛錬をしたり、何かというと刀を持ち出したり、張り切って働くんですが。
失敗するとしょげかえるのをファンドーリンが鼻を撫でて許してやったり(愛犬か?)愛すべきキャラクターです。
ファンドーリンが気持ちを静めるのには書道で一字書いたりと…作者の日本通ぶりが発揮されてます。
これが一番の読みどころかも?

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メレンゲのタルト

Vfsh5414PAULのメレンゲレモンタルト。
この見た目に目が釘付け~。
クッキリした味で美味しかったです。
一人で食べるにはやや大きめだけど、そこがまたコタエられない…
親に一口だけ分けてあげましたbleah

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「竜の反逆者」

アン・マキャフリイ「竜の反逆者」ハヤカワ文庫SF

パーンの竜騎士シリーズ正伝7作目。
89年の作品、日本では95年発行。
主人公は竜騎士や城塞の太守といった立場ではなく、竪琴師でもなく、土地を流浪する運命の人達です。

テルガー城塞の太守の姉で、自らの城塞を作ろうと目論むセラ。
竜の声を聞く才能のゆえに点々とする少女アラミナ。
家を飛び出して、南ノ大陸を開拓したトリク。
やがて正規の太守ではないものの、実力を蓄えていったトリクの元で、未知の海岸線を調べに行く若者ピイマアも、登場した段階ではそうでしょう。
城塞を行商して渡り歩く隊商の息子ジェイジが一番主人公ぽいかな。
糸胞の降らない時期の終わり、警報を甘く見て外を移動していた隊商が糸胞に襲われるシーンはリアルです。
この時は少年だったジェイジが苦難の道を成長して、読み終わる頃にはしっかりした青年になるのを見届けた気分に。

悪役の女性セラは強烈~。良い人間ではないのだが、なかなか能力はあるんです。流動的な時代に、大巖洞の洞母は尊敬されても、女性が城塞の太守になる道はない、というあたりはちょっと同情するかな。
最後にロビントンらいつものメンバーが揃い、先祖の植民者の残した物の発見が始まります。

抜けたのを遡ってシリーズをヘンな順番で読んでいましたが~この前作の「竜の太鼓」はずっと前に読んだので、私としてはいちおう繋がったことになります。
「竜の太鼓」はピイマアが主役でした。
な、懐かしい…
その後の作品ではいつの間にか結婚して子持ちになっていたピイマア。名前が可愛すぎて、イメージ浮かばなかったんですけどね~。最初は見事にフラれますが、この後半で本命に出会うんですね。

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海外ドラマ「シタフォードの秘密」

クリスティの原作をイギリスのグラナダTVがドラマ化したもの。
先週やっていて、結末が原作と違うなと思っていたんですが…
実は最初の方を見ていなかったので、見てみたら最初から全然違うのね!
ちょっと改変しすぎじゃないかなあ??

トレヴェリアン大佐は、原作では金持ちで有能だったが金に細かいという程度の設定。
ドラマではチャーチルの跡を継ぐ次期首相候補。軍人仲間でかって大佐に命を助けられた政務官エンダービイが側に付いています。
原作ではバーナビ少佐に相当する役どころ。豪雪の中を2時間かけて大佐の様子を見に行くのです。

原作ではシタフォード荘は大佐が建てた物ですが、ドラマだともっと古い物みたいだな…まあそれはどっちでもいいんだけど。
大佐は人に貸したわけではなく、はっきりしない理由で、偽名でふもとの旅館に泊まるんですね。
そこで旧知の泊まり客のウィリット母娘と共に降霊会に大佐本人も参加、後にベッドで刺されているのが発見されます。
大佐本人もこの母娘も、けっこうとんでもないキャラに変更されてました。
容疑者のジムは甥ではなく血の繋がらない養子という設定に。
近所のパーシハウス夫人(原作だとこの表記、ドラマはパースワースだったかな)は名前だけ使って全然別な設定に。
他に創作された疑わしい脇役も必要ないような気がするんですが…

犯人の動機はクリスティの他の小説にあったと思うので~他の改編もそっちにあった物なのかも知れません。
つまり、二つを合わせたという。でないと、ややこし過ぎるだけという感が。1931年に発表された作品だけど、45年前後の作品のどれかかエジプトに関わりのある作品か…??
容疑者ジム、婚約者エミリー、新聞記者チャールズの個性はほぼ原作通りだけど、筋が違うと内面は違ってきますね。

原作はちょっと地味だし、思い入れもそれほどないので、まあいいけど~。
もっと微妙な改編がされているだけの「動く指」の方が、好きだった作品なので実は気になりますcoldsweats01

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しっぽが2本

Vfsh5357並んでいます~。

うちで撮った写真を見せると
「猫は2匹いるの?」
と聞かれることがあります。
Vfsh5358とっても仲良しなんですよ~。

Vfsh5356舐めてあげています。
毎日、舐めすぎたので頭がはげちょろけですが…

Vfsh5363うちに来た時から一緒にいる妹がわりのヌイグルミなんです。

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「グラスホッパー」

伊坂幸太郎「グラスホッパー」角川書店

2004年の作品。
フロイラインという非合法な活動をしている会社に入り込んだ鈴木。
妻の交通事故死の原因を作ったのが、ここの社長・寺原の息子と知った復讐のためでした。
大学で教授が言った言葉「これだけ個体が接近して生活する動物は珍しい、人間というのはほ乳類というより虫に近い」を鈴木が思い出す所から始まります。

仕事先で入社動機を怪しまれ、やって来た寺原の息子と刺し違えようかと思い詰めていた矢先に、仇敵が目の前で交通事故に遭います。誰かが押したように見えたため、鈴木はその男を追うのです。
「押し屋」という殺し屋がいるらしい…

その事故をたまたまビルの上から見ていたのは「鯨」というコードネームの「自殺屋」。これは、依頼されて自殺に追い込む殺し屋なのです。
一方、「鯨」に仕事を頼みながら、今度は「鯨」を疑うようになった政治家が、「蝉」という若い殺し屋に鯨の殺害を依頼。
鈴木の追っていった男は一見ごく普通の家に住み、ごく普通の家庭を営んでいました。戸惑いながら接近する鈴木に、一家の主はグラスホッパーの話をします。

息子を殺された寺原の組織は、「押し屋」を探しに出て戻らない鈴木を追います。
巡り廻って~殺し屋同士と鈴木を追う組織が次々に対決するという展開に。
奇妙な巡り合わせがスリリングで面白い。
アクションシーンはスローモーションの映画のような描写になっています。
推理小説ではないけど~犯罪小説という意味で、伊坂幸太郎の作品の中でもミステリ色が強い作品ですね。
社会批判も含んだぴりっとダークな内容ですが、アクション物としてタイトな構成で、一気読み出来ます。

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十二単の巻き寿し

Vfsh5416十二単巻きというお寿司です~。
ネーミングと色合いに惹かれて。
(家を出る前に、ちょうど瀬戸内寂聴解説の源氏物語をやってたんですよ)
12種類入っているそうで…
卵、きゅうり、椎茸、人参、蟹、かまぼこ、ゴボウ、かんぴょう、何か山菜と魚…あとは何だろ??
美味しかったで~すdelicious

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「シタフォードの秘密」

アガサ・クリスティ「シタフォードの秘密」ハヤカワ・ミステリ文庫

イギリスで製作のドラマが先週BSで放映されました。
まだ全部は見ていないんですが~「スリーピング・マーダー」「親指のうずき」「動く指」「シタフォードの秘密」の4作。
あれっ、シタフォードってマープル物じゃなかったような?
と探してみたら、やっぱり違いました。
マープル物でもポワロ物でもなく、警部は多分これしか出ていない人であまり特徴がありません。
容疑者と婚約しているエミリーという美女が活躍するのは同じですね。
原作は1931年の作品。

舞台は、雪に閉ざされたシタフォード村の立派な山荘。
厳冬期にここを借りた母と娘は南アフリカ帰りで雪が珍しいからという触れ込みですが、どこか不自然。
隣人を集めた座興にテーブルターニングで降霊術を行っていたところ、山荘の持ち主トリヴィリアン大佐の死が予告されます。
大佐の親友バーナビ少佐はこれが気になって、遠いふもとの借家にいた大佐の元へ。何と、同じ頃に殺されていたことが判明します。
大佐の甥に当たるジェイムズが逮捕されたので、婚約者のエミリーが村に乗り込むことに。

トリヴィリアン大佐役をティモシー・ダルトン。
原作に60だけど50に見えるとあったのですが、ちょうどそういう年齢なんじゃないかな。
勝ち気で生命力溢れるエミリーは、ドラマでもイメージぴったりの女優さんがやっていました。
けっこうハンサムだけど頼りにならないジェイムズもいかにもそれらしく、恋敵の新聞記者はいかにも頭が回りそう。

ミス・マープルがその場にいるのはけっこう自然でした。原作は「牧師館の殺人」の次の作品だそうで、元気なマープルの活躍期ってことで~まあいっか?
ジェラルディン・マクイーワンの華奢なおばあさんらしい外見は、マープルのイメージに合ってるしね。
声優さんが亡くなった岸田今日子から草笛光子に代わり、ちょっと声が太くなりましたかね。時々あっと気づきますが、ほとんどは気になりませんでした。

雪に閉ざされた村という~半ば密室殺人事件に、いわくありげな容疑者はてんこ盛り。
導入は怪しげですが、ストレートな推理物で、割とあっさりしています。
ほとんどの登場人物や舞台はそのままで視覚化されるのは嬉しいものです。ただし、ドラマは後半の展開をかなり派手に変えていました。
う~ん、確かにちょっと、原作は地味な方かな…
しかし、この犯人像は他の作品で読んだ気がするんだけど、何だったろう。マープル物の有名な作品ではないだろうし…??

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